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19 追跡者

なんとか更新。


最後の台詞と誤字脱字の修正しました。

講義が終わりバル先生に冊子を貰いに行く。


先生は若干呆れながら俺なら仕方ないと言って余っていた冊子を5冊もくれた。


もしかしてまた無くすと思われてる?


「貰って来たか?」

「ばっちり。」

「さて、これからどうするか。」

「どうしようね。」

「あれに混ざるか?」


俺達とあの3人以外のクラスメイト達は互いに自己紹介を始めており、クラスは賑やかになっていた。


「んー、人付き合いは苦手。家に帰ろ?」

「……そうか。」


俺とジークが教室を出ようとすると、クラスメイトの1人から声をかけられた。


「あぁっ! 君達ちょっと待ってくれ。これから皆で親睦会に酒場でも行こうと思っているんだが、良かったらどう?」


ジークが何も言わない事をいいことに飲み食いしていたら、最近になって自重しろとジークに怒られたばっかりなんだよなぁ。


「悪いが俺達はこれから用事があるので、今日は遠慮しておこう。」


俺の意見は聞かないのね。まぁ、どちらにしろ俺も断っていたからいいんだけど。


「そうか、ならまた今度誘うよ。クラスの人達の事は全員知っておきたいからね。」

「程々にな。」


そう言ったジークに手を引かれて教室を後にする。


和の国を出てからと言うもの、ジークの言動や発言が妙に大人びた感じがする。歳上だって気付いたのは最近だけど実は10代じゃなくて30代じゃないの?


それとも俺の知らない間にファルスさんの言っていた大人の階段って奴を登ったのかな?


「ジーク変わったね。」

「そうか?」

「うん、大人になった。」

「大人ねぇ。」

「私の知らない間に大人になってなんかずるい。」

「エミルはまだ子供でいいんだよ。」

「どうして?」

「大人は色々大変なんだ。」

「なにそれ。」


家に帰っている途中で俺達の後をつけてくる人に気付いた。最初は気のせいかと思っていたけど、どうやら違うみたい。とりあえずそのことをジークに伝える。


「ジーク人気者。」

「何時からだ?」

「んー、多分学校を出たあたりから?」

「……気付かなかった。」

「仕方ない。結構距離あるし。」

「何人だ?」

「3人。」

「もしかしてクラスにいたあの3人組か?」

「それは分かんない。」


でも、不思議なんだよな。3人共手俺の知覚範囲に入ってから少し経った後に急に離脱したのに、今はお構いなしに俺達を追跡しに来ている。


魔法を行使している感じはしないのにどうやって俺達を追跡しているのだろう?


「こんな街中で襲ってくる事はないだろが、念のため一旦家に帰るか。」

「了解。」


確かに家には俺の張った強力な結界があるから、もし戦闘になっても結界内なら周りに被害が出ることもないだろう。


一体俺たちに何の用事があるのだろうか。



ジーク達が教室を出た後。クラスにいた3人は他のクラスメイトに気づかれることなく、おもむろに席を立ち2人の後追う。


「どっちが転生者だ?」


3人の内の1人である茶髪の男が口を開いた。


「どっちも、と言いたいけれど片方は微妙ね。」

「あ? どういう事だ?」

「あの銀髪イケメンさんは間違いなく転生者よ。だけどもう一人の白髪の小さい方は分からないわ、それに人間なのかも怪しい。これを見て頂戴。」


質問に答えた黒髪の女は右手に持っていた装置を他の2人に見せる。


「えーと、イケメン君が5000に対して白髪君は15000?! この装置壊れてるんじゃないの?」


装置の出した値を見て金髪の女が驚愕している。


「壊れてないわ。さっき自分で試したけど正常だったし。」

「俺達転生者の平均値が3000から6000ぐらいだって言ってたよな委員長。」

「そうよ。ユニーク魔法を使うにはそれぐらいの魔力が必要よ。」

「じゃ、白髪君は何者? もしかして魔王?」

「さぁね。それを確かめる為にも確認しないと。」


2人に気付かれないように距離をとって追跡する。魔法では感知される可能性があるので私の()()を頼りに後を追う。


「ねえねえ、白髪君って男の子だと思う? それとも女の子?」

「男じゃねえのか? ()()()()()着てたしよ。」

「かなぁ? でも凄い可愛い顔してたよね。委員長はどう思う?」

「男の子だろうが女の子だろうが関係ないわ。」

「委員長……」

「可愛いければ性別なんて関係ないわ! でも私的には女の子の方が断然いいわね。」

「だよねー。委員長ならそう言うと思った。」

「お前ら少しは緊張感を持てよ。」

「これだけ離れてたら気づかれるわけないじゃん。ねー、委員長。」

「そうね。気づかれるわけが……噓! 皆離れて!!」


そう言われて瞬時に身体強化し、その場から急いで離脱する。


「急にどうしたんだよ委員長。」

「そうだよ。ビックリしたじゃん。」

「あの白髪さんの魔力を感知した……」

「は?……この距離でか?」

「魔力を感知したって事は魔法を使った、てことだよね。」

「ミサキに言われて確認したら、白髪さんの魔法の範囲内にいたわ。」

「化け物かよ。200メートル以上離れているってのによ。」

「ばれたかな?」

「それは分からないけど、変にこそこそしていると警戒されてしまうかも。」

「なんか一気に会うのが怖くなってきたよ。」


そうして3人はジークの家に向かうのであった。


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