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真・恋姫✝無双 魏国 再臨  作者: 無月
反董卓連合
65/111

 虎牢関 初戦 【蒲公英視点】

さぁ、第二戦が始まる前に西涼の彼女たちの視点を。


週末が忙しいので、感想返信遅れます。

「・・・・お前たち、弱い」

 虎牢関の前で呂布さんが何かを言って、薙ぎ払う。

 ただそれだけで人が空を舞い、悲鳴と共に血飛沫があがっていく。

 歩兵も、騎馬も、将も、彼女の前では誰もが平等に斬り捨てられ、阻まれる。

 前を行く諸侯の兵たちを蹴散らして、自ら動かぬ壁となる。

 飛将なのに、不動。

 戦場を縦横無尽に駆けることで有名な呂布さんらしくない戦法。

 だけど、どうしてだろう?

「誰も・・・ 通さない」

 蒲公英にはその姿が、大陸を守らんと五胡に立ち向かう叔母様の姿と被って見えた。



「ねぇ、叔母様・・・

 たんぽぽ達って、何のためにこの連合に参戦したのかな?」

「あんたはまったく・・・ 翠と違って賢いねぇ」

 たんぽぽの問いに叔母様は答えずに、頭をぐしゃぐしゃに撫でられる。

「叔母様、ちゃんと答えてよ」

 手をどかしながら叔母様を強く睨んでも叔母様は気にした様子もなくて、逆に見つめ返してきた。

「漢への忠誠を示すため、さ」

「そんなの・・・!」

 建前じゃん!!

 と、叫ぼうとしたたんぽぽよりも早く、叔母様は言葉を繋げた。

「そしてこの後も、アタシ達が五胡からこの大陸を守る防壁であるためだよ。

 董卓のことをアタシらが知っていても、その命を守りたくても、アタシ達西涼軍にはそれ以上の責務がある」

 たんぽぽから目を逸らして戦場に視線を向ける叔母様は何かを堪えるように、前線で繰り広げられる争乱を見つめていた。

「アタシ達が倒れたら、誰が五胡からこの大陸を守るんだい?」

「でも、それじゃぁ董卓さんは!」

「じゃぁ、考えを変えてみな。蒲公英」

 叔母様は視線をこっちに戻すこともなく、顎に左手を当てて、まじまじと戦場を見つめていた。

「もしアタシ達が董卓軍と同盟を組んで西涼に招いていたら、戦場は間違いなく虎牢関(ここ)じゃなく、西涼か、涼州に移っていただろうねぇ。

 今と同じように大陸の権力者や実力者たちが名を連ね、その姿を一堂に会するだろう。

 そしてそれは・・・ 五胡が大陸へと攻め込む絶好の機会となる」

 叔母様が指先で煙管を求めるように遊び、結局何もしないまま近くに突き刺していた得物である十字槍・柳暗花明を掴んだ。

「もし、そうなっていたらどうなるか。答えは簡単さ。

 連合が勝っても負けても、消耗した者を五胡が蹴散らし、大陸が奪われる。

 でも、それだけはあっちゃぁならない。

 だから今ですら、あそこで韓遂の爺が睨みをきかしてんのさ」

 声を荒げることもなく、そう言いきった叔母様にたんぽぽはただ驚いて、本当にこの人はつい最近まで病人だったのかを疑いたくなってしまう。

 叔母様の言葉は、さらに続く。

「西涼の民が何故、あんな辛い環境で生きられると思う?

 五胡と大陸を挟み、馬がなければ生活も出来ないようなところで、それでもなおあの地に留まっているのか?

