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18 学園生活の始まり

ブクマ、評価ありがとうごさいます。本編再開です。

俺とジークは支給された制服に身を包み、イージスアートの入学式に参加していた。


「また学園生活を送る事になるとはな。」

「また?」

「いや、何でもない。」

「そう。」

「それにしても意外と生徒がいるな。もっと少ないと思ってた。」

「私も。」

「この中に警戒する人はいるか?」


うーん、人が多すぎて誰が生徒なのか判断出来ない。でも、何人かはいるかな?


「生徒か分かんないけど、いるよ。」

「どいつだ?」

「北北西、距離30。南、距離40。南南西、距離50。特出しているのはこの3人ぐらい。」

「あいつらか、覚えておこう。」

「ジークは過保護。」

「用心に越したことはない。」


その3人が強いと言っても必ずしも襲って来る訳じゃ無いのに。


「そろそろ始まるな。」

「早く終わって欲しい。人混み嫌い。」

「ふっ、同意だ。」


入学式は学園長のつまらない挨拶で始まり、新入生代表の挨拶となった。


『俺の名前はハシュマー、この学園に歴史を刻む男だ。そして、魔王を討伐する勇者でもある。切磋琢磨など天才の俺には不要なので精々足を引っ張らない事だ。この俺に仕える殊勝な奴がいれば歓迎してやろう。頑張ってくれたまえ凡人共よ。』


新入生代表は中々面白い挨拶してくれるじゃないか。もう少しで眠る所だったよ。


周りの人のほとんどが殺気立っているけど、あの3人だけは何処吹く風の様に聞き流している。あ、1人だけは爆笑してるや。


「ジークはさっきの人知ってる?」

「ハシュマーか……何処かで聞いた名前だが思い出せないな。とりあえず関わりたくないな。」

「同意。」

「エミルは間違っても関わるなよ?」

「2回も言わなくていい。」


確かに面白い人だとは思ったけど、自分からは近づかないよ。遠くから眺めてるぐらいが丁度良い。


中々面白い挨拶で入学式は終わり、俺たちは教室に向かった。


結局俺たちは国騎士コースを選択して、その中でもトップクラスであるAクラスになった。試験の成績が良かったからかな?


技術研究のコースは俺が学びたい魔法建築が含まれていたが、一般的な国の情報を学ぶ事のできる国騎士の方に決めた。


学びたくなったらこっそり授業に参加すれば解決する事だしね。


国騎士のコースと言っても別に国騎士になりたい訳じゃないから適当でいいだろう。


俺の学園生活は瞳を取り戻すための準備期間なんだ。3年間で出来るだけ情報を蓄えて旅に出よう。


そう言えば、ジークはどうなんだろう? 未だにジークの旅の目的を教えて貰ってないんだよね。卒業するまでには教えてくれるかな?



Aクラスの教室には俺達を含めて20人近くいた。その中には俺がジークに伝えた3人も含まれていた。


「まずは入学おめでとう。これからこのクラスの担任を務めるバルザークだ、よろしく頼む。さて、事前に配布した冊子の通りこのAクラスは特別だ。お前ら生徒には特別に毎月給料が支給される。この学校がそれだけお前らの腕を買っている証拠だ。」

「その代わりお前らには在学中、様々な任務が課される事になる。魔物の討伐など国外に出て行うものもまであるので、ついて行けないと思ったら正直に進言しろ。無理をして命を落とすはめになっても知らんぞ?」

「ま、詳しくは冊子を参照してくれ。情報が細かく記載されているからな。大抵の課題はこのクラスで班を組んで行う予定なので、今の内にある程度知っておく事をお勧めする。以上だが、何か質問はあるか?」


冊子って俺がこの前ゴミと一緒に出したやつかな?


「冊子なんて家に届いてたか?」

「……知らない。」

「……お前何か知ってるだろ。」


後でバル先生に貰って来よう。


「それじゃ、今日は簡単な講義をして終わりだ。」


そうして始まったのは国騎士についての講義だった。


「お前らは国騎士についてどれぐらい知っている?」


「えっと、身体を張って市民を守る者の事です。」

「国騎士はその国の保有する戦力であり、領土の開拓に尽力する高給取りかな?」

「国騎士は国の戦力であり、市民を守ると伴に法を犯した者を裁く執行者でもある。その他には領土の開拓や国の防衛にも参加する者だ。」


「まぁ、大体あってるな。流石にこれぐらいは知っていて当然か。」


前に師匠に説明して貰ったけどそんな事言ってなかったぞ? あの不器用さんめ。


今思えば師匠が1番教えるのが下手だったなぁ。


「その中でも、今の国騎士の最も重要な役目は領土の拡大だ。知っての通り、この世界の半分以上は手つかずの魔境だ。これを開拓して行くのが国騎士の意義に変わって来ている。」


お、それは言ってぞ。やるじゃん師匠。


「人間同士で戦争するより、魔物を狩る方がよっぽどましだからな。」


そうだね。魔物の方が全力でやりあえる。


「手つかずの魔境は新種の植物や鉱石など新たな発見がある反面、強大な魔物も生息しているため常に危険を伴う仕事だ。だから、様々な知識と訓練を積んで未開拓の土地を開拓し、強大な魔物を狩る国騎士は市民の憧れなのさ。」


ほぇ。でもそれって討魔者と仕事被ってない?


「そこで質問だ。国騎士と討魔者の違いは何だと思う?」

「討魔者はギルドに依頼された者で、国騎士は国に雇われた者です。」

「給料があるかないかじゃないか?」

「まぁ、それぐらいの認識で大体大丈夫だ。それじゃ明日討魔者についてから説明しよう。これは国騎士と関係する事柄だからな。」


そうして入学初日の講義は終わり学園生活が幕を開けたのだった。


そういえばあの面白い挨拶した人は何処のクラスなんだろう?


面白い、続きが気になると思った人はブクマ、評価、感想等お願いします。

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