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643・成長と検査

第643話になります。

よろしくお願いします。

 王都から片道1時間、僕らは広大な森林へとやって来た。


 僕らが受注したクエストは、この森林で目撃される『ゴブリン』及び『ホブゴブリン』の駆除クエストだった。


 目標数は30体。


 うん、典型的な初級クエストだね。


(さてっと)


 街道で竜車を降りて、3人で森林へと入った。


 冬の森林は、葉の落ちている木々も多く、枯れ葉や枯れ草などが地面にも広がっていた。


 空気は冷たく、植物の匂いが強い。


 背の高い木々の乱立する世界を、僕ら3人は歩いていった。


 …………。


 僕の装備は『大地の剣』1本と『白銀の手甲』のみだった。


 鎧や旅服など、いつもの防具は、残念ながら大人になった今の体格では装備できなかったんだ。


 手甲だけは、内側の当て布を減らして調整できた。


 キルトさんは、


「ま、ゴブリン相手じゃ。問題なかろう」


 と笑った。


(まぁね) 


 僕自身、そう思う。


 油断しなければ、傷1つなくゴブリン程度は制圧できるはずだ。


 その自信があった。


 もちろん、それは大人の肉体だからではなく、子供の姿であっても同じだよ?


 これでも僕は『銀印の魔狩人』なんだ。


 それに、


「私たちもいますからね」


 と、イルティミナさん。


 現役の『金印の魔狩人』に引退した元『金印の魔狩人』も同伴してくれているんだ。


 こちらは、フル装備。


 ……うん。


(きっとドラゴンが出てきても、この2人なら討伐できちゃうんじゃないかな?)


 僕は、心の中で苦笑した。


 そんな感じで、僕ら3人は広い森林を歩いていく。


 …………。


 やがて、経験豊かな2人の美女によって、ゴブリンの痕跡は発見され、その15分後、僕らは小人鬼たちの群れと遭遇した。



 ◇◇◇◇◇◇◇



 ヒュッ ヒュコン


 僕の振るった『大地の剣』の美しい刃で、ゴブリンたちが次々と斬り倒されていく。


(……凄いな)


 その光景に、自分で驚いた。


 子供の体格ではできなかった戦い方だ。


 ゴブリンの体格は、子供だった頃の僕とほぼ同じぐらいだった。


 奴らの手には錆びた剣や斧などがあって、間合い的には、僕の攻撃を届かせるためには、必然、相手の攻撃も届く位置になるんだ。


 でも、今はそうはならない。


 大人の僕の長くなった手足のおかげで、一方的に先に攻撃できるんだ。


 しかも、


 ヒュコン


 僕の攻撃で、魔物の胴体が袈裟切りに切断された。


 そう、切断だ。


 子供だった非力な僕は、基本的な戦法は『撫でる剣』を用いて相手の太い血管がある場所を狙うのみだった。


 あとは、相手の力を利用したカウンター剣技だ。


 それなのに、


(今の僕は、普通に切断できてしまうぞ?)


 それに驚いた。


 筋力と体重が増えた分、剣の威力も増した。


 そのおかげで、非力だった時には技を使ってしか斬れなかった相手も、ただ剣を振るだけで簡単に切断できてしまうんだ。


 正直、恐ろしいぐらいだ……。


『グギャア!』


 そうしてゴブリンを蹂躙していると、群れを率いるボスらしきホブゴブリンが姿を現した。


 その手には、巨大な金棒があった。


 体格は190センチほどで、僕よりも大きい。


 ブォン


 金棒を回転させて、ホブゴブリンが襲いかかってきた。


 僕は、そちらに剣を構える。


『グギャオ!』


 雄叫びと共に、巨大な金棒が真横から鋭く振り回されてきた。


 ブオッ ガィン


 火花と共に、それを剣で受け止めた。


 …………。


 受け止められてしまった。


(嘘だろ?)


