表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/121

42 話し合い

遅くなりました。

「おはよう、ジーク」


ふわぁ、と欠伸をかきながら私は上半身だけを起こして挨拶をする。


「……」

「おはよー、エミルちゃん」

「お、起きたな」

「おはようございます、エミルさん」


ジーク以外の3人から挨拶を返された所で首をかしげる。多分あの子の友達だと思うけど、この3人は誰だろう?


「貴方達は誰? あの子の友達?」

「ん? 寝ぼけているのか?」

「あははー、ナイスジョーク」

「うふふ、エミルさんも冗談を言うんですね。何だか新鮮です」

「それにしても安心したよー。エミルちゃんってば、一週間も目を覚まさないだからお姉ちゃん心配したんだよー?」

「まぁ、新種とやりあったんだから仕方ないんじゃないか?」

「それでちゃんと討伐する所が流石ですよね」


質問を冗談だと思ったミサキ達は何事もなかったかの様にスルーして話し始めた。


あれ? 私の質問には答えてくれないのかな? それとも答え辛い何かがあるみたいな……はっ! もしかしてこれがあの子の言ってたジライってやつか! 人間関係が爆発するとか何とかって言っていたやつ。


私がジライしたのを無かったことにするために、3人とも質問を無視したのね。はぁ、最初からやっちゃったなぁ。何でも出来るあの子に比べて私は挨拶の時点で失敗する……ダメよ私、しっかりしないとあの子に合わす顔がないもの。


辺りを探る様に手を動かして近くに座っていた人の服をちょいちょいと引っ張る。


「どうした?」


どうやら引っ張った人はジークだったみたいだ。よかった、知らない人じゃなくて。


よし、と意を決して先程と同じ質問をジークにする。3人に聞こえない様なか細い声で。


「……お前やっぱりユミルなのか?」

「! 何で分かったの?」

「俺がエミルとユミルを間違える訳がない」

「そうなんだ。ジークも凄いね」

「ユミル達には負けるがな」


見た目はあの子と同じなはずなのに、どうして分かったのだろう? もしかして匂いが違うとか? 魔物の雄は雌のフェロモンを見分ける事が出来るって言うけどジークもそうなのかな。って、そうじゃない。質問の答えを教えてよ。


「そんな事より、さっきの答えは?」

「あぁ、あいつらは俺達の仲間だよ。ふっ、自己紹介は飯のついでにでいいか?」


くぅ、と途中で私の腹の音が鳴いたのを聞いたジークは笑って提案してきた。3人にも聞こえていたのか全員が笑いながら準備しておくと言って先に部屋を出て行った。


何で笑われたのか不思議だけど食事は賛成だ。さっきからお腹の音の自己主張が激しくなっている。ジークも出て行こうとしたので服を強く引っ張って引き留め、一緒に連れて言ってと頼む。


正直、自分の身体を思い通りに動かせる自信がまだない。それに目も見えない状態では迷子になるし、絶対何処かにぶつかって怪我をする。


もう痛い思いはしたくない、するぐらいなら潔くジークに甘える。これだけは勘弁して欲しい。



俺にお姫様抱っこされたユミルをミサキ達はからかう様に軽口を言っていたが、食事までも俺が食べさせているのを見て何かおかしいと思ったのか、声や口調は変わっていないのに目つきだけが変化した。


何がどうなった、と六つの瞳が俺を見つめるが俺にだって分からない。ただ分かるのが今のエミルはユミルである事だけ。


魔物化した時にしか出てこなかったユミルが何故今出てきたのか……また聞きたい事が増えてしまった。けれど、それをユミルに聞いても大丈夫なのか? 隣でご飯を口に運ぶたびにその美味しさに脚をばたつかせている少女を見ていると心配になる。


「私が質問をしていいかしら?」


食事が終わって少しすると、俺が未だに何も聞かない事に痺れを切らした委員長が先陣を切った。小さな声でヘタレと小言を言われたが、全くその通りでぐうの音もで無い。


そうしてユミルとの話し合いが始まった。


もうちょっと更新が早くできる様に頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