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仮面を被ったまま生きていた部屋  作者: 巳ノ星 壱果


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13話 消したはずの関係

 第16章 消したはずの関係


 たぶん、私はずっと眠っていた。

 この期間に何をしていたのか、本当に記憶がない。


 ただ、携帯電話をまた変えたことだけは覚えている。


 元カレは、車で10分もしない場所に住んでいた。

 共通の知り合いから、いろんな話が耳に入ってきて、嫌になった。


 それが理由だった。


 元カレは



「もう女は懲りた」



 そう周りに言いふらしてたらしい。


 逃げた私は、

 元カレにとっては悪者だったのだと思う。


 携帯番号を変えることを、

 人間関係リセット症候群というらしい。


 きっと、今思えば私はそれだった。


 でも、携帯をリセットしても、何ひとつ心の傷は消えなかった。


 親は、私にどう接すればいいのか分からなかったのだと思う。


 昔から、お金だけはくれた。

 携帯電話代も払ってくれたし、

 クレジットカードも持たせてくれていた。


 それが、親なりの愛情の示し方だったのかもしれない。

 不器用な、守り方だったのだと思う。


 兄は、そのカードで三十万円のブランド品を買った。

 私は買ったことがない。


 高いものに、価値を感じられなかったから。


 それよりも、消えない現実のほうが、ずっと重かった。


 お金は何もリセットしてくれない。

 失った時間だけが、そのまま私の中に残り続けていた。





 三歳の頃、熱性けいれんで、私は三日間眠っていたらしい。

 親は、このまま死んでしまうのではないかと心配していたという。




 三日後、私は目を覚ました。

 それなのにあの頃の私は

「あの時に目覚めなければよかったのではないか?」とさえ思ってしまっていた。


 トラウマは消えない。

 捨てたはずの記憶も、私の中で、ずっと眠ったままだった。



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