第1話 怪人と私
はじめまして、HHHと申します。
いままで小説は、読む専門で書いたりした経験は一度もないのですか、思い付いた物を自分でも書いてみたいと思い、見よう見まねで書いてみました。
もし宜しければ時間潰しに読んでいただければ幸いです。
夜の森林公園を4人の男女が懐中電灯を照らしながら歩いている
「きゃっ!?」
「おい!気を付けろよ!」
「仕方ないでしょう!暗くて足下がよく見えないんだから!」
「ならもっと俺の近くに来いよ、俺の懐中電灯は軍用の懐中電灯でめっちゃ明るくなるからよ!」
「ねぇ、こんな所で本当に胆試しなんでやるの?この公園って何があるの?」
懐中電灯片手に先頭を歩く男は振り返りながらニヤリと笑い、語り出す
「この森林公園は昔は人気のある公園だったんだけど、ヒーローと怪人が戦ったせいで公園内がボロボロになってしまって、そのせいで人も寄り付かない、かなり寂れた公園になってしまったのさ」
連れの女達に、怪談話でもするように話をする男
「それからというもの真夜中になると誰もいないのに人の気配がしたり、ヒーローに殺られた怪人の霊が出るなどの怪奇現象が起こるようになったらしいのさ」
「何それ!怪人が出たら危ないんじゃないの!」
「大丈夫だろ?幽霊になっているなら、何も出来ないだろ」
「安心しろよ、もし出ても俺の懐中電灯で退治してやるよ!なんでだって軍用だからな!」
なんで、この男は懐中電灯をそんな信用をしているんだ?軍用だからか?
「それにこの辺りはヒーローシャイニングマンが巡回しているって言うし、もしもの時は助けを呼べば来てくれるべ!」
「シャイニングマンって、3年前から活動してないって聞いたけど復活したの?」
「ん?そうなんじゃないか?俺も見たわけじゃないから本物かどうかなんで分からないけど、そうだ!試しに助け呼んでみろよ!」
「えっ~、嫌よ!それで来なかったら恥ずいじゃん!」
「良いじゃん♪良いじゃん♪ほら、助けてシャイニングマ~ンって!」
「だから嫌だって言っ・・て・・いる?」
「・・・・」
こちらに気付いて、言葉を失っている女達
「んっ?なんだよ?俺の後ろになんがいるのか?まさか本当に怪人の幽霊とか?」
懐中電灯をこちらに向けようとする男の背中を抱き締める!
「ひっーッ!!?なんだよ!・・んっ?この背中の感触は女?」
ピンポーン!可憐でかわいい女の子だよっと!!
「うげぇっ!?」
背後から回した両腕を腰で掴み、男を後方へと反り投げる!
良し!綺麗なジャーマンスープレックスが決まった!ざまあみろ!
「ぎゃーっ!?怪人が出たーッ!!?」
「うわっー!?助けてっー!?」
慌てて逃げ出す女達、もう一人の男も逃げようとしていたので呼び止めでおく
「ひっ!ごめんなさい!悪気はなかったんです!本当に怪人が出るなんで思わなかったんです!助けて下さい!」
いや、私は怪人では無いのだか・・まぁ顔を見られないように全身を草でコーディングしているから怪人に見えなくはないんだろうけど・・
「この男も連れて行きなさいよね!」
私のジャーマンスープレックスで沈んでいる男を指差す、さすがに土の上だったので、ジョックで気を失っているだけだろう
「はい!おい、行くぞ!しっかりしろ!」
「ううっ、怪人・・怖い・・」
まったく、これに懲りたら人の眠りを妨げるんじゃないわよ!
んっ?これってさっきの馬鹿が自慢していた懐中電灯?
スイッチはここよね・・・・まぶしぃ!?
確かにこれは、目に当てるだけでも攻撃になるわね!
せっかくだから貰っておこう
「さてと、チャラ馬鹿共はいなくなったけど、目が覚めちゃったから、公園を少し散歩しようかな」
しばらく歩いていたのだが、この森林公園は復旧工事なども途中で止めてしまったようで足下にはプロックなどが無造作に置かれていて、転ばないように懐中電灯で足下を照らしながら移動しているとけっこう疲れてきた・・おっ!ベンチがあった!
あそこでちょっと休憩しようっと
「ふぅ~」
街灯横にあるベンチに座り、コンビニで買っておいたミルクディーを飲みながら一息つく
今の時期は、夜になると冷えてくるなぁ~、 雨は大丈夫だよね?
空を見上げると雲ひとつなく、綺麗な赤い満月が出ていた
「赤い満月が~」
確かストロベリームーンって呼ばれる現象で夕日が赤く見えるのと同じ原理だから怪奇現象って訳じゃないんだよね・・
けど赤い満月の日なら怪奇現象が起きたりするかな?
んっ?なんか満月の影が大きくなってる?
・・気のせい?・・いや!本当に大きくなっている!
「クックックックッ!」
笑い声!?あの影から!
懐中電灯を当てるとそこには、手が蝙蝠の羽になっているボサボサ頭の耳の尖った男が空を飛んでいた!!
「・・お嬢さん、こんな赤い満月の夜に独りで歩いたりしたら危ないよ・・ニヤリッ!」
バザッ!
