第5話 亜人と私
今日はここまで投稿させていただきます。
召喚から数日が立ち、城の中庭でピピに魔法の使い方を教えてもらっていたのだが
「こうウーンってやってグルグルって念じてドーンだ!!」
「うむうむ分かった!こうだね!」
「ソウダ!」
「なんであの説明で分かるんだ!?!」
突っ込みを入れるヒーロー・・そこはよく言う、考えるな感じるんだ!!的な?・・と突っ込みなんて入れてたら
「戦いの最中に余所見をするな!」
「グワッッッ!!?」
ほらラディにぶっ飛ばされた~
戦いの最中に余所見するから~ちゃんと集中しないと~、
「どうした!今度こそ私を倒すのではなかったのか!」
「ぐっ!まただ!ヒーローが負けたまま終われるかーっ!」
ピピといっしょに中庭に来たら、ヒーローがラディに戦いを挑んでいるところだった、召喚の時にラディの膝蹴りで沈んだヒーローだが
「ヒーローは何度でも立ち上がる!」
と何度もラディに戦いを挑みボコボコにされるを繰り返している、ラディも鍛練代わりに相手をしているようでボコボコにしたヒーローがまた動けるようなら、その後自分の鍛練に付き合わせるているらしい、あっ!また吹き飛ばされていったね~ 今日は鍛練の方は無理かなぁ~
そういえば蝙蝠男も
「覚えていろよ鳥女!我輩はお前よりも上手く飛べるようになってやるからな!!」
と言い残して迷いの森で修行をしているらしい、迷いの森って危険なんじゃ?と思っていたらピピが便利アイテムを渡してあるから心配ないとの事、最初からまったく心配はしていないけど
「ウ~ム・・やっぱりミコ、攻撃魔法は使えない」
「どういう事ですかピピ?ミコ様はやり方は間違ってはいないのですよね?」
「ラディもう鍛練は良いノカ?」
「ええっヒーローがもう動かなくなりましたので・・」
ヒーローがポロ雑巾のようになっている、死んだかな?
「魔力の流れは問題ナイ、けど魔法出ない・・多分ほかに理由がアル・・」
う~む、やり方はあってると思うけど魔法が使えない、ピピにもなぜ私が攻撃魔法使えないのか解らないようだ
これはあれが?ゲームで言うところの白魔法使いは黒魔法が使えないみたいな感じかな?
まぁ使えないなら仕方ない、忘れよ!忘れよ!
・・・・・・
「ごはん♪ごはん♪楽しみダゾ♪」
魔法の勉強もおわり、大切な用事があるラディと別れてピピと二人で食堂に向かっていると、
「はっ~腹へった」
後ろからヒーローがやって来た
「あれっ生きてたの?」
「勝手に殺すなよな!」
さすがヒーロー、ゴキブリ並のしぶとさ・・
「お前すげぇ失礼な事考えてるだろう」
「分かる?」
「・・はぁ~・・まぁ良いけどよ・・けどミコは結局魔法は使えなかったのか?」
「ま~ね、と言うがあんたは治癒能力とかないのヒーローでしょう?」
「あのな~ヒーローにそんな能力・・・いや・・ファーストヒーローには治癒能力があったって聞いたことあるな」
「えっ!そうなの!ならなんかコツとか聞いてないの!?」
ファーストヒーローってあれだよね、日本に怪物が現れた時に戦ったって言う男女二人組の初のヒーロー!
「聞いてるわけないだろ、ファーストヒーローが怪物と戦ってから20年以上は立っているんだぞ、俺も師匠から話聞いただけで詳しくは教えてもらってねぇ」
「ちっ!役に立たないヒーローだな!」
「お前なぁ~!」
「もういいや、ヒーローになんて期待した私が馬鹿だった、これまで通りピピ先生に教えてもらおう!」
「うん!ピピの教えた通りにやっていれば、魔法使えるようになるゾ!!」
「いや・・教えた通りって、あんなの教えた内に入るのか?ミコは、ピピのあの説明でよく理解出来るな?言葉で詳しく説明してもらった方が良いんじゃないのか?普通?」
「むっ!ヒーロー失礼ダゾ!」
まぁ言葉が通じない相手から何がを教わる時はだいたいニュアンスでやらないとね・・・・・・あっ!?
「ねぇピピちょっと良い?」
「んっ?どうしたミコ?」
「What is your favorite thing?」
「ピピは肉が好きだぞ!特にピックバードの肉は柔らかくで好き!」
ピックバードって鳥だよね?共食いになるんじゃ?
