第6話 蝙蝠男とピピ
「くそっ!あの鳥女めっ!絶対に目にモノ見せてやるからな!」
日本だったら空を飛んで襲うだけで簡単に人は恐怖したものを!
兵士達も怖がらないどころがこの森で修業しようと飛んでいた我輩に矢を放って攻撃してきおって!
通りかかりの鳥女が止めなかったら我輩危なかったぞ!まったくこの世界の奴等は怪人に会ったら恐怖するという常識がないのか!
その時も鳥女から
「そんな飛び方だから魔物と勘違いされるんダゾ!」
と理不尽に怒られたし!
「・・しかしこの石はどうしたものが・・・」
この森で修行をするって言ったら、
「死にたいのカ?」
と鳥女に脅かされ、もしもの時に使えとこの青色に光る石を渡されたが
「その魔石を地面に叩きつければ、近づくモノを眠らせる結界が発動するゾ!」
鳥女の説明を聞いた時はすばらしいアイテムだと思ったか、使ったら我輩までいっしょに眠ってしまったぞ!!
目を覚ましたらすぐ隣に魔物達が眠っていてチビりそうになったではないか!!
「まぁ、我輩のあの技が魔物に効く事がわかった今は、もう使う必要もないから捨てても良いのかもしれんが・・」
せっかく貰った物だしな・・我輩、人から貰ったものは捨てられないんだよなぁ
「むっ、要らんことを考えていたら、もう真っ暗になってしまった!」
何時の間にか辺りは真っ暗になってしまっていた、仕方ない、今日の修業はここまでにしてあの大きな木で休むとするかな
「しかし本当に我輩、異世界に召喚されてしまったのだな・・」
この世界は月明かりしかないから夜の森は真っ暗だ、城壁の向こうの街は夜でもある程度は明るいようだか、日本のビルの明かりに比べれてしまうと蝋燭の火のようなものだろう、これを見ると本当にここが日本ではないことを思い知らされるな
「くそっ!早く元の世界に帰らなければ、お気に入りのアニメや漫画の最終回が観れなくなってしまう!」
毎夜見ていた深夜アニメという我輩の楽しみが!
そういえば、あの時も頭領から
「なんでお前は蝙蝠なのに深夜、怪人活動しないんだ!?」
と叱られて仕方なく公園に行ったら、この異世界召喚に巻き込まれてしまった、クソッ!頭領の言うことなんか聞くのではなかった!
「しかしこのまま戻ったら、また頭領からネチネチと小言を言われる事に・・・・!?いや今度こそクビになるかも!?」
ヤバい、今クビになったら新しい組織で下っぱからという事に!
またキィーとギギィーでしか
コミュニケーションが取れないようになってしまう!
バザバザバザッ!
「なんだ?上か?・・うげっ!?」
ドガッ!?
なんだ!?我輩の上に何が降って来たぞ!?
おかげで木から落ちてしまったではないか!?
「痛たたっ!?木?見えなかった」
「貴様!鳥女!修業の休憩中に襲って来るとは卑怯者め!だか甘かったな!我輩には、あの技がある!返り討ちにしてくれるわ!!」
鳥女め!空から不意打ちとはやってくれる!あの技が魔物以外に効くが分からんが、こうなれば鳥女で試してくれるわ!
「んっ?その声、ミコのオマケ蝙蝠が?まだ生きていたノカ?」
「生きてるわ!!覚悟しろ!鳥女!我輩の必殺技で・・!」
「ピピ忙しい!オマエの相手してる時間ない!早く行かないと!ピピがみんな助けル!」
なんだ?鳥女のやつ、我輩の事を無視して飛んでいってしまったぞ?
しかしちょっと行ったところでまた木にぶつかり落ちているではないか。
「痛だだだっ!またぶつかった・・」
「ぐははははっ!みっともないものだな!我輩に飛び方をダメ出ししたくせになんだその姿は!」
せっかくだから近くまで飛んで笑ってやる!
「早く・・早く行かないと・・」
「お~い!鳥女、そのまま行くとまた木にぶつかるぞ~」
「えっ!?」
ドガッ
「痛っ!」
「ははーん!さては貴様鳥目だな!