「我輩は怪人蝙蝠男!さぁ恐怖するがよい!ワハッハッハッハッ!」
怪人蝙蝠男は赤い満月を背景に羽を広げて高笑いを響かせる!
「・・チェンジで!」
ポテンッ!!
あっ、蝙蝠男落ちた・・
「何だ!チェンジって!?」
「えっ~、どうせ襲われるのならもう少し面白い怪人が良い~、例えば怪人ソレノドン男とか!」
「怪人のチェンジなぞ聞いた事がないぞ!?それに何だ!ソノレドンって!?」
知らない?哺乳類には珍しい唾液に毒を持つ珍しい珍獣ソノレドン!
それが怪人になってたら面白そう!
「そんな怪人はおらん!!」
「ムッ~なら蝙蝠男で我慢するか・・ちぇ!」
「いや我慢って我輩酷い言われようではないか?!」
んっ?怪人?そう言えば、この公園の怪奇現象って・・
「ねぇ、ヒーローに殺られた怪人の幽霊ってあんたの事?」
「馬鹿を言うな!この蝙蝠男様がヒーローなんぞにやられるわけがあるまい!確かに前にここで食事をしてたらヒーローに見つかって戦いにはなったが、我輩はやられてはいないぞ!」
まぁ、確かに普通に足もあるし
「食事をしてたらって・・蝙蝠男って事は、人を襲って血を飲んでいたりしたの?」
「・・我輩は人の血を飲めないのだ・・」
「えっ?どうして?」
もしかしてなんか特別な理由か!
「我輩が蝙蝠男に改造された後、頭領から人の血を飲むようにと瓶に入った血を渡され、その場で飲んだのだが」
うむうむ
「血ってくどくて鉄臭いであろう、我輩、前からそういうの苦手でな・・」
んっ?
「しかし頭領がせっかく用意してくれた血を残すわけにもいかず、頭領も飲め飲め言うし」
アルハラを受ける、新入社員が!?
「次の日は、腹痛と胃もたれでトイレから出られなくなってしまい、それからはトラウマで人の血を見るだけで吐き気がするようになってしまったのだ・・」
この怪人、蝙蝠の癖に胃腸が弱いのか!?
「えっ~と、なら食事って何食べてたの?」
「野菜ジュースだな、いや、あの頃は野菜のスムージーだったかな?」
ダイエット中の女子か!?
ようするに野菜のスムージーを飲んでいただけの怪人とヒーローが出会って戦い、この森林公園はこんな寂れた公園になってしまったと・・なんで迷惑な!
「でも血を飲めないなら、なんで私を襲おうとしているの?」
「くっくっそれは!」
気を取り直したようにニヤリと笑う蝙蝠男
「貴様をアジトに連れ帰り、私と同じ怪人に改造するためよ‼」
「んっ?それは面白いかも?」
「えっ?!抵抗しないのか?」
改造されるにしてもキャットウーマンとかネコ娘なら怪人になるのもやぶさかではない!
「怪人改造といってもその者の特性に合った怪人に改造されるからお主だと・・」
私の身体を爪先から頭まで観察する蝙蝠男
ふふふっ自慢ではないかこの私、神無月ミコは、誰もが振り返る完璧ボディーの持ち主!こんな私が怪人改造を受けたら世の男性を魅了し惑わせる魔性の女怪人になってしまうかも♪
「!?・・怪人電柱女などでは・・ぐぶっ!?」
「それは私の特性がでか女って事!!」
あんたもあの馬鹿共と同じ事を!
久しぶりに日本に帰って来て、気持ちよくペンチで寝てたらデカ女、デカ女と指差して、笑いやかって!
欧州で見れば160cm後半が女性の平均身長なんだからねっ!!
私は180cmあるからそれでも平均より上だけど!
「分かった!悪かった!だからブロックを置け!我輩が怪人でもめっちゃ痛かったぞ!?!」
謝るなら許してやるかな、手に持った蝙蝠男の頭をどついたブロックを仕方なく足元に置く
「いや、そこだと近いから、もう少し遠くに・・!!・・嘘です!?そこで良いです!だから拾わないで!振り上げないでっ!?」
まったく余計なことを言わないでほしいものだ
「それで私にぴったりの怪人は何?」
「我輩が決めれる訳ではないのだか・・えっーと・・なら我輩と一緒の蝙蝠の怪人になれるかも知れないぞ!」
「絶対に嫌!!!」
こんな強いんだが弱いんだか分からない怪人に改造されてたまるが!
「何故だ?!バットマンだぞ!カッコいいではないか!」
「バットマン違う!蝙蝠男!筋肉ムキムキでもない、飛ぶしか出来ないような怪人でしょうか!!」
「失敬な!我輩には他にも能力があるぞ‼」
「本当?なら少しは考えでも・・」
「超音波を出して人を不快感を与え、混乱させる事が出来る!」
「えぇ~! 凄いじゃない!」
「ただしある程度の年齢になると効かなくなってしまうのだ・・公園などにたむろしている若者になら効くのだか・・」
「モスキート音!?」
「そういえばこの公園によく若者が集まっているのだか、今日はお前以外誰もいないのだな?」
「んっ?なんか怪人に襲われて逃げて行ったよ」
「えっ?!怪人!?我輩知らないぞ?!」
・・まぁ~襲ったの怪人じゃなくで、私だからね~
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
まだ異世界には行きません。