ヤンデレクレリック!
「クビキさん、クビキさん……。私こと、エリゼはですね、この12年間、ただ待っていただけじゃないんですよ……ふふふ」
「…………と、言いますと?」
「クビキさんのためを思い、クレリックの道を取得しました。回復もサポートもお任せください」
各系統レベル10毎に任意の職につくことが出来、魔法使いであれば、
第一次職 《マジックキャスター》《クレリック》
第二次職 《ウィザード》《プリースト》
第三次職 《メイジ》《ビショップ》
第四次職 《アークメイジ》《アークビショップ》
このように様々なクラスにつく事が可能である。
ただ、エリゼのように回復・補助を得意とするクレリックを選んだ場合、
レベル20では《プリースト》
レベル30では《ビショップ》
レベル40では《アークビショップ》
にしか、つく事が出来ない。
「そうか、エリゼはクレリックになったんだな。ってかもうレベル10超えてるのか……」
「大丈夫です! クビキさん、エリゼがついていますから! クビキさんの隣にしっかりついて、クビキさんの事支えますから‼︎ すぐにレベルも追いつきますよ」
ーー控えめに表現して「嬉しいが、恐怖」
俺のためにクレリックになったと嬉々として話すエリゼ。
確かに嬉しい。だが、自分の人生を、他人に委ねているようで狂気じみている気がした。
それすらも彼女の生き方だと言われれば、文句など言えるはずもないし、認めるしかない。
ただ、エリゼ自身のために、慎重に行動をした方が良いのではないだろうか。
あと、ぐいぐい来るのが恐怖。
こんなにも美しい顔立ちなのに、瞳がなんか恐い。
これがヤンデレというやつだろうか……。
「さあ、クビキさん!一瞬にギルドクエストを選びましょう!」
「ああ、わかったよ。 ……そういえばドレーネもレベル10は超えているんだろ? クラスは何になったんだ?」
「私? 私はマジックキャスターだよー? 魔法をバンバン! ってね」
「おー、火力職だな! 頼りにしてるぞ!」
「何言ってるのよ、クビキ、あなた戦士志望の冒険者でしょ⁉︎ 頑張りなさいよ!」
「攻撃がねぇ……。当たらないんですよぉ……」
「クビキさん、クビキさん、それならこのクエストがオススメです!」
【ジャイアントデスワームの討伐:ステラ領西側の耕作地帯にモンスターが多数出現。100匹の討伐をお願いします。】
「エリゼ、何故このクエストがオススメなんだ?」
「あー、ジャイアントデスワームね! これは確かにクビキにぴったりかもしれないわね」
「クビキさん、ジャイアントデスワームは動きが遅いので、dexterityが低くても攻撃が当たるはずですよ」
ジャイアントデスワーム、土の中を移動する彼らに天敵は少なく、増殖を繰り返す。
畑の作物を食い荒らす害敵として認識されている。
動きは遅いが、高い体力を持ち、倒すのに時間がかかる割に経験値は少ない。
見た目のグロテスクさもあって、人気度の少ないモンスターである。
「しかもジャイアントデスワームは、経験値50ですからね。クビキさんには十分美味しいはずです!」
「一匹でゲルスライム50匹分……」
なんだそれは……。
ゲルスライムを倒していた苦労は何だったのか……。
そんな美味しいミミズがいるなら、行くしかないだろう。待っていろジャイアントデスワーム!




