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016 なんでもありかい

 スマコ、私また結構寝てた?


《日本時間の換算で48時間ほどです》


 丸2日かぁ……。

 おかげで体力も忍気も全開だね。

 寝ている間に魔物が来なくて良かったよ……いやマジで。


 さて、体は回復した。

 あの変な神が示すこの場所にとりあえず向かってみよう。

 スマコ、この場所までどのくらいかかんの?


《ざっとした概算では3年と20日ほどです》


 ……はっ?!

 3年?!


《はい、3年です》


 ぁんのクズ神がっ!

 聞いてないぞ!

 なんだよ3年て。

 なめてんの?


 ていうか、この迷宮ってそんなに広いわけ?

 もしかして一生この迷宮から私出られない?

 ないわ――。


 とりあえず進もう……。


 私はアイレンズのスキャン、転身機の感知、スマコの解析の力を借りながら危険を回避して迷宮内の道を進んでいく。


 この迷宮内は夥しい程のエリアが存在していて、それを通路同士でつなげているみたい。

 そのエリア内ではその環境に属した魔物が群れて住みつき、生活を送っている。


 エリア毎に環境はさまざまで、チャタテムシが住んでいたエリアみたいに気温が氷点下で氷だらけのエリアとか、逆に気温が90℃以上で灼熱地獄のエリアとか、人間に有毒なガスが充満しているエリアとかもある。


 そんな場所に生息できる魔物が怖い。


 その一方で、普通に森林が生い茂っているエリアとか、岩だらけのエリアとか、砂漠みたいな砂だらけのエリアとかもあったりする。


 このあたりなら、まだ魔物がいたとしても立ち寄ることができる。


 それに、ごく稀だけど私が5年過ごしたエリアみたいに、魔物が生息していないエリアも存在している。


 そのエリアを見つけるとマジで嬉しいわけよ。


 だってなんでか知んないけど、そのエリアには絶対に魔物が近寄らないし、食料になる植物が豊富に育っていたり、湧水がたまって川になっていたりするんだよね。


 まさに天国。


 一つ問題があるとするなら、そのエリアから出たくなくなるってことかな。

 だってそんな天国エリアにはめったに出会えないからね。


 この旅の問題は安眠できないってこと。

 魔物はエリアに生息しているからさぁ、寝る時は通路で寝てんのよ。


 でも、たまにエサを求めてなのか、エリアを侵略しようとしてなのかはわからないけど、通路も魔物が通ることも結構あるわけ。


 その度にスマコから叩き起こされるからねぇ。


 もう少し起こし方も考えてくれたらいいのにさぁ、いきなり転身機で電気ショックはなくない?


 咄嗟に変な声が出てもしょうがないと思う。

 私的には最悪の起こし方だと思うんだな。

 下手したらこの小さな心臓止まるよ?


《最愛なる我主。あなた様は普通の起こし方では起きません》


 いやいやスマコさんや。

 主に対してひどい言いぐさではないかね?

 ただ、ほぉ~んのちょっとだけ寝起きが悪いだけじゃんよ。

 いくらなんでも普通の起こし方で起きるよ、大袈裟な。


《……》


 無視かよ!


 まぁいいや。


 あのクズ神との出会いから3カ月くらいたったのかな?


 まぁあのチャタテムシとの激闘以来、命をかけての戦いはやっていない。

 でもなにがあるかわかならないから修行はずっと続けている。


 あの時最後に使った身代わりの術。

 あれは七つ道具の桜飾を使った忍術だ。


 桜飾で作り出した桜の花びらは自由に動かすことも色を変えることもできるんだけど、それで自分の身代わりを作ることができるとわかったの。


 最近では私の形を模った状態で、同じ人間のように動かす訓練をやっている。


 それが、『忍法、分身の術』


 実はこれ、昔から憧れだったのよ。

 現実では絶対に無理だったからね。


 忍者のアニメとかさ、当たり前みたいに分身とか身代わりとかやっちゃうじゃん?

 本物のこっちからしたらふざけんなって話よ、マジで。


 だからなのか、昔からすご――く憧れがある。


 あのチャタテムシとの激闘の時はぶっつけ本番だったけど、あの極限状態で身代わりの術が成功したのはよかったな。


 今やってる修行では、常に私の分身を横に立たせて同じ行動をとらせている。

 しかし、自分の姿が目の前にあるって不思議な感覚よね。


 ちょっとスマコ、これ胸が少し小さいんじゃないの?!


《我親愛なる主様、一寸の狂いもなく主様と同じ体形にございます。素敵なお胸です!》


 虚しくなるからそれ以上はやめようか。


 それにしても相変わらず無愛想な顔だわぁ。

 あんまり自分の姿を直視するもんじゃないね。


 昔っから鏡とか写真とか自分が映る物をあんまり見たくなかったのよねぇ。

 自分の嫌な部分しか見えてこないし。


 乙羽はこんな私でもいろいろなところを褒めてくれたっけ。

 全部お世辞だろうけどさ。


 あ、なんか魔物の気配だ。


 通路を通るなんて珍しいね。

 さてさて、どんな魔物?


 あれは……亀かな?


 なんで甲羅にバズーカみたいなのが乗ってるの?

 それからなんか出んの?

 ヤバくね?

 ちょっとカッコいい……。


《アトラス・トータス:アトラス大迷宮内に生息する亀の魔物。背中の甲羅はとても硬く、さまざまな攻撃を防ぐことが可能。また甲羅の大砲からは高出力の火魔法を発射することができる》


 はっ?

 亀から火とか出んの?

 さすがは異世界、わけわからん。


 あ、あいつ気が付いたっぽいなぁ……私の分身体に。


 このまま分身体で闘ってみよ。

 ヤバい、さすがは異世界。


 なんでもありだなぁ。

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