魔法使ってみました。
魔法……これがないとファンタジーとは言えないぐらい、ポピュラーであり、重要であるもの。
そして、その作りは、ファンタジー作品それぞれ違っている。
イメージして、炎、氷などを生み出す想像系。
魔方陣や術式、体の動きや魔法道具を媒体として使う、媒体系。
呪文や魔法名(ドラ〇エみたいな)を言って使う言霊系。
出来れば想像系が良いですね。勉強とかはせずにすみますからね。
それに私は天才ですからねーって、はい、ごめんなさい。ふざけました。だからそんな、イタイ子を見る目で見ないで下さい。反省してます。
私には前世の記憶がありますから。想像するのは簡単なんです。想像力は分かりませんが。
ま、とにかくやってみましょう。
さて、ここで重要なのは発見者がいると言うこと。
私、あれから考えました。王妃になるにはどうすれば良いか。
別に私は王妃になると神様から言われているわけで、特に何もせずとも良いと思いますが、やっぱり特に何も無い人よりも、何かをなした人の方が王妃になりやすいと思うのです。
だから私は、天才を目指したいと思います。
お父様も、お母様も、かなり美形です。すると多分私も美形になると思います。
頭脳明晰、容姿端麗。これを目指します。
そうすればかなり行けると思うのです。
小さい頃から天才と呼ばれている王妃。国民からの支持が上がるかもしれませんしね。
と言うわけで、これからその天才計画を実行したいと思います。
そしてその目撃者となるのが、私の乳母であるクイーナです。予定通りに動いてくれるように、願います。
現在クイーナはベッドに寝転ぶ私をあやしています。
作戦開始(あれ?ぶっつけ本番!?)!
実験台は私にかかっている毛布です。
そぉーれっ。うーかべー!!
ふよふよと浮かぶ毛布をイメージして、念じます。浮かべ、浮かべ。
するとなんと言うことでしょう。
毛布が浮かび上がったではありませんか!ゆっくりと上げ、クイーナの目の辺りで止めます。
大成功ですわーい。――――案外地味ですね、これ。だって魔法使ってるシーン、改行をあわせて7行しかありませんでしたよ。
まあいいか。出来ましたし。
それに加えて笑い声をつけましょう。
ぐははははは――――違った違った。
「きゃははは」
そうそう、これです。かわいらしく、かわいらしく。
「お、お嬢様?」
おお、クイーナ。ナイスな反応です。
「も、毛布、うか、おじょ、まほ、え?」
(訳)も、毛布が浮かんで、お嬢様が魔法を、え?
クイーナがのけぞっていて表情は分かりませんが、きっと可哀想なくらいうろたえています。
……罪悪感が。
「だ、旦那さまぁー!」
どたどたと足音が聞こえたら、ばんっと音がしました。多分クイーナが慌てて部屋を出たのでしょう。
というか、お父様は家におられましたか。
好都合です。お父様は親バカですからね。これを知ったらどんどん周りに広めてくれそうです。
嬉しい誤算ですね。
さて、お父様たちが来るまで毛布を下ろしておきましょう。魔力がなくなったら死んでしまうって言うこともありますしね。
って思ってたら毛布を下ろして30秒後に足音が近づいてきました。
はやっ!と思ったのは私だけではないはず。
もう一度毛布を上に上げます。
「ミ……ディ……」
お父様の声が聞こえました。きっと浮かぶ上がる毛布を見たのでしょうね。
声が聞こえてからたったの2秒でお父様が私の視界の中に入りました。
お父様が浮かぶ毛布を手に取り、じーっと私を見つめます。その薄い青の瞳は大きく開き、ただ驚いていました。
お父様は私を抱き上げて言いました。
「ミディ、すごいじゃないか。生後三ヶ月で魔法を使ったのはミディだけだよ」
そう言って、微笑んでくれました。
とりあえず、作戦大成功です!
そしてお父様。微笑んだ後その勢いでデレッデレの顔にならないでええぇぇ!!!