 自分でやっておきながら、信じられない。


 子供の僕だったら、受け流すか回避するしかない。


 もし相手の攻撃を受け止めるなら、それこそ全体重をぶつけるつもりで体当たりするようにしなければならなかった。


 でも今は……。


 軽く足を踏ん張り、上半身の筋力だけで受け止めていた。


 受け止めることが、できてしまった。


 グッ


 更に力を込めれば、相手の金棒を大きく弾き返すこともできた。


『グギッ!?』


 驚くホブゴブリン。


 胴ががら空きだ。


 ヒュコン


 そこに横薙ぎの一閃を喰らわせれば、その胴体は簡単に切断されて、上下に分かれて地面に転がった。


 ……弱い。


 相手の攻撃が弱くなった――そう感じた。


 これが、


(大人になるってことか……)


 僕はそう驚愕した。


 キルトさんの時は、あまりに彼女の攻撃が凄すぎて差異を感じる余裕もなかった。


 でも、ゴブリン、ホブゴブリンと戦って、はっきりわかった。


 僕は強くなった。


 やはり、大人になって強くなっていたんだ。


 …………。


 見れば、僕の戦いを少し離れて見守っていたイルティミナさん、キルトさんも驚いた顔だった。


 キルトさんは、


「これほどか」


 と呟いた。


 イルティミナさんは微笑み、「さすがマールですね」と頷いていた。


 僕も笑った。


(よし)


 クエストの目標数まではもう少しだ――僕は、気合を入れ直す。


 襲ってくる魔物たちを、次々と倒した。


 …………。


 それから、ほんの20分ほどで、僕は36体のゴブリンとホブゴブリンを1人で討伐することに成功したのだった。



 ◇◇◇◇◇◇◇



「大人になるって……凄いね」


 帰りの竜車の中で、僕は呟いた。


 子供だった時に比べて、体力の消耗も少なく、より楽にクエストを達成できたんだ。


 その感動と興奮が、まだ僕の中には残っていた。


 キルトさんは笑った。


「身体能力が増し、体格が大きくなれば、そう感じるであろうの。わらわから見ても、実に見事な剣であったと思うぞ」


 そう評価してくれる。


 僕は頷いた。


 と、そんな僕の髪を、まるで子供にするようにイルティミナさんの白い手が撫でた。


 僕の奥さんは微笑んで、


「ですが、それは貴方の研鑽があったからこそですよ?」


 そう言った。


 僕は、彼女を見つめる。


 彼女は、僕の髪を撫でながら、


「子供の体格であった貴方は、だからこそ必死に剣技を磨いた。その下地があればこそ、今の姿になっても、より大きな力が発揮できているのです」


 そう続けた。


 そっか……。


 もし早くから恵まれた体格だったら、ここまで剣技を磨かなかったかもしれない。


 体格に胡坐をかいて、力任せの剣になっていたのかもしれない。


 その僕の剣技は、決して今の剣技には届かず、こうして大人になった今の僕よりも弱かった可能性もあるんだ。


 そう考えると、


(……今まで、子供の体格でよかったな)


 なんて思ってしまった。


 …………。


 もし元の身体に戻れなかったら、ずっとこのままでもいいかもしれない。


 人間的には、今の方が年齢にあった外見なんだ。


 特に困ることもない。


 むしろ、魔狩人として、剣士として、より強くなったんだ。


 ギュッ


 両の拳を強く握る。


 うん、もしもの時は、ずっと大人のマールでいよう。


 そう決めた。


 その時、ふと視線に気づく。


「…………」


 そんな僕の横顔を、イルティミナさんがジッと見ていた。


 何か言いたそうな顔だ。


(???)


 僕は、彼女を見る。


 僕の奥さんは誤魔化すように微笑んで、「そろそろ王都に着きますね」と話題を変えた。


 イルティミナさん……?