 それはアタシ達が大陸を、漢を守っているんだと強い自負があるからだ。

 漢を誇りに想い、漢を守ることこそがアタシ達を支えてるのさ」

 将として戦場に立って、西涼を守る叔母様はいくらでも知ってる。

 だけど、領主として西涼を守ろうとする叔母様を見るのは、これが初めてだった。

 ううん、違う。

 たんぽぽが知らなかっただけで、叔母様はこうして何度だって西涼を守ってきたんだ。

「アタシが董卓の人となりを知っていても、情報が偽りだとわかっていても、アタシ達西涼軍が『漢の敵』とみなされてしまった董卓の味方になることは許されない。

 だからアタシは、ここに居る。

 わかったかい? 蒲公英」

 そうして堂々と立っている叔母様の背中に、たんぽぽはいつだか母様が歌っていた叔母様への賛美を思い出す。

 敵を睨むのは、まるで夕暮れの空見たいな橙の瞳。

 馬の尾のように括られた、白髪交じりの黒い髪。

 ピンッと伸ばされた背筋に、共に駆けるは叔母様御自慢の月毛の焔。

 全てを受け止めようと広げられた両腕は敵には槍を、同朋には酒を伸ばすためにある。

 西涼の民は、この背中についていく。

 何よりも勇敢に、誰よりも速く前線へと駆けて行く英雄・馬騰。

 そして、その横を駆け抜けることを許されていたのは ――― 誰よりも草原の地に愛された泣き虫な男。

「叔母様、お姉様はそれを知ってるの?」

「いいや、知らないね。

 教える気もないよ」

 即答した上に『教える気もない』なんて言う叔母様を問いかけようと息を吸ったら、叔母様は言葉を見越してたかのように言葉を続ける。

「『何故?』なんて聞くんじゃないよ、蒲公英。

 あの子は将じゃない、領主の娘だ。

 武将ですら気づけた違和感を気づけないようじゃ、駄目なんだ。

 いつまでも手取り足取り、アタシが領主を教えることなんざ出来っこない。

 この答えに自力でたどり着けないってんなら、あの子はそれまでだよ」

「それはいくらなんでも厳しすぎるよ! 叔母様」

 断言する叔母様の言葉があまりにも厳しくて、おもわず声を荒げてしまった。

「アタシが厳しくしなきゃ、誰が翠に厳しくするってんだい?」

 けれど、それに対する叔母様の答えは短くて、単純なものだった。

 これが叔母様とお姉様の在り方なんだろうけど、なんか屈折していて、素直じゃない。

 お互いにお互いを意識してるのに厳しくて、大切なのに遠ざけて、その扱いは信頼してるんだろうけどなんだか粗雑で、不器用極まりないと思う。

「・・・・逆の意味で過保護」

 とてつもなく面倒な親子を前にしたたんぽぽは、愚痴のような内心を一言にして吐き出した。

「なんか言ったかい?」

「いえ、なんにもー」

 問い返されたけど、たんぽぽは事実しか言ってないもーん。

「余計なことを言ってないで、さっさと持ち場に戻りな。

 じゃなきゃ、あの馬鹿娘が飛将に突っ込んでいくとかやりかねないからね」

「ハハハ、まっさかー。

 たんぽぽの目から見ても、若い頃の叔母様よ『あぁん?』り強い呂布さんに挑むわけないじゃん。

 いくらお姉様でもそんな無謀なことしないって・・・ ヴあぁぁーーーー?!」

 たんぽぽ達が見下ろしてるその時、陣内から飛び出していく見覚えのある馬に跨った、茶色の馬の尻尾みたいな姿が視線の先に移り、もう冷や汗が止まらなかった。

「で?

 いくらお姉様でも・・・ なんだって?」

「挑んじゃう馬鹿だったねー・・・」

 わざとさっきのたんぽぽの言葉で聞き返してくる叔母様って、本当にいい性格してるよね!

