ネア!②
「さあ、起きなさいネア……!」
……。
ーー起きる様子がない。
エリゼはネアと呼ぶ少女に蹴りを入れている。
足で小突くたびにネアからは、「うぅ……」だの「ああ……」という奇声があがる。
そしてエリゼが彼女の頭を踏みつけた時だった。
「あうぅ……もっとぉ…………」
ーーもっと?
俺の対ヤバイ奴レーダーが久しぶりに反応を示す。眼前に転がる少女を指し示し、メーターが振り切れ、警報を告げている。
「ちょ、ちょっとクビキ、これ暴力じゃないの⁉︎ 止めた方がいいのかしら⁉︎」
「亞里亞。お前には少し難しいかもしれないが、これは『ご褒美』だ……」
「はぁ⁉︎ これがご褒美ですって? だってあの子、エリゼに蹴られてあんなに嫌がって…………嫌がって………………?」
「んひょぉ〜……この容赦のない蹴りと踏まれ心地は……エリゼお姉様ぁ…………。んふぁ〜……もっとれすぅ〜」
ーー今まで会った奴の中でぶっちぎりでヤバイ。ドレーネがさっきから、犬の交尾を眺めるような顔のまま固まっているもの。
「エリゼさん」
「はい?」
「俺達にわかるように説明を頼む」
「あ、はい。わかりました。……っとその前にクビキさん。水を店の奥から持ってきてもらってもよろしいでしょうか?」
ーー水? そういえば『水をかけてください』とか書いてあったような……。
エリゼに言われた通り店の奥を物色する。
木造りのタンスの中にネアの乳当てが存在していたが、中々のサイズだ。記念に一つ貰っておく。
俺はネアの乳当てをポケットに放り込むと、水を容器に入れて、エリゼ達の元へ戻った。
「持ってきたぞ! エリゼ! 次はどうする?」
「ネアにかけてください」
ーーはい?
「いや、意味がよくわからないんだけど……」
「クビキさん……。世の中全てのものに意味があるとは限りませんよ……」
ーー何かすごく深いことをさらりと言われた。
ええい、ままよ‼︎
『どうとでもなれ』それは俺の好きな言葉である。
エリゼに言われた通りネアに大量の水をぶっかける。念のために言っておくが、俺はびしょ濡れの少女に性的快楽を覚える特殊な趣味はない。
「ふぁあああああああああああああああ‼︎」
ネアが謎の叫びをあげ、エリゼはネアを踏み台にし、ドレーネと亞里亞は固まっていた。
ーー何この地獄絵図。




