坊主にくけりゃ袈裟までにくいのか?
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってあるじゃん」
「今日びそんな長い言葉つかわないけどな」
「まぁ確かに言いにくいけどさ」
「略すとしたら坊主憎いだろうか」
「冒頭すぎて、それはもうただ憎いって言葉だろう」
「略しづらいな、それで坊主憎けりゃなんやかんやの言葉がどうしたんだ?」
「いやこの言葉、前々から常々思っていたんだけど」
「そんな言葉常々思うのは、人としてどうなんだろうと思う」
「気になってしょうがないのが、何点かあるんだけど誰にも聞けなくてさ」
「誰にも聞けないなら、俺にも聞くなよ」
「いやいやまぁそういわずに聞いてくれよ、この言葉って本当なのか?」
「本当かどうかはしらないけどな、風が吹けば桶やが儲かるぐらいよりは信憑性があると思うぜ」
「そうか?」
「だって考えても見たら変な話じゃないか?」
「考えるな、感じろよ、世の中そんな言葉だらけだ」
「真面目に考えてみたら変な話なんだよ」
「どう変な話なんだよ」
「袈裟まで憎いってそんなことある?」
「まぁ変質者の域な気がするな、袈裟憎いわぁ、あの男の匂いが染み付いているわぁ、切り刻みたいわぁって事だしな」
「なんでヤンデレの要素を詰め込んだ」
「おいおい、この言葉には変態要素しか思い浮かばねぇよ」
「もっと他にあるよ」
「じゃあどういう要素があるんだよ?」
「袈裟より憎むべきもの他にあると思う、例えば数珠とか木魚とか寺の鐘とか大仏とかさ」
「さすがにそこまで憎んだらマズイと思っていたんじゃないか?」
「お前の憎しみはそこまでか! 坊主を憎むならまず、そこらへんからだろう、ジャラジャラうるせーとか、ぽくぽく言ってんじゃねぇよとか、108回も叩いてんじゃねよとか、デカイからって調子のるなよ、みたいな感じでさ」
「お前は何か憎しみがあるのかよ」
「いや全くないよ」
「まっいいけど、袈裟までしか憎くないと思えばいいだろうよ」
「確かに憎しみは小さい方がいいかもね」
「というかまぁ確かにこの言葉なんで袈裟という言葉に固執してるよな」
「そうだね」
「もしかしたら、この言葉を作ったやつは、変態なんだろうか」
「さっきのヤンデレの話?」
「坊さんイコール袈裟って看護婦イコールナース服みたいに考えるなんか衣装に興奮する変態みたいなものじゃないか、だから憎むならまず服だろうみたいな感じで、自分の性癖優先したのかもな」
「とんだ濡れ衣を着せたな」