「ほれ、行っといで」

「はぁ~い・・・ 逝ってきま~す・・・」

 叔母様の言葉に送り出され、たんぽぽはすぐさま駆け出した。

「お姉様の馬鹿ー!」

 考えなしに突っ込んだ従姉妹へと、不満を爆発させながら。




「うそ・・・・」

 あまりにも圧倒的な光景に、言葉が漏れる。

 馬騰の娘にして、西涼の錦馬超。

 病気の件もあって前線に立つことの減った叔母様に代わり、西涼の民を率いて戦う雄姿を称えられて贈られたその名は決して伊達ではない。

 馬術と槍術においてお姉様にかなう相手なんて、叔母様と叔父様以外私は知らない

 孫堅の娘にして、小覇王である孫策さん。

 遠く西涼にすらその名が響く時点で、その実力がどれほどかなんて簡単に想像できる。

 そんな二人が呂布さんによって、他の兵たちと一切変わらずに吹き飛ばされていく。

「ありえないってば・・・」

 現状に対して、二回目に漏れた言葉も一回目と何も変わらない。

 ただ、信じられなかった。

「・・・お前ら、ちょっと強い。

 でも、それだけ。

 霞と恋は・・・ もっと強い」

 呂布さんの言葉は、あの飛将と呼ばれた彼女からは想像できないほど拙いものだった。

 麒麟の嘶きのような怒声でも、鬼神の狂笑にもおよばない幼い言葉。

「恋はここを、通さない」

 言葉は幼い筈なのに、ただ紡がれていく一つ一つが本気だって伝わってくる。

 そして呂布さんは戟を軽く払ってから、二人へと刃先を向けた。

「来ないなら、何もしない・・・・

 来るなら・・・ 次は斬る」

「へぇー・・・

 言ってくれるじゃない!」

「たった一撃入れたぐらいで、図に乗ってんじゃねぇーーー!!」

 呂布さんの言葉に突っ込んでいくお姉様と孫策さんに、たんぽぽはさらに馬の足を速めた。

 まだ遠い、だけど!

 馬術も槍術もお姉様に届かなくても、人の足より遅いなんてことはないんだから!!

「お姉様の馬鹿ーーー!!」

「何、やってんだーーー!!」

 たんぽぽが二人を庇うように槍を指し込むのとほぼ同時に、反対側からどこにでも見られる量産された剣が指し込まれた。

 容赦なく振るわれる呂布さんの一撃は重くて、押さえきれない。

 手綱を離して両手で槍を支えても、まだ足りない。

 二人がかりで、これ?!

「・・・・邪魔」

 言葉と同時に振り切られて、戟を受けたたんぽぽ達だけじゃなく、近くまで走ってきていた二人ごと吹き飛ばされる。

 うっそだー・・・・

 風圧で人を吹っ飛ばすとか、呂布さんに敵う人なんて本当にいるの?

 たんぽぽと一緒に支えてくれた人は打ち上げられるようにして空を舞い、風圧を受ける形となったお姉様と孫策さんは地面へと転がっていく。

 空を舞うなんて経験、いつかした叔母様との修練以来だな―とか思いながら、あの日を思い出して反射的に受け身をとった。

 わーい、出来たー。叔母様にしごかれた甲斐があったー。

 ・・・・あれ、涙出そう。なんでかな?

「おぉー、スッゲーな!

 見ろよ、星嬢ちゃん。名立たる武将があっさりと吹っ飛んじまったぜ!!」

 あっれー? たんぽぽ、受け身とったはずなのに頭でも撃っちゃったかな?

 なんか人形が動いてるのが見えるんだけど? まずい、叔母様にばれたらしごかれる・・・・!!

「こら、宝譿。

 人を指差すな」

 そこなの?!

