23 集団戦
今日もぎりぎりで投稿。もうそろそろしたら安定して更新出来るかも?
他クラスも集まった所で、模擬戦の説明が始まった。
「今日はお前らの、協調性を見るための模擬戦だ。そのため5人1組で、集団戦をしてもらう。5人の中で代表者を1人立て、勝敗はその代表者を先に倒した方が勝利だ。」
「今から全員に渡すこのメダルは、一回だけ致命傷を防いでくれる優れものだ。致命傷を防ぐと同時にメダルは破壊されるので、破壊された時点でその者は戦闘不能とみなす。戦闘不能になった者は、自動的に結界の外に弾き出されるので、注意しろ。」
渡されたメダルは俺の手の平ぐらいの大きさで、緻密な魔法付与が施されていた。……こんなのがあるなら、ファルスさんの時に渡して欲しかったな。
まぁいいや。もっと使いやすい様に、改造しよっと。
「メダルは必ず身体のどこかに装着しておけ。でないと魔法が発動しないからな。場所の指定しないが、急所である心臓付近に、装着するのが無難だろう。それと、メダルに対しての魔法付与は禁止だ。何かしらの小細工をした時点で、そいつは戦闘不能になるからな。」
えっ、
「エミルそれ……」
「だって……」
「まだ始まって無いから、素直に交換して貰え。」
「うん。」
バル先生の所に交換しに行くと、案の定と言うか、呆れた様子でため息を吐かれた。
「まさか数分で魔法付与するとは、思っていなかったぞ。」
「ごめん。」
「まぁいい。それと、伝え忘れていたがお前とジーク、ミサキ、レオン、マキは待機を命じる。他の4人にも伝えといてくれ。」
マキって誰? イインチョウの事?
「どうして待機?」
「お前を含めた5人の実力はな、はっきり言って異常だ。今のクラスの奴らじゃ、相手にすらならんだろう。お前らが気を遣って手を抜いてしまったら、自分達の成長にならないしな。」
うーん、確かにそうだけど。
「だが幸いな事に、お前らと同等のレベルの生徒が、この学園に数人在籍している。ま、学年はバラバラだかな。そいつらに、お前らの相手をしてもらう。」
おぉ! それはなんだか楽しみ。どんな人が来るのだろう?
「今召集しているから、それまで待機しておいてくれ。」
「りょーかいであります。」
「言っとくが、また結界壊したらどうなるか分かってるよな?」
「……りょうかいでありますぅ。」
ちぇ、久しぶりに思う存分出来ると思ったのに。
とりあえずメダルを交換して貰い、ジーク達にさっきの先生の伝言を伝える。
「ファルスとマリは、必ず来るだろうな。」
「後は誰が来るのかなぁ?」
「あの新入生代表の奴とか?」
「確か自負を天才だとか、勇者だとか言ってましたね。」
あー、その人も来そうだな。
俺達は誰が来るかを予想しながら、自分達の得意魔法や戦い方、使用する武器種の話をして、連携の役に立つ情報の共有を始めていた。
しばらくすると他のクラスの人達の模擬戦が始まった。
今回は武器の使用も可能な様なので、暇つぶしがてら観察していたけど、特に興味を引く人はいなかった。
と言うか皆んな似たり寄ったりで、面白くない。魔法は第6級のものばっかりだし、武器は殆どの人が片手剣と盾を使用していた。
「つまんない。」
「そう言ってやるな、普通はこんなものだ。」
「同じ武器ばっかりだし。」
「あれは貸し出しの物だからな。生徒の中で、自分の武器を持っている奴の方が稀だろ。」
「そうなの? 魔剣持ってないの?」
「それは国騎士ですら、持って無い人の方が多いぞ。」
魔剣なんて魔金属さえあれば簡単に作れるのにね。
「お、ようやく俺達の出番みたいだぞ。」
「いきましょー。」
「テンション高いな。」
だって、強い人と戦うのは色々な発見があって楽しいんだもの。
『これより模擬戦を開始する。お前達は言わなくても分かっているだろうが、今ここに集まっている10人は、この学園でも屈指の実力者だ。しかしその半分以上が、1年生と言う異例だがな。こいつらは、他の生徒にとって良い目標になるだろう。』
バル先生は、わざわざ魔法を使って周りの生徒達に聞こえる様に、説明し始めた。
相手はファルスさんとマリさん、それに新入生代表の人と他2人。
ファルスさんは大楯、マリさんは鞭、新入生代表は無手。後の2人は杖を持っているから放出型の魔導師だろう。
こちらはレオンが籠手に脛当て、イインチョウはよく分からない四角い箱、ミサキは鈴を持っており、俺とジークは無手。
俺は粗方聞いて置いたけど、相手からしたらレオン以外何してくるか分からないだろう。
『それでは始め!』
「エミル。」
「先手必勝、重力の檻」
俺は相手の5人の動きを封じるために、指定した範囲に重力の負荷をかける。広範囲なため、動きを少し阻害出来れば御の字だと思っていたが、そうはならなかった。
「ほう? この程度か。」
新入生代表の人が何かの魔法を発動して俺の魔法を無効化し、今度は相手の2人の魔導師が魔法を放ってきた。
「炎槍」「氷槍」
相手も小手調べなのか、魔導師2人のみで攻撃してきた。
「ジークよろ。」
「任せておけ。仮想する魔法の武器」
放出型魔法を無効化するには、それに相反する魔法をぶつければ良い。しかし、それは同じ放出型の魔法でだ。
ジークのユニーク魔法は魔法その物を、武器にする事が出来る。
「焔之刀、凍土之刀」
ジークは二振りの刀を創造し、放たれた魔法を斬り伏せた。
「なっ!」「馬鹿な!?」
俺も最初はその反応だったなぁ。
「私達もそろそろ、いっくよー。」
「だな。」
「負けないわ。」
ミサキ達もそれぞれの魔法を発動させて、本格的に模擬戦が始まった。
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