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私の家はドコ?

私の実家は田舎なので

家族や親族が少ない家庭は

とても寂しい子供時代を

過ごす事となります


田舎だからこそ


運動会 発表会 式典の度に

親戚身内が集まり それはそれは賑やかで

それはそれは まるでパーティーのように

大人数で集まり 大人達が楽しみ 盛り上がり

笑い声溢れる 他人の幸せを 横目に

核家族の人間達は 特に子供達は

侘しく過ごす 切ない強がる時間となります


私も その 寂しく耐え抜いた 1人でした


母と兄と私の3人で 肩を寄せ合い

イベントや行事のたびに

下を俯く そんな痛い記憶が 蘇ります


当時を振り返るとシロクロの色の無い世界です


父は 30代の若さで 膵臓癌により

痛みに苦しんで 亡くなり


6歳の頃から 父親参観が 辛く寂しくて

その度に 苦しんで逝った父を 思い出しては

子供なりに家族に気を使い 母にバレない様に

涙を堪えて 無理に笑って 乗り越えていました


家族の形は

人様それぞれですが

いつも思うのは 守るべきものは


子供達の純粋な心


それなのに 大人達が最優先され

いつもクローズアップされ 主役として生き

結果 後回しになる 子供達の大切な心


未来を背負う 子供達を

その子供達を主役に出来たら


未来を明るくする為にも

その人材を作る大人達が

脇役になれたら


子供達に

主役の座を 譲ってあげられたら


きっと


優しさに包まれ

愛と夢で満ち溢れ


そんな温もりある 子供達が作る 未来は国は


今よりも 輝かしい世界になっていると

そう思いませんか?



「新人発掘コンテスト」



いよいよ 骨肉の争いが 始まる……



麗子 桜子 撫子 胡蝶と穂高さん

この 大切な娘たち家族5人と


先祖代々から 付き合いの深い 上園さんの御家族



『この人達だけにしてね 遺言よ!!

私の 死に顔を 他の人には 絶対に 見せないで!!』



毎日のように 言い続ける 母の この言葉が

まるで 念仏のようで 必死に唱えているようで


ずしりと 重く 心の 奥へ奥へと 堕ちていく……




遡ること7年前の真冬の夜




この年は 寒さのあまり 息を吸うだけでも

心臓の 胸の 肺の辺りまでもが


冷たく痛く 切なく悲しく 苦しく寂しく 冷えていた


そんな 師走間近の寒い寒い早朝

田舎で独り暮らしをしている母から


弱々しく 今にも消えそうな 小さな声で


『胡蝶? 起きてた? 昨晩遅くにね

段差で躓いちゃって胸を打ったのよ

痛みが強くてね お医者様に 診てもらってくるわ』


日頃から 1日に何度も 電話で話す 母と私

細かな事まで 共有し 長い時は

2時間近く 話すことも しばしば


『大丈夫? どこの病院へ行くの?

気を付けて 気を付けて 行ってきてね!!』


私は 関東で暮らし 3人の子持ち

若い頃から脳腫瘍の持病があり 手術を受けていて

主治医のいる病院の近くで 生活している身……


すぐに駆け付けて行く事も出来ず ただただ

途方に暮れていると ふと過った 優しい島の人


家族ぐるみで 仲良くさせてもらっている

上園さん御家族の サチおばさまとフミさん親子



私達に 身内や親戚が いないわけではなく


本来なら こんな時こそ 身内や 親戚に頼るのが

普通でしょう


ですが 私たち家族には 心から信じて頼れる

身内や親戚などは いないのです



振り返れば この怪我が母の現実を

身内の まるで鬼の様な本心を

知り得る事となる 事件の始まりでした




続く 重なる不幸……




私から話を聞いた サチおばさまとフミさん


フミ『胡蝶ちゃん!!

水臭いわよ そんな時は 早く言ってよ』 


サチ『私達に任せなさい!!

トモさんの事は 何も心配しないで あなたは

遠くに住んでるのだから。私達がついているのよ

大丈夫だからね 安心しなさい!!』


その後の検査で 胸部骨折と診断された母

1ヶ月ほどの入院を終え 何とか退院できた


寒さが ますます厳しくなってきた 2月頃

痛みが続く為 1人コルセットを巻きながら

リハビリに通う 生活が始まりました


自分で 車を運転し 時々 弱音を吐く母に

どれ程 娘の私は なんて無力な人間なのか……と

思い知らされ


時々 八つ当たりをされながら

何とか受け流し ただただ 黙って聞く事しか

出来ませんでした



暖かく 心地よい風が吹き抜けた3月

母の母 私の最愛なる祖母 が 肺炎で亡くなりました




更に続く 追い討ちかける不幸……




祖父母は会社を経営し

祖母は50代の頃 クモ膜下を発症し

母が祖母を介護していました


そんな母も 歳を取り 自身の経営している会社や

心身のメンテナンスを最優先しなくては いけなくなり

そんな時期に 後取りになる母の弟 次男の叔父さんが

お見合い結婚をしました


会社の名義を全て変え 隠居した祖父は

跡取りの本家に嫁が来たにも関わらず 思いもよらぬ

祖母の介護を押し付けられ


挙げ句の果て 母は4人兄弟にも拘らず 次男夫婦で

財産を独り占めし


祖父母の財産の 隣の家で暮らしているのに

祖母の介護を全くせず


老人に老人を介護させる 現代社会の問題にもなっている

老介護状態が続き 親族 地域 施設など全ての人達から


冷たい次男夫婦 冷たい跡取り夫婦と

白い目で見られ 囁かれていました


もちろん

私の母は 実の両親が 雑な扱いをされて

悔しいはずも無く


叔父夫婦から いい様に利用されてるのを

分かっていながらも 両親を放っておけず


1時間ほど離れた街から 月の半分は世話をする為に

通っていました


両親の世話に実家へ行くと 当たり前のように

待ち構えている次男の叔父夫婦


甥っ子 姪っ子ちゃん達の世話まで

押し付けてくる始末


姉である 私の母を 夫婦で利用し

祖父母を雑に扱い 財産を独り占めして奪っただけの

冷たい叔父夫婦


そして

3月に祖母が亡くなった 葬式の夜

冷酷な叔父さんが

とうとう 鬼の様な本性を 露わに

牙を剥きました



悔しい思いって

消えませんね

引きちぎられた痛い心は

癒えませんね


人だから

良いところもあるのだけど

人だから

悪いところもあるのだけど


だからって

全てにおいてですが

やはり

やり過ぎは

良くないですよね


いつの日か

ゆっくり目を瞑る そのいつの日か


必ず誰にでも訪れる 逃げれない

そのいつの日か


全ての人が

笑顔で その日を 締めくくれます様に

そう心から願っています

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