ポンコツを拾ったら首領になることになった
コンビニで夜食を買った帰り、公園の公衆トイレ裏に倒れている女性を見てしまった。そういうプレイなのかと思ったが、どう見ても血を流して気を失っている。救急車を呼ぼうとも考えたが、見た目からしてなんと言えばいいか、そう、魔法少女系のアニメの悪の組織の女幹部みたいな露出の多い格好をしていた。関わりたくなかったが、見捨てるのも人としてどうなのかと思い、アパートに連れ帰ってしまった。
けっしてボロボロになった衣装から先端が見えそうになっているおっぱいに釣られたわけではないと言っておく。オレは尻派だからな。薄い尻に興味はない。
最低限の消毒と包帯を巻く程度応急処置を施して夜食の袋ラーメンを作っていると匂いにつられたのか拾った女性の腹から音が聞こえてきた。意識は戻っていないようだが体は正直なのだろう。
とは言え起きる様子もないので就寝する。ベッドを取られるのは癪なので一緒に寝る事にする。何度も言うが疚しい思いはほとんどない。正直言って睡眠欲が優った。
結果、ほぼ壊滅状態の悪の組織の首領になるハメになった。ああ、何を言っているのか分からないだろう?分かる?ああ、うん、そうだな。それでも一応流れだけは聞いてくれるとありがたい。
朝になって目覚めた女幹部っぽい奴、実際は首領だったのだが、オレがやったと勘違いした。目が覚めたらオレに抱きしめられて寝ていて、布団に血が付いていたからな。ちなみにアレの血じゃなくて内股部分の怪我から流れた血だ。包帯の吸水量を超えた分だ。
やった以上は責任を取れと言ってきた。薄い尻に興味はないと言えば女性とは思えない力で押さえつけられた。仕方ないので交渉で乗り切ろうかと考えたが興奮し過ぎて交渉まで辿り着けずやむなく責任を取ると言質を取られてしまった。
そして、オレは裏の世界へと足を踏み入れることになる。多次元世界の一つシャドウアーモリーのプリンセス、パムに率いられたプライベートフォース。それに対抗する宝石の魔法少女ジュエルヴァルキリー。
感情的でリーダー役としてジュエルヴァルキリーを引っ張るルビーヴァルキリー。
ルビーとは逆に論理的な軍師タイプとして指示を飛ばすサファイアヴァルキリー。
元気の塊が如くチームのムードメーカーを務めるエメラルドヴァルキリー。
相手を傷つけることを嫌いながらも市民を守るために戦うトパーズヴァルキリー。
ぼんやりしていると思えば見えてはいけないものが見えている可能性がある不思議ちゃんのラピスラズリヴァルキリー。
そしてその後ろにいる多元世界の一つジュエルランドの女王ホープ。
彼女たちとの1年に渡る戦いによりプライベートフォースは壊滅的損害を与えられた。そして昨日の最終決戦によって本拠地も破壊され、プライベートフォースはジュエルヴァルキリーに敗北した。パムはなんとか逃げることは出来たが、次元跳躍装置を破壊されてしまったことでシャドウアーモリーに帰ることも出来なくなってしまった。そして力尽きたところをオレが拾ったことになる。
簡単な説明を受けながら色々疑問に思ったことがあるがとりあえずだ。朝飯にしよう。