びっくり。
会話文多めです。
「後、貴方、平民?貴族?」
土下座をしている兵士の一人に聞く。
「ひっ、へ、平民、です」
「他の三人は」
「ぜ、全員平民です」
土が顔に着いたのでしょうね。でなければ顔が土色になることはないですよね。絶対そうなんですよ。違いありません。
「顔を上げなさい」
兵士の人たちがゆっくりと顔を上げる。もちろん真っ青。
「立ちなさい」
これまたゆっくり立ち上がる。
私は聞きたかったことを思い切って聞いてみた。
「これから言うことに、正直に答えなさい。貴方たちは何故土下座を?」
「な、何故って・・・・それは、貴女様に無礼をしたからで」
「私に無礼をしたから?本当に?それでは貴方はここに来る人全員に無礼をしたら土下座をするのね。もちろん平民にも」
「い、いえ、平民には・・・・・」
「違うの?だってさっき言ったでしょう?私に無礼をしたからって」
「そ、それは・・・・・・」
「私が平民ではなく貴族だから?」
「・・・・・・・・はい」
決まった。間違いない。
この国は貴族による恐怖政治だ。もしかすると暴力もあるかもしれない。
最悪最低。悪い国のお手本だ。
こうしちゃいられない。私も早く動かなければ。
「大佐殿、お父様の元へ。急ぎます。」
「了解です」
こうして私はようやくお父様に会えるのでした。
城の中は無駄に豪奢だった。ここまでくると逆にダサい。すごくダサい。
私は客室に通された。この部屋も豪奢だった。
ソファーに座っていると、一人の侍女が入ってきて、お菓子と紅茶を持って来てくれました。彼女はそのまま壁に際立っていますが、用意されたお菓子や紅茶を食べる気にはなれませんでした。
しばらくするとドアがノックされ、お父様かと思い立ち上がったのですが、入ってきたのは、少し歳の行った男の人でした。鳶色の髪に白髪が交じって、少し老けて見えますが、私の目はごまかせませんよ。少しおもしろそうに笑っているのも手伝って、貴方の年齢は―――
「貴女がミディアンヌ嬢ですかな」
「はい、そうです」
喋らないで下さい。分かりませんです。喋り方が爺っぽいです。
「大きくなられましたな」
「え、どこかでお会いしましたか?」
「貴女がまだ赤ん坊の頃に一度お会いしました」
赤ん坊というと、7年前くらいですかね。覚えてないはずです。
「閣下の友人である、リィラ・エルフィでございます」
ん?エルフィなんて爵名無いはずだけど。
「それでミディアンヌ嬢は今回何のようで――――」
「貴方は誰ですか?」
「え」
リィラ・エルフィが驚いて目を見開く。
「だから、閣下の友人のリィラ・エルフィですが」
「エルフィなんて爵名無いですよ」
さすがに全ての爵名を覚えたわけではありませんが、有名な貴族は全て暗記しました。っふ、子供の記憶力は侮れませんね。
「貴女が知らぬだけですよ。私は田舎貴族ですから」
「違いますよね。貴女はもっと上の貴族でしょう」
「何故そう思うのですか?」
見開いた目を細めました。この人よくまぶたが動きますね。表情豊って言うのかな。
「だって、そうじゃなかったらあの侍女さんが、扉で追い返していたでしょう?私は急に来たので、あらかじめ侍女さんに会うと予定を言っておくことも出来ない。それに城にいるくらいですからそれなりの地位にいるはずですし、さっきも言ったようにエルフィなんて爵名無いんですよ」
私は分かりやすくゆっくりと、笑顔で言い切りました。
向こうはまたもや目を見開いてぱちくり。ホントにまぶたがよく動きますね、この人。
なーんて思ってたら、いきなり笑い出したんですよ。
「はっはっはっは!こりゃいい。最高だよ!」
私ぽかーん。ちらりと見ると侍女さんもぽかーん。お父様はぎらーん。・・・・・・・・・・お父様?
「お父様!?」
いつの間に。全然気付きませんでした。ていうか、扉開きました?侍女さんもしかしてリィラ・エルフィに驚いたわけではなく、いきなり現れたお父様に驚いたんじゃないか?
「陛下、ミディに何かしてないですよね」
「おお、してない」
へいか?ヘイカって陛下?平価とか閉架じゃなくて?え、この人陛下・・・・・・・・・・
「ええええぇぇ!!!」