 よくわからずに、僕は首をかしげた。



 ◇◇◇◇◇◇◇



 王都に帰り、冒険者ギルドに戻った。


 魔物の耳を討伐証明として提出して、手続きを済ませると報酬をもらえた。


 クオリナさんは、


「あっという間にクエスト完了させたね、さすがマール君だよ。それに、大人になって頼もしさも増したね?」


 なんて笑っていた。


 そう言ってもらえると嬉しいな。


 もらった報酬は、予定外の収入だったので、3人で外食をすることで使ってしまった。


 お世話になったキルトさんには、もちろんお酒も奢った。


「いやぁ、すまぬな」


 と言いつつ、彼女は嬉しそうだ。


 その様子に、僕とイルティミナさんも、つい顔を見合わせて笑ってしまった。


 レストランの食事は美味しかった。


 大人の身体になって食べる量も増えてしまったけれど、まぁ、ご愛敬だろう。


 やがて食事を終え、外に出たら夜になっていた。


「では、またの」


 キルトさんとは、冒険者ギルドの前で笑顔で別れた。


 手を振って、その姿が建物内に入っていくのを見送ってから、僕ら夫婦も我が家へと歩き出した。


 冬の夜は寒い。


 歩きながら、2人で身を寄せ合う。


 僕の腕に、イルティミナさんが腕を絡めてくれる。


(…………)


 今までは、子供の体格だったからできなかったけど、今はこうしたこともできるんだ。


 それが嬉しかった。


 イルティミナさんも頬を染め、幸せそうに寄り添ってくれている。


 大人の男女。


 今なら誰も、姉弟や母子には間違えないだろう。


 それで、イルティミナさんの優しい心を悲しませることもないはずだ。


 それに安心する。


 吐く息は白く、2人のそれが合わさって、夜空へと昇っていった。


 …………。


 やがて、家に帰り着いた。


 玄関の扉を開く。


 室内に入って照明を点けると、僕はソファーに腰を下ろした。


「ふぅ」


 何だろう?


 久しぶりにクエストをやったからかな、少し身体が重かった。


 妙に疲れた感じだ。


 気づいたイルティミナさんが「マール?」と心配そうに問いかけてきた。


 僕は笑って、


「大丈夫。慣れない身体だから、少し疲れたみたいで」


 と答えた。


 彼女は頷いて、温かな蜂蜜入りの果実水を用意してくれた。


 うん、美味しい。


 そのあとは、2人でお風呂に入って、それから寝室に向かった。


 …………。


 大人になってしまった僕だけど、イルティミナさんは優しく笑って、全てを受け入れてくれた。


 色々な違いに彼女も少し戸惑っていたけどね。


 でも、ちゃんと喜んでもらえたので、僕も満足だ。


 あと、大人の身体は、凄く力がある。


 だから、子供の体格ではできなかったこともできるようになって、色々とがんばってしまった。


 最後は、


「もうそれぐらいで……マール……」


 と、僕の奥さんを降参させてしまった。


 ちょっと反省。


 でも、イルティミナさんは優しく許してくれたからよかった。


 就寝時間になると、そうした色々があったからか、僕はすぐに眠りの世界に落ちてしまった。


 気づいたら、朝だ。


(ん……)


 まだ重い疲れが残っていた。


 子供の時より、体力の回復量が減ったのかな?


 そんなことを思っていると、イルティミナさんも起きて、やがて、2人で朝食を頂いた。


 食後のお茶をしながら、


「今日はソルも戻っているでしょうから、あとで家に行ってみましょうね」

「うん、そうだね」


 なんて会話をした。


 そのあとは食器を洗い、天気が良かったので洗濯物を干したりした。


 それから、外出準備。


(ソルティス、僕の姿にどんな反応をするかな?)


