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16 模擬戦の行方

ブックマーク、評価ありがとうございます。励みになります。

ジークの友達と模擬戦する事になった俺はどうしたら良いのでしょうか。


「見ないうちにまた男前になったなジーク。」

「ファルスに言われても嬉しくねぇよ。お前は少し痩せたか?」

「あいつの護衛やってたら嫌でも痩せる。」

「ふっ、だろうな。」


凄い仲良さそうだ。


「それでジーク、何か成果はあったのか?」

「あぁ、あったぞ。」

「そうか、ならば良かった。」


成果って何の事だろう。もしかして師匠との鍛錬の事かな?


「お前が模擬戦の相手するのか?」

「そうだな。俺達、武の国の騎士なら闘う事に関して不正は有り得んからな。適任だろうよ。」

「審判は誰がやる?」

「あの喚いていた教師がやるそうだ。正直、審判として使い物にはならないだろうから、もしもの時はジークが止めにきてくれ。」

「分かった。」

「では、そろそろ始めるか。すまないが少し付き合ってくれ。」

「はーい。」


結局ジークの友達とやる事になるのか。


(ねぇ、ジーク。)

(どうした?)

(どうしたらいい?)

(ん? 何時も通りでいいんじゃないか?)

(いいの?)

(あぁ、ファルスは俺と同じぐらい強いからな。手加減する必要は無い。)

(了解。)


ジークと同じぐらいなんだ。


ファルスさんと指定された場所に向かうと、変な結界が張られていた。


「模擬戦にはこの結界内でやって貰います。これは自身が受けたダメージの替わりに魔力が消費される仕組みとなっております。」


ほぇー、そんなものあるんだ?


「それでは武の国の国騎士ファルス殿と、そこの小娘の模擬戦を始める。武器の使用は禁止、魔法のみ使用可能とする。勝敗は相手が戦闘不能になるか、投降宣言により決着とする。」


まだ気絶している人が多いためギャラリーは少ないが、教師や他の護衛が興味深そうに見ている。


特に審判の人からは熱い視線を感じる。そんなに気になりますか。


「それでは始め!!」


ファルスさんはさっきまで身につけていた甲冑を脱いでいるために、はっきりと魔力の流れが見える。


「貴公には悪いが一瞬で決めさせて貰う。」


ドンッ! と地面の爆ぜる音と共に全身を身体強化したファルスさんが向かってきた。予想より速い。


身体強化はジークよりも上手かも。 でも、まだまだ。


俺の顎を的確に狙って繰り出された右拳を、俺は左手で威力をそのままに右に受け流す。


まさか反応されるとは思っていなかったのか、受け流された事により体勢を崩したファルスさんの、脇腹に左足で蹴りを放つ。


しかし、防御の魔法を施していたのか、蹴った脇腹は硬い金属の様な感触がした。流石国騎士、これは大したダメージが無いだろうな。


気を取り直して、右に転がっていったファルスさんに追撃をする。


大地の震動(アースクエイク)


体勢を立て直せないように魔法を放ち地面を揺らす。


足場を取られそうになったファルスさんは、瞬時にその場から跳躍して距離を取ろうとする。


でも、残念。空中ならこれは避けられないよ。


大雷(ライトニングボルト)


指をタクトの様に上から下にと振り下ろすと、上空から突如として現れた雷が降り注ぐ。


バチィ! と空中にいたファルスさんに直撃した。が、何事も無かったかのようにピンピンしていた。


雷が当たる瞬間に何か魔法を発動して防いだかな?


「まさか完全(パーフェクト)防御(ディフェンス)を使う事になるとはな。」

「それがさっきのを防いだ魔法?」

「さぁ、どうだろうなっ!」


また真っ正面から突っ込んでくる。もしかして、放出型の魔法が苦手なのかな?


大地の壁(アースウォール)


障害物として目の前に壁を作り、距離を取る。


「ふんっ!」


ドゴォ! とファルスさんは素手で壁を破壊してスピードを緩めずに距離を詰めてくる。


うぇ、強度は魔金属並みだったと思うんだけど。 なんだかユキさんを相手しているみたいだ。


距離を詰めたファルスさんの拳のラッシュを全て受け流す。しかし、今度は体勢を崩す事は無く的確に人体の弱点に向かって拳を繰り出してくる。


「受け流すだけで精一杯の様だな。 このままでは俺に勝てないぞ?」

「言われなくても分かってる。」


一旦距離を置こうと受け流した瞬間に、後ろに跳躍しようとしたが、いつのまにか足に見えない糸の様な何かが巻き付いていため、距離を離す事が出来なかった。


「貰った!!」


距離を取れなかった俺にファルスさんの強烈な蹴りが放たれる。


慌てる事なく身体強化のギアを上げて、蹴りを左手で受け止める。


「なっ!」

「楽しかったけど、もう終わり。」


足を掴んで拘束(バインド)の魔法で動きを封じる。


「くそっ! 身体が動かん。」


さっきの魔法でまた防がれ無いように、ゼロ距離から最大威力を叩き込む。


筋力増強(パワーアシスト)衝撃(インパクト)最大付与。」

「……くっ、完全防御!」


右手にのみ強力な魔力を注ぎ込む。


「それじゃ遠慮なく。」


身動きの取れないファルスさんの腹に俺の右拳が突き刺さる。


「ごっはぁ!」


手応えあり。ファルスさんは身体をくの字にしてその場に倒れたので、拘束を解いて距離を取る。いつのまにか足に絡みついていた魔法は消えていた。


「完全防御でも、防げないか。」


腹をおさえて蹲っているがまだ気絶してない、相当タフだな。ジークなら確実にやられてるのに。


「これでトドメ。範囲重力"滅"」


重力の負荷に耐えきれ無かったファルスさんは、最終的に地面にめり込んで気絶した。


審判の教師は何が起こっているのか分かっていなかったのか、少しの間が空いて試合終了の合図があった。


これで納得してくれるかな?


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