まぁ良いや・・次は
「你最喜欢的男人」
「ピピより強い男!ピピは強い男と交わって強い子産まないと!!」
ん~そう言う事が・・
「おい?ミコさっきから何言ってるんだ?」
「この世界での言語が気になってね~
今私は最初に『あなたの好きなものは何ですか?』って英語で聞いて、
次に『好みの男性は?』中国語で聞いてみたけどどっちもきちんと伝わったみたい」
「んっ?結局どういう事なんだ?・・・・って、おい!馬鹿を見るような目で見るなよな⁉」
「・・ようするにこの世界ではどんなに言語が違っていても自分が伝えたい事は相手に伝わるって事」
これは、凄いなぁ・・さすが、魔法世界
日本ではあまり聞かないが、世界では言語に関する紛争が数多く生じている、言葉が通じないと言うことは、それだけで恐怖心となって争いの元となる、
私も日本語が通じる国が少なかったから、苦労したんだよね、
でもこの世界では、魔法の力でどんな言語でも関係なく意志疎通が出来る。
だから人と亜人が問題なく暮らしていけてるのか、亜人の中には声帯が明らかに人とは違うはずなのに普通に会話が成り立っていたから不思議には思っていたけど・・
やっぱり便利だなぁ魔法は
・・ガヤガヤ・・
「・・良いから早く!・・」
「・・だから今は無理だと言っているだろう・・」
何だろう?城門の方で騒ぎが起きている?
「んっ?なんかあったのか?」
城門のところに行くと犬耳のおっちゃんが門番に止められなから必死に何がを叫んでいる
「あれっ!?ハスのおっちゃん!どうした?城にようカ?」
ピピの知り合いだったんだ、けど凄い焦っている様子?
「ピピが!ちょうど良かった!実は村に魔物の大群が迫っていて、すぐに助けを寄越してもらいたいんだ!」
魔物の大群!?なにそれ!見に行こう!
「なんで!?魔物、迷いの森の魔物が大群になっているなんで報告ないゾ!!」
「違う!迷いの森からではない!山の方から現れたんだ!」
「山?!山には竜がいるから魔物が大群になれるわけないゾ!」
「私達もそう思っていた!いままで山から魔物現れるなんでなかったのに!そのために気づくのも遅れて、今、若いのか村を守るために戦う準備をしている・・しかし魔物達の数が多過ぎる!王様に兵士を出して頂くために私は急いで城までやって来た!・・なのに・・」
門番に止められていたって事か・・
「たがらすぐに救援の兵士を出すわけにはいかないんです!本当に魔物の大群がやって来ているか、調べてからではないと!」
「そんな時間、あるわけないだろうか!私がこの城に着くまでに数日かかっているんだ!もう村が魔物に襲われているかもしれないんだぞ!」
「ですから!山から魔物の大群が現れるなんでいままでなかったんですよ!確認しない事には、無理なんです!」
「私が嘘を言っていると言うのか!」
門番とまた言い合いになる亜人のおっちゃん、もう掴み懸かりそうな勢い・・
「もういい!!ピピが直接ラディに言ってくル!!」
しびれをきらしたピピがラディに助けを呼びに城に戻ろうとすると城の方からちょうどよくラディが現れた、あっ!後ろではシャル君もいる!シャル君!
手を振るけど気付いてくれない!なんか顔を俯かせている?
「良かった!ラディ!ピピの村ピンチ!すぐに助けに行かないト!」
「・・・・」
「おい!俺も兵士達と一緒に助けに行くぞ!ヒーローとして困っている人達をほっとくわけにはいかないからな!」
「・・・・」
安心した様子のピピ、まぁラディならすぐに兵士を集めて助けてくれるでしょう!ヒーローも一緒に行く気満々のようだし、私も一緒に行こう!
でもラディ、いつも以上に無表情のような?・・
「ラディ?」
「・・救援は出せない・・すまない、ピピ」
「・・・・えっ・・なんで?・・ラディ・・ウソだよネ?・・」
ラディの言った事が信じられない様子のピピ、救援を出せないからシャル君もラディも様子がおかしかったのか・・
「なぜですか?!このままでは私達の村がっ!」
「そうだ!なんで救援の兵士を出せないんだよ!おかしいだろ、そんなの!!」
亜人のおっちゃん、それとヒーローがラディに詰め寄る
「陛下が今、病に臥せっているのは知っていますね・・そんな状況で確認もしないで兵士をこの国から出す訳にはいかないのです・・」
王様が病にかかっている状況で魔物の大群が現れるなんでタイミングが悪ずきるって事が・・もしかして罠の可能性も考えている?
