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港町を冒険

「混んでる…」


ちょうどお昼時であることもあり、人気店である"ナラード"はかなり混雑していました。

けれどよく見ていると、入る人も多いですが出てくる人もなかなか多く感じます。このお店は回転率が良いようで、思ったより早く中に入れそうです。私の前に並んでいた人達が続々と食堂に入っていきます。あっという間に私の番になり、感じの良さそうな女の人が対応してくれます。


「いらっしゃいませ!ナラードへようこそ!おひとり様ですね?あちらの席へどうぞ!」


案内された席へ座ってメニューを見ます。港町なだけあり、魚介類のメニューが豊富にあります。マカシャ先生におすすめされた通り、本当に美味しそうです。


「こっちの炙りマグロのサンドイッチも美味しそうだし、サーモンのオリーブオイルサンドイッチも美味しそうだな…ああでも季節のサンマの炭火焼き塩サンドも美味しそう…」


この世界、食べ物の名前も前世とそっくりなので転生者としてはなかなか便利です。ぼろが出ないので。


かなり迷いましたが、店員さんを呼んで炙りマグロのサンドイッチを頼みます。


しばらく周りのお客さんの料理を見て楽しみながら待っていると、想像以上に肉厚で大きなサンドイッチが運ばれてきました。


「お待たせしました!炙りマグロのサンドイッチです!」


「ありがとうございます」


「こちら熱くなっていますのでお気をつけくださいね。失礼致します!」


思っていたより結構分厚くて驚きです。サンドされた具材の間から美味しそうなソースが垂れています。

漂ってくる香ばしい香りに耐えきれず、大口を開けて豪快にかぶりつきました。公爵令嬢であったころは間違いなく怒られるでしょう。

こういう所で自由を感じます。最高です。


かぶりついたと同時に、炙りマグロの旨みとパンに塗られたソースの奥深さが口の中でとろけ、絶妙なハーモニーを醸します。思わず顔がにやけてしまいます。


「美味しい!!」


運ばれてきた時は食べれるか不安なほどボリューミーでしたが、そんなにしつこく無いさっぱりした味だったこともあり、あっという間に食べきってしまいました。

お腹も大満足です。


「ご馳走様でした。」


食べ終わり、レジへ向かいます。


「お客さん、いい食べっぷりでしたね!私どもも何だか幸せな気分になっちゃいました。」


「えっ!」


店員さんに言われ、はっとします。きっと今顔が赤くなっているでしょう。そんなに豪快に食べてしまったのでしょうか。は、恥ずかしい…


さっさとお金を払い、恥ずかしい気持ちになりながら笑顔の店員さんに見送られて食堂を出ました。



食堂を出たあとは港へ向かい、私が乗れそうな船を探します。

この町の海は青く澄んでいて、入道雲が浮かぶ青空と中世ヨーロッパ風の建築物が並んでいる事も相まって、フォトジェニックな風景になっています。私は胸がいっぱいになりながら、ゆったりと桟橋を歩きだしました。


赤、白、黄色。色とりどりの船を目で楽しみます。

帆船や蒸気船、クルーザーや帆に魔法陣が書かれた魔導船まであります。

風魔法の魔法陣が書かれた帆を使った船は魔導船と呼ばれ、風が吹かなくとも前に進むことが可能な優れものです。さらに波による揺れも軽減してくれるので、かなり快適な旅が出来ることでしょう。


この世界は、魔法と理工学を合わせたような魔導工学という分野の研究が盛んで、この魔導船も魔導工学のたまものです。

便利な生活に慣れきった私としては有難い限りです。


少し様子を伺いながら隣国まで乗せてくださる船を見ていきます。いくつか見ていく中で、なかなかお洒落な雰囲気の魔導船を見つけ、作業中のマッチョな船員さんに話しかけました。


「ごめんください、この船はどこが目的地なのでしょうか?」


「おう、こいつは隣国のディードまで行く貿易船だ。お嬢ちゃんもディードに行くのかい?」


「そうです!ぜひ乗せていただきたいのですが、空きはございますか?」


「おうよ!この船はお客も乗せる予定だから大歓迎さ!身分証とお金の方は大丈夫かい?」


金額を聞くと余裕で払える額ですし、身分証もきちんと準備してあります。

少し船内を見させてもらい、この船に乗ることに決めました。決め手は清潔感です。

出航も1週間後だそうなので、マカシャ先生に預けたコウモリの様子もゆっくりと見れそうです。

あの子が回復したらやってみたいこともあったので、今日泊まる宿を探しながら計画を立てることにします。


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