再会!②
「あ、あの。エリゼさん?」
「クビキさん、お手紙を私、何度も何度も書きました……お返事、くれませんでしたね……」
ーー手紙?
俺はクエスチョンマークが頭の上に浮かぶ。
何故ならエリゼから手紙など、一切受け取っていないし、届いていないからだ。
「クビキさんのために何度も何度も何度も何度も……‼︎ でもクビキさんはお返事をくれませんでした‼︎ 300通は出したのに……‼︎」
「そうか、ごめんなエリゼ。俺のために300通も手紙をくれたのか……。300かぁ………………。えっ…………………………300⁉︎」
ーーおい、絶対やばい子だろ、この子‼︎ どうやったら返事もない相手に300通の手紙を出せるんだよ⁉︎
これ確実にストーカー気質あるだろ。
「エリゼ‼︎ もらってない! ってか届いてない‼︎ 本当に! エリゼから手紙一通も!」
「そんな事、信じられません! そうやってまた私だけを除け者にするんです! ギドやドレーネが「クビキから返事きたー」とか言ってるときに、私だけ返事が無い事を隠し、「私もきましたー」と、嘘をつく気持ちがわかりますか⁉︎ こんなにもクビキさんの事を想っていたのに……‼︎」
「うん。ちょっと待っててね。エリゼ」
ーー⁉︎ …………絶賛混乱中。
「ドレーネぇぇぇぇ……。どういう事なのぉぉぉ…………」
「クビキ、エリゼは何て言ってた⁉︎」
俺はエリゼから聞いた事を、全てドレーネに打ち明けた。
背後から突き刺さるエリゼの視線がとても痛い。
「300って嘘でしょ⁉︎ それ確実にストーカーじゃん‼︎ しかも、返事がきたってみんなで話した時も嘘ついていたのかぁ……。これは私にも責任がありそうだなぁ……。よし、クビキ。協力しよう。エリゼをなだめてやろう」
地獄にも仏、異世界にも女神、二アスティの女神ドレーネとは君のことか。
これほどまでにドレーネと友人関係を構築してきてよかったと思える事はない。
「ドレーネ様ぁぁ‼︎ ありがとうございますぅぅぅぅぅ‼︎」
「ふふ、まぁ、そこで指をくわえて見ていたまえ!」
ゆっくりとドレーネはエリゼの元へ歩いて行く。
彼女が目の前を通り過ぎた時、生クリームの甘ったるいような、香りがして一瞬理性を失いかけた。
「クビキがね、エリゼに悪い事したから、これからは好きな時に腕組んでいいって言ってたよ!」
……。
…………。
………………………………は?
ーーいや、いや、いや、いや‼︎ それ何の解決にもなってないでしょーが⁉︎
実際見てみろよ‼︎ エリゼの顔をさぁ‼︎
そんなんでこの険悪な雰囲気がーーーーーー
「ーーーークビキさん、本当……ですか?」
ーーいや、いや、いや、いや‼︎ 何、頬赤らめてるんだお前はぁぁぁぁぁぁ⁉︎ 買収されてんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ⁉︎
…………。
「…………ああ。本当だ。エリゼ……」
エリゼは喜色を満面に浮かべ、俺の腕に飛びついてくる。何なんだこの子は……。
ドレーネを見ると、俺に向かってウインクを繰り出し、拳を前に親指を立てて「グッ」みたいなポーズをとっていた。
ーー「グッ」じゃねーよ‼︎
そんな彼女の純粋な笑顔を見て、ぶっ飛ばしたくなった事は言うまでもない。




