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プロローグ

私の2作目です。割といい内容になりました。

俺の名前は阿部誠。もちろん偽名ではない。

だが、俺はいくつか偽名を持っている。


この世界の住人は何のためらいもなく偽名を使う。もちろん本名を使わないわけでもないし、知られていけないわけでもない。ただ単に昔からそうだったからとしか言えない。もちろん、人だけでなく建造物や物にまで偽名は使われている。


まあ、俺には全く関係ないことだ。別に日常生活に本名が必要になることなんてそうないし困ったことなんか今まで生きてきた中で一度たりともなかったのだから。


俺は学生だ。もちろん学校には行くのだが、やはりその学校の名前も偽名だ。


今日ももちろん学校に行く。実は今日学校最後の日、つまり夏休み前日なのだ。だから俺はいつもより浮かれて学校に行く。


うちの学校は3階建てのどこにでもあるような普通の学校だ。クラスは3クラスある、その中で俺は1組だ。


俺にはもちろん友達がいる。その友達の名前でさえ俺は本名を知らない。


いつ考えてもややこしい…


ただ、俺には本名を知っているやつが1人いる。俺の幼馴染の今井美樹だ。なぜかよくわからないのだが、昔からあいつの名前は知ってるんだよな。


そして、今日もいつもどおり俺が机に教科書を全て入れ終わり一息ついていたジャストなタイミングで話しかけてきた。


「ねぇ、今夜崖っぷち山に天体観測しに行かない?」


崖っぷち山というのはもちろん美樹がつけた偽名である。


「ずいぶんと唐突だな、おまえの自由研究だってことはわかるがなんで俺も行かなきゃならないんだ?」

「えっと………来てくれたら教えてあげるわよ……(どうせ話そうと思ってたことだし)」

「今なんか言ったか?」

「別に!」

ん?今少し顔が赤くなったような…気のせいか…

そして、美樹は再度力強く聞いてきた。


「で、結局どうするの?」

「わかったわかった行くよ」


やれやれ、俺はいつもこいつの強引な質問でやるハメになるのだ。これからは気をつけよう。


「じゃあ、今夜8時学校の近くの駅でね。あ!あと、急に来られなくなったとかなしね遅刻なんかしたら承知しないんだから!」

「はいはい、8時な。わかったよ。必ず行く」


そして、美樹はなにか浮かれたように自分の席に帰って行った。


星見るの楽しみなんだな………………



授業を全て終えた放課後、俺はいつもなら友達と話しながらダラダラと家へ帰宅するのだが、今日は美樹との約束もあるのでその誘いも断りさっさと家に帰った。


俺の住んでいるとこはとてつもなく田舎だとにかく周りが田んぼなのだ。例えようがない位にな。


家に帰るといつもどおり誰もいない、というのは嘘と言ってもいいのだが、俺の家族は姉しかいない、親は行方不明だ。それは俺が物心ついたときにはもういなかった。しかも、その姉を俺は一度も見たことがない、正確には覚えていない…かもしれない、


つまり俺の姉はヒキニートなのだ。


さらに数少ない本名を晒していい中で俺は姉の本名ましてや偽名さえも知らない。


まったく家族なんだか他人なんだがわからん。


俺は昼ごはんを食べ終わり自分の部屋に帰った。


俺はカバンの中からプリントを引っ張り出し、宿題を確認する。学校から出された宿題はただ一つ自由研究だ。


俺の自由研究の題材は偽名調査。俺は家族の名前でさえ知らないので、すぐこの自由研究を思いついた。


まあ、本当はこんなややこしい事をするのはなぜか気になったからなのだが……


今日はめんどくさいから明日から始めるか



時間は午後8時半今山を登っているところだ。

この山はさっき美樹が言ったように崖っぷち山というのが妥当だろう。そういうのはこの山の頂上は崖っぷちにあるからだ。気をつければまったく問題ない。柵もあるし…


頂上に着き俺は準備をし始めた。美樹の父が望遠鏡を貸してくれたらしい。

「ほら、あれが夏の大三角形」

美樹はまるで知っているかのように俺に教えてくる。


おまえ、電車の中で星の本読んでたのを俺が気づかないとでも思ったのか?


夜10時ごろ…そろそろ真っ暗になってきていよいよ星が綺麗に見えるようになろうとしていた時……俺はふと昼間のことを思い出した。


「なあ、なんで今日ここに来たんだ?」

「えっ⁉︎えっと………それは…」


美樹が何を言っているのか全く聞こえない

その代わり耳に入ってくる一つの音があった。その音はだんだん大きくなってきていて俺らの方へ歩いてきているみたいだった。音が消えた


と思ったら美樹がいない‼︎


どこ行ったんだ?


俺が崖っぷちにある柵がある方へと近づく…すると次の瞬間…


ひょいっ!


空気を掴む感覚、柵がない!さらに後ろから押された感覚があったようななかったような…と考えたのはもう落下し始めてからだ、俺は真っ暗な崖の下に落ちていく。


あ…俺死ぬの?え?待て待てなんで柵がないんだよ⁉︎


と俺は一人で勝手にキレた。


しかも俺を押した奴がいたのか?美樹か?まさか美樹がそんな事……というか、なんで俺がこんな目に……くそっ!


俺幼馴染の本名しか知らない人生だったなんてどんだけ寂しい人生だったんだよ⁉︎


俺はそのまま落下していった。俺が最後に見た空はまるで血のように真っ赤だった。




今回は書くのに結構かかってしまいました。

次回はもう少し構成を考えて、話をまとめて行きたいと思います。

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