自己紹介と座学。そして綻び!
ブックマークが本当にモチベーションあがります。感謝です。
「はーい、皆さん、席についてくださいねー」
教師と思しき女性が教壇で指示を出す。
胸が大きく、妖艶という言葉がしっくりくる女性だ。
このクラスにいる男子諸君は大人になって、思い知るだろう。
「あの先生は最高によかった」と。
「私が一級生12人、あなた達の担任で、名前をラウネと言います。よろしくお願いしますね。何か先生に質問のある方はいますか?」
「先生は彼氏いるのー?」
「好きな食べ物はなぁに〜?」
「何処に住んでるのー?」
「先生強いのー?」
「ラウネ先生の趣味は?」
好奇心旺盛な子供達は、一斉にラウネを質問攻めにする。
ラウネは少し困った表情を浮かべると、一つの提案をした。
「はいはーい、ちょっと、答えきれないので…………そうだなぁ、代表で神喰 クビキ・レイフォード・エルミラント君はいるかな? あなたが私に質問をどうぞ」
ーー俺ですか……?
急に振られるキラーパスに困惑しつつも、何か質問を考える。
「そうだな……。早くレベルを上げて強くなりたいのだが、レベルを上げるようなカリキュラムは存在するのか? あとは、そうだな。ラウネのステータスを知りたい」
「えっ……」
クラス内が、うち水を打ったように、しんと静まり返る。
ーーしまった。俺は今6歳なのだ。
何かそれっぽい事を言わなくては……。
「きょうの、おひるの、ごはんがしりたいです!ぼくは、ビーンズのトミティエソースがたべたいです!」
「……。聞き間違いだったのかしら……。そうね、そうよね! ……ごめんね、クビキくん。今日はビーンズのトミティエ煮ではないと思うわ。ビーンズのトミティエ煮は、先生も大好きよ」
学校に行くというのは、かれこれ25年振りだろうか。
こんなにも気疲れする場所だったとは……。
その日はクラスメイト12人の自己紹介と座学だった。
自己紹介を聞いていたが複雑な名前が多すぎて覚える事ができない。
名前など、ともに学び、成長してゆけばいつかは覚える。
問題ないはずだ。
座学の方は、「ニアスティ語」「商算学」「モンスター学」「ステータス知識学」など、簡単な算数以外は、知らない知識だった。
32歳の頃とは違い、脳が活性化しているのか、知識はすぐに頭に入る。
学んでいて楽しいとさえ感じるほどだ。
しかし、「ステータス知識学」……その時間に、それは起こってしまった……。