積荷の搬送クエスト!①
【積荷の搬送:隣国、王都ウルの雑貨商人まで積荷を届けるお仕事です。積荷の護衛も含まれるため、四人以上限定。竜車は冒険者ギルドの方で用意します】
昨日、このような依頼をギルドで受注し、今日の夜明け前に竜車に乗り、王都ステラを出発した。
ドレーネ、エリゼ、亞里亞、そして俺も、これまで生きてきたが、隣国になど行ったことがない。
ーー以下回想。
「隣国ウル……かぁ……。この積荷の搬送クエストやりたい人っ‼︎」
ドレーネの問いかけに対し、その場にいた全員が手をあげる。
「ふむふむ。じゃあ、この積荷の搬送クエストはどうでもいいけど、隣国ウルに行ってみたい人っ‼︎」
やはり、その場にいる全員が手をあげた。
「やっぱり君達、観光目当てか! じゃあ決定で! 私、依頼書出して手続きしてくるねー!」
ーー回想終了。
そんな感じで現在に至る。
「はい、ドロ4‼︎」
「…………‼︎ 亞里亞ちゃんずるいです」
「じゃあ私からも亞里亞ちゃんにドロ2だ‼︎」
「甘いわ‼︎ さらにドロ2で受け流して、エリゼに合計ドロ4よ‼︎」
「あわわわわ……手持ちがどんどん増えてゆく……です」
「よし、私はこれでアガリだ!」
「あ、ドレーネ、ラスト一枚だったのにUNOって言ってないです」
「確かにドレーネはUNOって言ってなかったわね! ペナルティーね!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ しまったぁぁぁぁ‼︎」
ーーこいつらは、こいつらでUNOやってるし……。
いつの間にか自作したUNOを、エリゼとドレーネに布教し、荷車の中で白熱した試合を繰り広げる亞里亞。
俺はレックトルの手綱を握り、ひたすら前を向いて安全に走行させる。
後ろからキャッキャと楽しそうな声が聞こえて、
集中出来ない。
よく、こんなに揺れる竜車で、酔わずにUNOなど出来るなぁと感心していた。
「うぉえぇぇぇぇ………………うぇろろ…………‼︎」
感心した矢先に、吐瀉物を竜車の外に撒き散らすエリゼ。
我らが誇る残念美女はここでも期待を裏切らない。
ーーやっぱり酔っていたか……。
竜車を道の脇へ停めると、少し休憩し、エリゼの介抱に専念する。
「さぁ、水よ。飲みなさい」
亞里亞はレックトルに水を与え、興味深そうにそれを眺めている。彼女は竜車に乗った事がなく、レックトルに接する機会もあまりなかったため、キラキラと目を輝かせて世話をしていた。
「う…………。はしゃぎ過ぎたです……」
「大丈夫か?エリゼ」
「ほらエリゼ、お水だよー」
「ありがとうございます…………」
周りを見れば草原が広がり、空は青く、吹き抜ける風は心地よい。
たまにはこういうのもいいなと思いつつ、旅のおやつに買ってきたステラせんべいにかじりついた。




