おうちにかえる
気絶しているおじさんを横目に自分が何をしたのか状況把握する。
1、気絶しているオッサン
2、全身が砕けている化け物
3、血だらけのオッサン
……ヤバすぎる。まさにカオス。こんな現場見られたら引くレベルではない。
とりあえず、血だらけの顔を自分のシャツで拭き
おじさんが起きたら色々話を聞こう。
下手に動いたら、また怪物に会うかもしれない。
………
いや、移動した方がいいかもしれない。
血の匂いに釣られて、他のモンスターみたいなヤツが来る可能性もある。
うーん…オッサンを担いで移動はきつい。
とりあえず、叩き起こすしかないか…
その前に、何か使える物はないか調べよう。
立ちあがろうとした瞬間!!
全身に痛みが走る。これは……筋肉痛だ!!
立てない…こんな瞬時に筋肉痛が来るとは。
特に握力がない。もう箸すら握れないくらい握力がないのが分かる。
たった2撃でこんなにも体に負担が掛かるとは…
いや、違うな。ただの運動不足なだけだ…
ちょっと見栄を張った自分が恥ずかしくなってきた。
意外と精神に動揺はない。これも武術を幼い頃から学んでいたからか、命のやりとりに対応出来ている自分が少し怖くなった。
そんな事より、早く移動しなければ……
這いつくばりながら、おじさんに近づき頬を叩く。
『 おじさん!! おい。オッサン!!』
すると、おじさんが目を覚ます。
一瞬、俺を見ると怯えた顔をみせるが、状況を飲み込み…
『あっ…ありがとうございます』
『奴らは?』
見ての通りで、すごい状態だが絶命しているのは確かだ。
俺は激痛に耐えて立ち上がり、おじさんに声を掛ける。
『とりあえず移動しましょう。ここは危ないです』
余計な会話は今すべきではない。移動が最優先だ。
ボロボロの身体を木刀で支えて、歩こうとするとおじさんが何か言っている。
『近くに私が襲われた荷馬車があります!それで移動した方がいいかもしれません!』
一理ある。しかし、襲撃現場に戻るのは危険すぎる。でもこの身体では移動も困難…
次の戦闘はこんな上手くはいかない。悩む…
いや!!賭けるしかない!!荷馬車がいるかわからないが…恐らく徒歩で移動していても、何かに襲われるのは間違いないはず。
『行こう!! おじさん!!』
嫌なフラグがビンビンだが、2人は出来る限りの全速で荷馬車に向かう。
これが町娘か何かなら最高なんだけど……
隣には頭皮が寂しくなりつつある中年のオッサンと血だらけで臭いオッサン。
これは死亡フラグしかない気が……
ここまで読んで頂きありがとうございます♪
初めての小説で不慣れな点が多いですが、温かく見守っていただけたら嬉しいです。