BANK OF A
なし
テレビのニュースで
キャスターが
まいにちBANKという
ことばをさけんでいる
やたらとさわぐので
BANKがどうしたのか
パパに聞いたら
BANKというのは
ぎんこうで
その一つがわるいことをして
それで会社がいくつか
つぶれたと
教えてくれた
ソンホは
かんこくからきて
かぞくが
BANKではたらいていた
何かが
ぼくのなかで
つながったきがした
そんなこんなで
がっこうも
なんだかおちつかなかった
おまつりのあとのような
むなしさが
がっこうにただよっていた
ヒーローは
そこにいてからこそ
ヒーローなのだとはじめて
しった
おいうちをかけるかのように
ハドソンさんまちの
こうもんで
おかあさんたちのおしゃべり
がつづいた
ハドソンさんはそんな
したきりすずめの
ざわめきが
ひどくきにくわないようで
ちょっとでもそのことを
みみにはさむと
もうきげんがわるくて
ぼくをむかえにきたのに
バスていまで
ぼくよりもさっさと
行ってしまうことが
何回かつづいた
そんなとっても
どたばたしたときに
そのでんわはあった。
じつをいうと
ぼくはでんわがにがてだ
おともだちとえいごで
はなすのもたいへんなのに
目に見えないあいてと
えいごではなすのは
そうぞうをぜっする
だからでんわはきょくりょくでない
でも、その日のゆうがた
ハドソンさんがぼくのすきな
いいにおいの
チップスとフィシュをあげていて
手がはなせない時
でんわがなった
とってくれるって
目でハドソンさんにいわれて
しかたなく電話にでた
おどおどと
電話をとっておどろいた
とつぜん
なにかのきいたような
ことばの音楽が大量に
ながれてきて
さらに
甲高い日本語。
おんなの人
「よしお、
クリスマスにママをつれていくから
ベルサイユに
わたしをつれていきなさい」
おこられた。
怒鳴られた。
あたまがわんわんなった。
よしおはパパのことだって
理解するのに
しばらくかかった
ぼくのおびえたようすをみて
ハドソンさんが
火をとめてこちらにこようとしたのを
せいいっぱいだいじょうぶって
ぼくは笑顔でつたえた
いつものように
えみおばさんだった。
なし