 叫びたいのをぐっとこらえ、距離的にまだ遠いその人達(?)を見た。

「人だろうけどよー。

 今はただの負け犬じゃね?」

「フム・・・・ 確かに!」

 人形がとんでもないことを言った上に、それを肩に乗せてる人が同意するけど・・・

「確かに! ・・・じゃなーい!!」

 聞き捨てならない言葉におもわず腕を振り上げて、立ち上がった。

「おぉ、誰かしらは気絶しなかっただろうと思ったが意外な者が・・・」

「なんか苦労人っぽいよな、さっき見てても白蓮嬢ちゃんと一緒に守ってた側だったし」

「言いたい放題過ぎじゃない?!」

 言葉に全く容赦がなくて、好き放題言う人達(?)はこちらを見下ろしていた。

「申し遅れた。

 私は常山の昇り龍・趙雲。そして、肩に乗っているのは気にするな。ただの喋る置物だ」

「ひっでぇなー。

 喋るだけじゃなくて茶も入れられるし、菓子作りもお手の物。それどころか占いだって出来る万能・宝譿様だぜ?」

 気にしなーい、気にしなーい。置物が喋ってるなんてありえなーい。

「つまり、呪いの置物だ」

「時を又にかけた熱い想いを、呪いとかいうな!」

 何も見えない、聞こえなーい。気にしたら負けー。

 たんぽぽ強い子、頑張る子ー。

「さて、それはそうと馬鹿共を回収しなければな」

「白蓮嬢ちゃんはちげぇだろ?」

「では、白蓮殿を除いた馬鹿共を回収するとしよう」

 そう言って趙雲さんはこちらへと手を伸ばして、あっという間に腰に抱えられた。

 あれ? たんぽぽも入ってる?

「それでそちらの名は?

 馬がいるのならば出来れば自分で馬を駆り、どちらかを持ってもらいたいのだが?」

「あっ、西涼の馬岱です・・・ って、完全にみんな荷物扱い?!

 ていうか! 呂布さんが見逃してくれるわけ・・・・!」

 馬を呼ぶための口笛を鳴らしてから怒鳴るように返していると、趙雲さんは呂布さんとたんぽぽを交互に見てから得意げに自分を指差した。

「うむ!

 そのための私だ!!」

 ま、まさか・・・・

「一人で時間を稼ぐなんて、四人がかりで相手に出来なかったんだから無理ですってば!」

「まぁ、なんとかなるだろう!」

「頑張れよー、星嬢ちゃん」

 いつの間にかたんぽぽの肩に乗り移っていた人形に驚いていたら、趙雲さんはその人形をしっかりと握りしめるように掴んだ。

 人形は手の中で暴れているけど、その抵抗は虚しく、手綱に括り付けられてしまう。

「は・な・せ!

 俺には風と旦那の未来を温かく見守るっつう、重要な任務があるんだよ!!」

「はっはっは、それが赤の遣い殿だというのなら、邪魔してやりたいな! ぜひとも!!

 ここまでついてきたのが貴様の運の尽き、最後まで見放されているかどうか私と共に見届けてもらおうか。宝譿」

「だが、断る!

 離せや!! マジで!」

「日頃の恨みや、赤の遣い殿との思い出がある風達への嫉妬や、出来たて婚約者共から生まれた苛々をぶつけているわけではないぞ? 宝譿」

 あっれー? 今って結構、やばい状況だよね?

 どうしてこの人達(?)、こんななんだろう・・・

 いまだにじたばたと暴れてる人形を気にもしないで、片刃の小剣を二つにあわせたような特徴的な槍を馬上で構える。

 叔母様やお姉様の荒々しい槍とは違う、自然体でありながら流れるような武がその構えだけで伝わってくる。

 この人、強い・・・!

「さて呂布よ。

 そう言うことなのだが、どうだろうか?

 我々を見逃したりはしてくれないだろうか?」

「はーーーーー???!!!

 殿(しんがり)務めるんじゃないの?!」

 さっきまでとは全く違う趙雲さんの言葉に度肝を抜かれて、たんぽぽは声を上げる。

 いやだって、つい一瞬前まで『ここは自分にまかせて先に行け』みたいなやり取りをしてたのに、そんなことをどうして聞けちゃうの?!

