初依頼
夜になり、村長が手厚くもてなしてくれた。
食事が終わり、この世界についておじさんが話してくれた。
まず、この大陸は3つの国で出来ている。
南に位置する【フロスティア王国】 大陸東に位置する【アステラ王国】 大陸西に位置する【メカド帝国】三つ巴の勢力が何百年も均衡しており、ここ数年は小競り合いはあるが、至って平和らしい。
あとは【未開の地】と言う土地がある。大陸の北に位置する場所で魔物が多く、人間は足を踏み入れる事がないそう。
ここは大陸の南に位置する【フロスティア王国】の北側に位置する村だそう。首都フロスティアまでは馬車で3日ぐらいの場所。
あとは【冒険者ギルド】について聞いてみた。
おじさんのハワードは【商人ギルド】に所属しておりランクもある。
鉄、銅、銀、金の4ランクで銀ランクから国境を越えて商売が出来る。商人ギルドではただのランク分けではなく、信頼性や規模、その他には人物面など厳しく審査されるそう。銀ランクの商人は中々いないみたいで、ハワードは銀ランクの商人だそう。
意外とすごい人らしい……何故、護衛をつけなかったのか…
娘と使用人、数名の護衛を付けていたが、あっという間に制圧されたそう。
そして、襲撃してきたのは【ゴブリン】と言う魔物らしい。俺が仕留めた相手だ。
冒険者ギルドについては簡単にしか知らないそうで、商人ギルドと一緒でランクがある。ランクは同じで更に細かいそう。
仕組みや細かい制度、ルールはギルドに行って説明を聞くしか無さそう…
本題に入る前に俺はハワードに確認をした。
『敵の数や種類はわかってますか? さすがに1人じゃないですよね〜』
『………』
知らないし、1人みたい。
辞めよう……流石に無理だ。ここは丁重にお断りしてトンズラしよ。
すかさずハワードが報酬の話を出してきた。
『金貨50枚でいかがでしょう? さらにハワード商会のあらゆる権限を持ってお助けします』
金貨50枚?高いのか低いのかわからない…
うーん……とりあえずお金の単位も知らないといけない。断っても行く当てないし、やるしかないか……
『わかりました…出来る限りやります…あと、俺はお金の価値もわからないみたいです…ハワードさんとも何かの縁ですのでお金はいただきますが色々と教えて下さい』
正直に知りたい事を伝えた。相手はそれなりの商人だ交渉などは無意味だろう。あと、この人なら信用出来る。恩を作っておいて間違いないはず。
『わかりました。どうか宜しくお願いします』
硬い握手をして俺は決意を固めた。
生きて帰る。そして、この世界で贅沢すると!!
あんな事やこんな事まで……ムフフ。
動機は不純だが……どっちみちやるしかないのだ。
プラスに考えていこう!なんとかなるさ。たぶん…
俺は準備を始める為に、席を立った。