もしこれがシャル君が王様になる事を望まない奴等が仕掛けた罠で城の兵士を少なくする事を狙っているなら、このまま兵士を出すのは危険・・その可能性がある限りラディも兵士を動かす事が出来ないって事が・・
「ヤダ!・・ピピの故郷だよ!ラディお願い!!・・」
ただ、ピピがそれで納得できるわけがないよね、自分の故郷なんだから、けど涙を流しながら頭を下げるピピに対しても無表情のままのラディ・・
「・・・・すまないピピ・・」
「!!・・・・バカッ!!ラディ嫌いッ!もういい!ピピだけで助けにいく!」
ちょっと!?ピピ!森の方へ飛んで行っちゃだよ!
「戻れピピ!もう辺りは真っ暗何だぞ!!なにも見えなくなっている状態で森を抜けるのは不可能だ!」
慌ててラディが止めるがもう森の方飛んで行ってしまって
ピピは見えなくなってしまった
「そんな!マーメル王国は、俺達の村を見捨てると言うのですか!?お願いします!お助けください!」
納得の出来ないのは、亜人のおっちゃんも同じでラディに何度も頭を下げて食い下がるのだか・・それでもラディは無表情のまま・・んっ?シャル君がおっちゃんの前に出てきた?
「なら・・自分が兵士と共に亜人の村を助けに行けば!ラディッシュや兵が僕を守るために城に残る必要もありません!皆で亜人の村を助けに行けます!」
と決意した顔で言うシャル君!うん、村を助けるために自分が危険な目に遭う事も厭わないシャル君!かわカッコいいよ!けど・・
「その手があったか!よく言った!お前、顔は女みたいだけど男だぜっ!安心しろ!この俺シャイニングマンがお前も亜人の村も守ってやるからな!!」
何も考えてないヒーローは、それに喜ぶのだが・・
「馬鹿なことを言わないで下さい!!」
ラディの怒鳴り声が響く!
・・残念だけどシャル君、それは無理だよ・・もしこれがシャル君を狙っている連中の罠だったら、シャル君が亜人の村を自ら助けに行くなんて、どうぞ狙って下さいって言っているようなもの、もし魔物達と乱戦になってしまったら魔物にやられるよりも後ろから斬られる可能性の方が高い・・
「陛下が病で倒れている今、亜人の村を助けに行き、もしシャルセール様に何があればマーメル王国がどうなると思っているのですか!」
「それは・・」
やはり自分でも無理があるのが分かっていたのが言い返す事が出来ないシャル君、その代わりに
「うるせぇ!この冷血女!てめえはこいつの亜人の村を助けたいっていう気持ちが解らねえのか!それにピピを一人で助けに行かせるつもりかよ!ピピがどうなっても良いのかよ!」
あっ~、それ言ったら・・
「黙れ!!!」
ドズッッッ!!
ラディの膝蹴りを喰らい泡吹いて倒れるヒーロー!
・・ラディがピピの事が心配で、今すぐにでも追いかけたいのを我慢しているの、見て分からないのかなぁ、この馬鹿ヒーローは本当に空気が読めない、まぁ斬られなかっただけマシか
「僕は・・」
「シャルセール様もマーメル王国の次期国王だという資格を持って下さい!!」
「・・・・」
また俯いてしまうシャル君から亜人のおっちゃんの方を向くラディ
「ハス殿、数日中には魔物の大群の事を調べさせます。大群の存在が確認が取れたらすぐに救援の兵士を出すことを約束する」
「そんなの待っていたら村は魔物に滅ぼされてしまう!?今すぐに兵士を出していただかないと!」
「すまないが、さっきも言った通り今すぐに兵士を出すことは出来ない」
「ぐっ!?・・この恩知らずが!!ピピは迷いの森で死にかけていたあんたを助けたんだぞ!俺達、村の皆もあんたを介抱したのになんで助けてくれないんだ!?」
「・・そうだな、私は恥ずべき恩知らずだ・・しかし私はマーメル王国を守る騎士!王国を守るためなら、恩知らずの汚名を受けようとも構わない!」
まぁ、国を第一に考えるなら、その対応が正しいんだろうけど・・ラディ、握り締めてる拳から血が出てるよ・・
「クソッ!クソッ!なんで!村を助けてくれないんだ!?・・ううっっっっ・・」
犬耳のおっちゃんは、涙を流して座り込んでしまう・・それじゃ私も移動しようかな、暗いから懐中電灯忘れないようにして・・
ラディが泡を浮いて倒れているヒーローを見ている内に・・
そろりそろりと
「この男は、余計な事をさせないように牢屋に入れておけ!・・それとミコ様・・悪いのですか貴方も一緒に入っていただきます」
あっ!?バレてた!?せっかく亜人の村に行こうと思っていたのに!
続きは来週までには投稿させていただきます(^-^)