「いやいや、馬岱殿よ。

 元々私が前線へと出てきたのは、考えもなく突っ込んでいった馬鹿・・・ もとい連合の将を救援するためでな。

 戦わずに済むのならそれに越したことはないのだが・・・」

「ないのだが・・・・?」

 趙雲さんがたんぽぽの後ろを見てから、ほんの少しだけ目を開いて、口元だけで笑っていた。

 なんだか不安になってその視線の先を追いかけて振り向いてみると、そこには・・・・

 ワーイ、生首ぶら下げた血塗れ鬼神様のお帰りだー。

「ふざけていたら囲まれてしまったようだな! はっはっはっは」

「笑いごとじゃなーい!!」

 ていうか、ふざけてた自覚あったんならやめようよ!

 さっさと離脱すればよかったじゃん!!

「なーんや、まだ()ったんかいな。

 まっ、ええわ・・・ 恋、帰るでー」

 あっ、たんぽぽ終わっちゃうんだ・・・

 短い人生だったなーとか半分黄昏てたら、鬼神さんの口から飛び出したのは予想外の言葉だった。

「って、いいの?!」

「なんや、死にたいんか?」

「どうぞお帰りください!」

 たんぽぽが即答すれば、鬼神さんは笑って、その場にいるたんぽぽ達を見渡してるようだった。

「べっつにここでやりおうてもえぇけどウチらは目的果たしたし、お荷物抱えた昇り龍と西涼の苦労人倒しても面白ないやろ。

 それに窮鼠猫を噛むっちゅうし、あんたら二人から思わぬ反撃やら、そこの猪に途中で起きられても敵わんわぁ。もっとも、そこの虎は狸寝入りっぽいけどなぁー」

「狸寝入りじゃないわよ!

 たった今起きたら、狸なんて呼ばれたのにムカついただけよ!! なんならもう一戦・・・」

 そんなことを言って立ちあがった孫策さんの足元に突如飛来するのは、一本の槍。

 どこにでもあるような量産された槍だけど、どこから飛んできたかもわからないその槍にたんぽぽ達は驚きを隠せなかった。

「誰よ?!」

 当然、孫策さんは声を荒げて相手を探すけれど、それに答えたのは予想外のところからだった。

「次は当てるよ? 小覇王」

 関の上に立つのは、怒りの嘶きをあげていた麒麟さんだった。

 次の槍を構え、関に足をかけて狙いを定めている彼女に鬼神さんは楽しげに笑った。

「何より、ウチの麒麟に怒られるんはもっとおっかないしなぁ」




 その後たんぽぽ達は何とか帰還して、お姉様が叔母様に怒られたり、孫策さんが周瑜さん達にお説教されたり、前線へと飛び出していった人たちはそれぞれの保護者に絞られていた。

 そして会議では前線を務めていた諸侯の多くが亡くなったこと、次の戦いではこれまで後ろに下がっていた曹操さんと赤の遣いさん、泗水関で功績をあげた劉備さんと白の遣いさんを中心に布陣が構成されることになった。

 たんぽぽ達西涼軍と孫策さんたちのところは今回の独断行動によって後ろへ下げられたけど、状況によっては前線へと駆り出されるかもしれないとか言われた。次の戦がどうなるかは袁家の軍師さんにもわからないんだって。

「はぁー・・・・ お姉様がまた無茶しなきゃいいんだけど」

 自分の幕に戻っても、考えるのはお姉様たちの事。

 あまりにもお互いに言葉足らずで、不器用で、無骨な親子。

 昔からどこかゆるい叔父様が間に立って成り立たせてた親子間は、叔父様の死と叔母様が病気で倒れて以降さらに不器用になっていった。

「まったく、めんどくさい親子なんだから」

 まっ、そんな間に挟まれてなんとかしようとしてるたんぽぽ自身も、大概だけどね。


【月毛】

 クリーム色から黄褐色の毛色のこと。白や亜麻色に近くなることもある。


さぁ、次は第二戦へ。


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