こんな暗い状態で飛ぶのは、馬鹿なのではなかったのかなぁ~」
「馬鹿でもなんでも良い!ピピだけでもみんな助ける!痛っ!」
「さっきから助けるとか何とか?何をそんなに急いでいるのだ鳥女よ?」
「ピピの故郷の村・・魔物に襲われる、ピピ助けに行かないと・・」
「その状態でか?ぐははははっ!それではお前の村に着く前にポロポロになってしまうぞ!馬鹿な鳥女よ!」
「はぁ~、はぁ~、みんな今いくゾ!」
ドガッ
「痛っまだまだ!」
「ぐはははっ、お前は木に体当たりをしなから村に行くつもりなのか!」
ドガッ
「痛っ!」
「は・・ははっ・・・・おい?もう諦めたらどうだ?」
ドカッ
「っ!」
「・・翼も、もうポロポロだぞ?」
ドガッ
「はぁー・・はぁー・・」
「・・・・」
ドガッ!
自分の故郷なんぞさっさと見捨ててしまえば良いものを馬鹿な女だ
ドガッ!
「グッ!まだまだ!・・」
「いい加減諦めたらどうだ‼このままでは貴様死ぬぞ!」
膝や翼から血が出ているじゃ・・ない・・か・・
血っー!?ヤバい!我輩、暗闇でも問題なく見えるから血がくっきりと見えてしまう!うっ吐き気が!
「おい!鳥女そこを動くな!」
「なんだ!ピピ急いでいるんダゾ!」
「だから動くな!少し黙っていろ!」
我輩のお気に入りアニメのキャラクターハンカチを出して傷口を拭く、うっ、鉄臭い匂いが・・我慢だ我輩!
拭き終わった傷口に破いたハンカチを巻いていく、ぐっ!お気に入りアニメの限定品なのに!
「良し!これで血が見えなくなったな!」
「・・ありかと!蝙蝠!お前良いヤツ!」
「なっ!?怪人の我輩が良いやつの訳があるまい!訂正しろ鳥女!」
まったく怪人の我輩にそんな笑顔を向けるとは何を考えているのだこの鳥女は!!
「はっ!早く村行かないと!」
「こらっ!動くな!鳥女!また血が出てしまうだろうか!」
せっかくお気に入りアニメのハンカチを犠牲にしたのに!無駄にする気が!
「邪魔するな!・・蝙蝠良いヤツだけど、ピピの邪魔するなら許さない!・・」
許さないだと!良かろう!なら我輩の必殺技で今ここで引導を渡してくれるわ!!
・・・・しかしこんなポロポロの状態の鳥女を倒して何の自慢にもならん・・
待てよ⁉邪魔すると許さないと言うのなら
「鳥女よ貴様の故郷はこの森を抜けた所にあるのが?」
「?・・そうだ、この迷いの森抜ければすぐに村行ける」
馬鹿な鳥女よ、正直に答えよったわ!
「くっくっくっ鳥女よ!邪魔すると許さないのだったな!ならこの怪人蝙蝠男がお前が村を助けるのをおもいっきり邪魔をしてやろう!!」
「!?!何する気ダッ!」
ニヤニヤ
「我輩が先に村を助けるのだ!貴様は後から来て存分に悔しがるが良い!!」
バサバサッ!
「えっ!?待て蝙蝠!」
「くっくっくっ我輩は貴様とは違い夜でも問題なく飛べるぞ!そうだ!これは返しておくぞ!」
鳥女の足元に青い魔石を投げつける!
すると魔石から青色の光が輝き出す!
「この光!ピピが作った睡眠結界の魔石ダゾ!?」
青い光が結界になり、ピピの周りに広がっていく!
おっと、危ない!もう少しで我輩まで結界の中に入ってしまうところだった!?
「ま・・で・・蝙蝠・・ピピも・・村・・行・・く・・」
・・・・スヤスヤ
後ろで鳥女が眠る声か聞こえる、それを使ったら半日は眠ってしまったからな!明るくなるまでそこで寝ていろ鳥女!
その間に我輩が鳥女の村を先に助けてやるぞ!
我輩によって助けられた村人!崇め奉られる我輩!その姿を見て悔しがる鳥女!くっくっくっ完璧だ‼
続きは明日には投稿出来るようにします。