25 それぞれの実力 2
思うように筆が進まず更新が遅くなりました。続きです。
エミル達がハシュマーと戦っているころ、ミサキ達もファルス達と対峙していた。
「貴公等の相手は、我々だ。」
「別にいいけどさー。エミルちゃん達に、あの人1人で大丈夫?」
「あら、敵の心配をしてくれるのかしら?」
「言ってはなんですけど、エミルさんは私達の中でも、一番強いですよ?」
「それは一度手合わせしているために、知っている。」
「ふーん。知っててやっているんだ? もしかして、捨て駒? 」
互いに会話をしながら間合いを詰め、相手の様子を窺う。
「さぁ、どうかしらね。もしかしたら彼の方が、エミルちゃんより強い可能性もあるわよ?」
「……なら直ぐに貴方達を倒して、援護に行くとするわ。」
相手は後衛3人に鉄壁の守護者であるファルス。先程の集中砲火を防いだ魔法があと何回使えるか分からないが、ハシュマーと言う不確定要素がいるために、悠長に考えている暇は無い。
この状況でミサキ達が取れる行動は1つ。
「2人共準備オッケー?」
「おう!」「ええ!」
「それじゃあ、いっくよー。」
それはユニーク魔法での強行突破のみ。
ミサキはユニーク魔法で創り出した楽器を手に演奏を始めた。
マキとレオンは演奏が始まる前に、特殊な耳栓を装着し行動を開始する。
「戦闘狂騒曲、『全ての人に無能感を』!!」
ミサキのユニーク魔法は『狂詩曲』。能力は楽器の演奏による支援と妨害、ミサキ以外の演奏を聞いた全ての人に対して無差別に効果を発揮する。
「ぬぅ、音の防壁」
ファルスは即座に結界を張り音を遮断する。
「ちぃ、妨害系等の能力か。はぁ、はぁ。一瞬で体力を奪われた。」
「2人は演奏している人を狙って頂戴。」
「任せろ!」「了解!」
「そうはさせないわ! 『機械天使』!!」
魔導師2人の攻撃を防ぐために、マキ達もユニーク魔法を発動させる。
マキの手に持っていた四角い箱が変形し、身体に纏っていく。そうして全身を幾何学模様の鎧で覆い、背中に人口の翼を身につけた状態になった。
「『第一歯車』発動!!」
レオンの目の前に透明の歯車が現れて、身体の中に吸い込まれていった。
ユニーク魔法を発動させた2人は、放たれた魔法をそれぞれ迎撃する。
マキは右手に持った弓の様な武器で、レオンは蹴りと言うふざけた方法で。
「はぁ、はぁ、どいつもこいつも、化け物ばっかりかよ……」
「大体予想通りね。貴方達2人は足止めをお願い、私は詠唱に入るわ! ……信じてるわよ、ファルス。」
「お任せ下さい、『女王の守護者』!!」
「何をするか知らないが了解した! おら、しっかりしろ!」
「お、おう。」
ファルスとマリは、この展開をある程度予想していた。ミサキ達の戦闘は、長期戦か短期戦の2択。加えてこの模擬戦の勝敗は、先に代表者を倒した方の勝ちという条件だ。
『我求めるは、戦場を駆ける雷光、』
「呼ばせないよ! 『全ての人に全能感を』!!」
「出し惜しみは無しよ。『起爆する矢 一斉掃射』!」
そのため前者を選択した場合、3人の内の誰かが代表者の可能性が高く、慎重にならざる得ない。その間にハシュマーがエミル達を倒せばこちらの勝ちはほぼ確定だ。
『疾風迅雷に、敵を屠る姿は武神』
「私の事はいいから、レオン君も行って!」
「おう!」
逆に後者を選択した場合は、エミル達2人のどちらかが代表者と言う可能性が高い。もし、膨大な魔力を消費するユニーク魔法を使ったら、3人の誰かが代表者である可能性はほぼゼロだろう。
『閃光と共に、馳せ参じよ。』
「もう! ファルスさん結界硬すぎよ。」
「このチートめ!!」
「むぅん、お前たちには言われたくないわ!」
どちらの場合でもファルス達が取る行動は変わらない。
『武神召喚 武御雷!!』
ユニーク魔法にはユニーク魔法にて相殺するまで。
「さぁ、決着をつけましょうか。」
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