 ちょっと楽しみだ。


 そうして僕らは玄関の鍵をかけ、夫婦でソルティスたちの家へと出かけたんだ。



 ◇◇◇◇◇◇◇



「あら、いらっしゃい」


 ソルティスの家を訪れると、彼女本人が玄関で出迎えてくれた。


 よかった。


 コロンチュードさんの森の家に行っていたと聞いたけど、無事に帰っていたみたいだ。


 いなかったら、出直すところだったよ。


 イルティミナさんも「おはよう、ソル」と微笑む。


 そんな美人の姉に、ソルティスも笑った。


 そして、すぐに隣に立つ僕に気づいた。


「あら……?」


 不思議そうな顔である。


 どこかで見覚えがあるような……でも、誰だか思い出せない、そんな顔だ。


 僕は心の中で苦笑する。


 そして、


「やぁ、ソルティス」


 と片手をあげてみた。


 人見知りのソルティスは、少し戸惑った顔だ。


 と、彼女の後ろの廊下から、癖のある金髪の10歳ぐらいに見える幼女がペタペタと裸足で歩いてきた。


(あ、ポーちゃん)


 僕は彼女を見た。


 彼女の水色の瞳も、僕を見上げた。


 …………。


 ポーちゃんは、僕を真似て片手を軽くあげた。


 そして、言う。


「おはよう、マール。しばらく見ない間に、ずいぶんと見違えていて、ポーは驚いたと白状する」

「…………」


 うわ、すぐに見抜かれた。


 ちなみに『驚いた』と言うけれど、ポーちゃんの無表情に変わりはない。


 代わりに、


「……は?」


 と、ソルティスが口を開いた。


 隣のポーちゃんを見つめ、それから、改めて大人になった僕を凝視した。


 何かに思い当たった顔をする。


 そして、僕を指差して、


「あ……あぁああ!? 嘘でしょ、マールなの!? うわぁ……何、その姿……マールがチビじゃないなんて、あり得ないわぁ」


 なんて首を振った。


 な、なんか失礼だな。


 イルティミナさんは困ったように笑い、「こら、ソル」と驚いている妹をたしなめた。


 …………。


 まぁ、そんな一幕もありながら、僕ら夫婦は彼女たちの家に上がらせてもらったんだ。




 リビングで、ポーちゃんがお茶を淹れてくれる。


 それを飲みながら、僕は、自分が『魔法の指輪』でこうなってしまったこと、それについて調べて欲しいことを伝えた。


 詐欺師を見るような目だったソルティスも、


「ほほう?」


 と、話を聞く内に目を輝かせた。


 魔法に関する話題には、やはり強く好奇心が働くみたいだね。


 そして彼女は、


「いいわ、じゃあ、すぐに調べてあげる」


 と言ってくれた。


 …………。


 それから僕は、イルティミナさんと引き離されて、ソルティスの研究室へと連れて行かれた。


 病院の診察室みたいだ。


 あと、何かの研究資料の紙束や、見たことのない実験器具などが置いてあった。


 ガサゴソ


 彼女は、それを片付けてスペースを作っていた。


 僕は、木製の丸椅子に座って、その作業を見守った。


(…………)


 彼女の背中では、柔らかな癖のある紫色の長い髪が揺れていた。


 その身体は、もう大人の女性だ。


 そりゃそうだ。


 彼女は先月、19歳になった。


 前世の世界で言ったら、女子大生といったところかな?


 僕が出会った13歳の頃の幼さは消えて、今では、立派な淑女レディーとして成長していた。


 …………。


 身長も、子供の体格だった僕より高かった。


 あんなにぺったんこだった胸も、今では服の上からでもわかるぐらいに膨らんでいた。


 お尻だって大きい。


 でも、顔にはあどけなさが残っていて、妙にアンバランスだ。


 可愛い系の女子大生。


 そんなイメージだろうか?


 18歳ぐらいの肉体になって、ようやく僕も彼女の見た目に追いついた感じだ。


 背も、今は彼女より高い。


「…………」


 もしかしたら、並んだらイルティミナさんよりもお似合いだと見えるかもしれない。


 イルティミナさんは、美人だ。


 しかも、大人っぽい。


 18歳の僕でも、見た目の年齢的には、まだ足りない気もするんだ。


 でも、ソルティスなら、それがない。


 ……いやまぁ、ずいぶんと勝手なことを考えているけどね?


