表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/121

50 任務 1

続きです

首都ヴァールテクスを離れ、魔物が生息する森の中に私達はいた。


「それでは今回の任務を改めて伝える。今回は領土内に現れた新種の魔物、又は本来存在しない魔物の有無を調査する事だ。我々はこの数日間、リズヴェの森の中を調査する事になる。この森はランクEからDまでの魔物が報告されているが、油断なく行動するように。それからーー」


派遣された国騎士の偉い人が今回の任務の注意事項から何までずっと話している、かれこれ30分ぐらい。これは既にバル先生から言われた事なので、正直私は二度手間だと思う。態度に出すことは無いけれど内心ちょっと退屈だ。ここに来るまでに馬車に6時間程乗っていたからこそ余計に感じてしまう。


ここに同じく集まったクラスの人達は私達を含めて20人、Aクラス全員が誰一人欠けてはおらず真面目に話を聞いていた。それでも緊張なのか高揚なのか分からないけれど、ソワソワと落ち着きがない人も少なからずいた。国騎士やギルドの依頼でやって来た討魔者達と一緒に行動するので、仕方ないのかもしれないけれど。


かく言う私も本当だったら周りと同じ様に緊張していたと思う。でも、私の近くに常にいるジークさん達のおかげで普段通りでいられる。だって、家の中にいる時の雰囲気と変わらないんだもん。


私より年上なのは知っているけど、それでも2歳しか変わらないはず。なのにジークさん達と同年代であるクラスメイトと比べても分かるけど、大分大人びて見える。それこそバル先生や今お話している国騎士さんと同じぐらいに。


そのせいか今回集まった国騎士や討魔者の人達からチラチラと視線を感じる。多分、私達だけ周りと違う事がばれているのかも。もう何処に行ってもある程度視線を集めるのは、私じゃなくてジークさん達のせいだと思う。


「ほら、移動するぞ」


ジークさんに声をかけられて我に返る。あれこれと余計な事を考えていたら、話はいつの間にか終わっていたようだ。どうやらこれから私達と一緒に付いて来る国騎士の人と討魔者の人と打ち合わせだそう。またお話かぁ……


「僕は国騎士4番隊所属のアルベルトだ。よろしくね、イージスアートの生徒諸君」

「俺は討魔ギルドから派遣されたカークだ。よろしくな、ガキども」


お互いの自己紹介が済んだ所で、今後の流れを聞いておく。


「これからお前等と一緒にリズヴェの森に入る事になる。俺達は主にサポートを担当するが、勝手な行動は慎めよ。基本的には独断専行は禁止だ、何かあれば必ず誰かに相談しろ。分かったな?」

「頭では理解していても、実際に魔物と遭遇した時は違う。パニックになる人や所構わず放出魔法を放つ人もいるからね、君たちも気を付けて」

「前衛はお前等に任せる、殿は俺が務める。アルはこいつらの面倒を見てやれ」

「はいはい」


何だか仲のいい2人はもしかして知り合いなのかな? バル先生は国騎士と討魔者は仲が悪いと言っていたけど例外はあるもんだね。良かったと安心したけどジークさん達は何だか不服そう? 自己紹介の時からだけど心なしか私との距離が縮まった気がする。


2人共男の大人だから私を気にしてくれたのかもだけど、今の私は少し前の私とは違うのです!


もう今年が終わりますね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