表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/81

忘れた頃にやってくる

超展開きた!

ワロタ





「………俺達も、もう3年生か」

「早いですね」

「そうだね」


由貴達が来て、約2年。

アメリア達が来て、約1年。

残り1年、何事もないようにお願いしますよ。

そう思いながら、学校の校門を抜ける。


「恭弥!」

「恭弥さん!」

「………どうした?

あれ? アメリアは?」


さっきまでいたはずのアメリアの姿はなくなり、俺の周りには(りん)と由貴と美奈しかいない。


「どうやら、まずい状況のようじゃ」


(りん)や由貴は周囲を警戒しているようだが、俺と美奈はよくわからず、首を傾げている。


「どういうことだ?」

「天乃の、封印の件に絡んだ連中が動き出したようじゃ」

「今、この学校は世界から完全に切り離されています」


校門を出ようとするが、目の前には壁あるような感じで跳ね返してくる。

そういえば、前に似たようなことがあったな。


「恭弥さんが、以前体験したものとは別ものと考えた方がよいでしょう」

「由貴、お前………」

「すみませんが、非常事態ですので」

「怒るのは、後にしてくれるかのぅ」

「わかった。なら、ちゃんと怒れるようにしろよ」

「わかっています」

「それで、どうするんだ?」

「まずは、裏の森に行きましょう」

「そうじゃな、そこから隠世に行くことができればよいが」

「………美奈はどうする?」

「置いていくわけにもいかぬ」

「美奈ちゃんにも、関係してきますからね」

「では、森に行くぞ」


どうやら、森には普通に入れるようだ。

校門を抜けようとした時の感覚はない。


「さっさと、行くぞ」


ズンズンと森を歩いて行く。


「美奈大丈夫か?」

「大丈夫」


この状況だからか、それとも俺が前を向いているからか、美奈はちゃんと言葉にして、返答してくる。


普段のイメージだと、運動とかあまり得意そうに見えないからな。


「美奈は大丈夫じゃよ」

「その程度は、封印された天乃でもアシストできるじゃろう」

「美奈ちゃんは、天乃様の影響を受けてますからね。

その程度なら、大丈夫だと思います」


それは便利なことですね。


「私も離れていても、恭弥さんの居場所はわかりますからね」


GPSいらずですね。

完全に、俺のプライバシーとか無くなってますね。

というか、ストーカーの進化形だよね。


「大丈夫ですよ」


大丈夫じゃねぇよ。


「………そろそろ祠じゃな」


話していたら、いつの間に。


「見えました、祠です」


由貴は周囲を警戒し、(りん)は祠を確認しているようだ。


「………どうだ?」

「たぶん、大丈夫そうじゃな」


………たぶん?

皆バラバラで、変な所に飛ばされたりしないよな?


「それかどうかのぅ」


そこは肯定しろよ!


「私もあちらだと、恭弥さんを見つけるのは難しいです」


ご都合主義的に不便だな。


「こちらはともかく、隠世は様々な力が働いていますから。

私程度の小さな力では、弾かれてしまうのです」


要は力の大きさ、強さが重要ってことか?


「よし、行くぞ」


俺達を光が取り囲む。

視界が真っ白に染まったと思ったら、先ほどとは違う場所にいた。


「………ここは?」

「恭弥さんは、1度来たことがありますよ」

「隠世じゃな」

「前回は意識を失っていたが、今回は大丈夫だったんだな」

「そんなことをしている時間はないからのぅ」


好きでやってるわけじゃないんだが。


「それで?」

「まずは、上間様の所へ行きましょう」




いつの間にか、武装した連中に取り囲まれている。


「………お前達は何者だ?」

「ワシの名は常立」

「………常立?」

「常立ってあの?」

「常立様の名を騙るとは、不届き者め!」

「お前達、確保しろ!」

「………(りん)

「ワシは知らぬぞ」


武装した連中は、俺達にゆっくり近づいてくる。


「今はとりあえず逃げろー」


俺は美奈の手を引っ張り、その場所から走り出す。


「どういうことなんだ?」

「先に手を打っていたのか、それとも偶々なのか」


………偶々ね。


「とりあえず、今は後ろの追っ手を撒かねばなるまい。」

「アテはあるのか?」

「考えはある」


追っ手を撒き、中心より少し離れた、人の住んでない古びた家に入りこんだ。


「こんな所に、勝手に入って大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃ」

「………お前は、さっきから何をしているんだ?」


さっきから、家の中を歩き周り、ゴソゴソとなにやらしている。

由貴に目を向けるが、わからないと顔を横に振る。

美奈は今の現状を理解していないのか、変わらず、無表情だ。


「………できたのじゃ」

「………誰?」


髪は濡れ、顔もびしょびしょになっている。


「それで、何をしていたんだ?」

「ワシが、昔城から抜け出す時に作った抜け道があってのぅ」


それが、ココとか言うつもりじゃないだろうな。


「その通りじゃよ」

(りん)さんは、何をしているのですか?」

「怒るのは後にしてくれ」

「その台所の排水管から、行けるようになっているのじゃ」

「………ハ?」


俺達に、排水管に入れる程小さくなれと?

どこぞのひみつ道具とかなければ、無理だろう。


「お前バカか?」

「お主はアホか?」

「は?」

「ん?」

「まぁまぁ、2人共」

「排水管に入れるわけないじゃろう。

そうではなくて、その横の壁から行けるのじゃ」


それは理解した。

だが、(りん)や美奈はともかく、俺や由貴は難しくないか?


「とりあえず、やってみましょう」

「では、ワシから行くからお主らはついて来い」

「壁は戻さなくていいのか?」

「心配ない。

時間が経てば、勝手に戻る」


(りん)、美奈と中へ入っていく。


「………由貴、大丈夫そうか?」

「大丈夫みたいです」


俺も由貴の後ろから、入って行く。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