 僕は、つい苦笑しちゃった。


「ん、何よ?」


 気づいたソルティスが、こちらを振り返った。


 僕は首を振った。


「ううん、何でもない。ただ……久しぶりにソルティスに会えて嬉しいだけだよ」


 と答えた。


 彼女は沈黙した。


 なぜか頬をほんのり赤くして、唇を尖らせる。


 妙に不機嫌そうだ。


「アンタ、その顔と姿でそういうこと言うんじゃないわよ……人によったら、変な誤解されて、刺されても知らないからね?」


(はい……?)


 変なことを言われて、僕はキョトンとした。


 ソルティスはため息をこぼして、前を向く。


「はぁ、やれやれ。身体は大きくても、中身は子供のままね?」


 なんて呆れた声で言った。


 ……どういうこと?


 訳がわからない僕は、ただ困ったように首をかしげるしかなかった。 




 それから、ソルティスの検査を受けた。


 血液採取、視力検査、身体測定、運動能力検査、他にも全身を針みたいな物で刺されたり、問診を受けたりした。


(うひぃ……大変だ)


 思った以上に本格的だ。


 それから、指輪のチェックもされた。


 構造、材質の確認から、填められた魔法石も電極みたいのを当てて、何かの数値を何回も記録していた。


「…………」


 ソルティスの表情は真剣だ。


 だから、僕も口を挟めない。


 文句も言えない。


 最後は舌の色を見られたり、唾液を採取されたりもした。


 そして、


「マールさ? その姿になって、前にはなかった疲れとか感じてない?」


 なんて聞かれた。


 別にそんなものは……と思って、


(あ)


「そういえば、昨日の夜から疲れが抜けない感じはあるかな?」


 と思い出した。


 僕は「でも、大した疲れじゃないよ」と付け加えた。


 だけど、ソルティスはそれを聞いて、その姉譲りの美貌を少し険しくしていた。


「そう」


 短い応答。


 その表情と反応に、何だか不安を覚えてしまった。


 …………。


 やがて、検査も終わって、結果が出るまでリビングで待っているように言われた。


 本当、病院みたい。


 リビングに戻ると、イルティミナさんとポーちゃんが談笑をしていた。


 すぐに僕に気づいて、


「お疲れ様でした、マール。いかがでしたか?」


 と、僕の奥さんが微笑んだ。


 その笑顔に安心する。


 僕も笑って、「結果が出るまで、もう少しかかるみたいだよ」と答えた。


 それから、僕もリビングの椅子に座って、2人と他愛もない話を楽しむことにした。


 その間は、妙な疲れも忘れた。


 …………。


 …………。


 …………。


 やがて、30分ほどして、ソルティスもリビングに戻ってきた。


 手には、検査結果が書かれた用紙がある。


 ずいぶんと時間かかったね?


 僕は「どうだった?」と気楽に声をかけようと思った。


 でも、


「…………」


 ソルティスの表情は重苦しさを宿していた。


 思わず、出かかった言葉を喉の奥に飲み込んでしまう。


 イルティミナさんも妹の様子に気づいたようで、「ソル?」と怪訝そうにその名を呼んだ。


 ポーちゃんは沈黙したまま、相棒の少女を見ていた。


 ソルティスは、用紙を見ていた。


 小さく息を吐き、顔をあげる。


 その真紅の瞳が僕らを見て、


「あのね、マール、イルナ姉? 落ち着いて聞いて。……このままの状態だと、マールは、あと10日ぐらいで死んじゃうわ」


 と、告げた。

ご覧いただき、ありがとうございました。


※次回更新は、今週の金曜日を予定しています。どうぞ、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様ですヽ(´▽`)/ 要所要所で垣間見えるイルティミナのもの言いたげな雰囲気が彼女のショタっぷりを醸し出していますね。 なんて業が深いんだ(笑) しかしソルティスのお陰でお子様マ…
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