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海は広いな大きいな




「………海だー!」



前々回、プールに行くことを香に伝えていなかった。

そのことを知った香に、海には一緒に行きたい、と言われた。


そんなわけで、海水浴に来ています。


「私、海来たの初めてです」

「どうだ?」

「………本当に、広くて大きいんですね」


天気は快晴、潮風は良好。

こんな日だから、海水浴場は人がいっぱいだ。


「………恭ちゃん、どうかな?」


香が水着に着替えてきたようだ。

胸元にフリルがついた、オレンジ色の総柄ビキニである。


「うん、可愛いと思うぞ」

「………えへへ、よかった」


どうやら、俺の返答は間違っていなかったようだ。

頬を染めて、嬉しがっているように見える。

みなみに、他3人は前回のプールと同じ物である。


アメリアはお化け屋敷の事もあり、


「行く時は誘ってよ」


とのことだったので、誘っている。


由貴と(りん)は日焼け止めを塗っていないようだ。

それも幽霊仕様か。


アメリアや(リン)は浮き輪でプカプカ浮いている。


遠泳は得意ではないが、少し泳いだ所に島?がある。

海水の上には、小さな遊具場の物が建ち、滑り台やブランコなどがある。

気になって、泳いで上ってみる。

皆、上っては滑り台やブランコで海に飛び込んでいる。

顔から海に突っ込んでいるが、楽しそうだ。

早速、自分もブランコにのってみる。


「………ギコギコ」


支えの木がグラグラして、不安定感がすごい。

俺が飛び込まないのを見かねて、後ろから押される。

その勢いでブランコを飛び出し、海に叩きつけられる。

油断していたので、口に海水が入ってきた。

ブランコを確認したが、押した犯人はわからず。

もう1度上がり、海へ飛び込む。

そして、その勢いで浜辺まで泳ぐ。


浜辺に着くと、(りん)とアメリアで砂遊びをしている。

他の2人はいないようだ。


「………それ何?」


なぜか、この短時間の間に砂の城 (隠世バージョン)ができている。

細かすぎて、クオリティがすごい。


「これは城じゃよ」


それは見ればわかる。

見事な一夜城だな。


「2人で作ったのか?」


そう聞くと、なぜか紙を俺に渡してくる。

その紙には隠世の城が描かれていた。


「もしかして、これを参考に?」

「うむ、これを参考にアメリアに作ってもらった」


自分で作ったんじゃないんだな。

ここでも、アメリアの無駄クオリティが出たわけだな。


「………アメリア、凄いな」


色んな意味で。


「でしょ!」


そんな、やりましたって顔されてもな。


「他の2人は?」

「たぶん、飲み物買いに行ってます」


………たぶん?

聞いてない程、集中してたんだな。


「あれ? 恭ちゃんおかえり」

「ただいま」

「恭弥さんの分の飲み物、買ってきてないです」

「大丈夫。そろそろ、昼食の時間だろう?

「そうじゃな、ワシも腹がへった」


お前は、24時間いつもお腹へってるだろう。


「そうですね。人も少なかったですし、今の内に行きましょう」


4人連れ立って、海の家に向かう。

確かに、人は少なそうだ。

これなら、料理も早めに出てくるだろうし、(りん)も文句は言わないだろう。

俺も、今日は海の家の焼きそばを食べに来たようなものだ。


………なぜだろう。

普通の焼きそばのはずなのに、なぜか食べたくなる。

確かに値段は高い。

だが、異常に美味い。

身体を動かしてお腹が減った+海の解放感etcによる相乗効果だろうか。


「俺は焼きそば」

「私も焼きそば」

「私はカレー」

「ワシはカレー」

「私は焼きそば」


よって、海で食べたい物ランキングは

3-2で焼きそばの勝ちですね。


「私は海で焼きそば食べてみたかった」

「ワシは量じゃ」


というわけである。

残り2人はノーコメントである。


「「「「「いただきます」」」」」

「うまっ」


やはり、海の焼きそばは格別である。

なんの変哲もないが美味い。

このシンプルさこそ、海の焼きそば。


お腹がいっぱいになったら、少し食休みも兼ねて、スイカ割り。

こっちで買うのは高いから、わざわざ持ってきた。

そのまま持って来たので、移動中の視線が痛かった。


デザートでもあるので、ちゃんと食べられるように下にシートを敷く。


「私、やってみたい!」

「じゃあまずは、俺が手本を見せる」

「アメリア、初めてか?」


タオルで目を隠し、木を地面に刺し、クルクルと10回転する。


「よし、皆指示を頼む」

「右」

「左」


なぜ、逆の方向が聞こえる。

どっちが本当かわからないぞ。


「時計回りに15°、直進1m、右に1歩です」


適格すぎて怖いぞ。

なぜ、角度まで分かる。


「右右下A上D」


なんのコマンドだ。

これはゲームじゃなく、現実だぞ。


「ちなみに、Aは歩く、Dは割るです」

「わかるか! そんなこと」


結局俺は割ることができず、アメリアに交代。


「アメリア初めてか?」

「うん、楽しみ」


目隠し、回転完了。

次は1人ずつ出すことにする。


「じゃあ、皆指示出していいぞ」

「じゃあまずは、10歩前進」

「そこから、右に2歩」

「そして、時計回りに15°じゃ」


では、最後に


「右翼に敵艦接近。攻撃手段を用いて、敵を殲滅せよ」

「了解しました」


ご丁寧に、敬礼も付けて、見事にすいかを割った。

少し形は変だが、これも楽しみの1つだろう。

こんな感じで、久しぶりの海を満喫した。


「夕日が綺麗ですね」

「そうだな」

「今日は楽しかったー」

「私も楽しかったよ」

「私もです」

「ワシもじゃ」

「………それなら、よかった」


去年は行けなかった所に、今年は沢山行けて楽しい。

それは、平和な生活を送れているということの証だな。

この平和(仮)の内に楽しんでおこうと決める主人公であった。


チャンチャン。





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