574・妖精種族の白砦
第574話になります。
よろしくお願いします。
東の空に、早朝の太陽が昇っていく。
その輝きは王都ムーリアを照らしていき、僕らが待ち合わせをしていたシュムリア大聖堂前の広場も照らしていた。
「おはよう、みんな」
僕は、そう朝の挨拶をする。
それを受けたキルトさん、ソルティス、ポーちゃんの3人も、
「おはようじゃ」
「おはようさん、マール」
「おはよう、とポーは告げる」
そう返事をしてくれる。
僕の隣にいたイルティミナさんも「おはようございます」と微笑んで、それはいつも通りの日常の風景だった。
――それが、とても大切に思える。
早朝の冷たい空気を胸いっぱいに吸い、青い空を見上げた。
(…………)
今日、僕らは戦争をしているエルフの国に向かうのだ。
「よし、それでは行くぞ」
「うん」
「はい」
「オッケー」
「ポーは了承した」
やはり、いつものようにキルトさんの力強い号令を受けて、僕らは歩きだした。
◇◇◇◇◇◇◇
神聖シュムリア王城を訪れると、一部の関係者以外立ち入り禁止の区画へと案内された。
その先にあったのは、厳重に警備された広間。
その広間には、大きな『転移魔法陣』が描かれていて、そこにはレクリア王女自ら待っていてくれた。
「1時間ほど前に、魔法陣に力が宿りましたわ」
彼女は言った。
それはつまり、エルフの国にいるコロンチュードさんが向こうで新しい『転移魔法陣』を構築してくれたことを意味していた。
僕らは頷いた。
そうして、魔法陣の中に入っていく。
今回、エルフの国に行くのは、僕ら5人だけだ。
大勢のシュムリア王国兵を動員するには、まだ準備が必要だからだ。
それと、救援を求めたとしても、エルフの国はまだ人間に対しての不信は大きく、いきなり軍隊を送るのは、エルフの感情に配慮して控えたという面もある。
まずは、一定の信用を得ている僕らが。
そうして段階を踏んでから、改めてシュムリア王国軍を派兵する予定なのだそうだ。
それと、もう1つ。
向こうは戦場で、けれど、どういう情勢なのか、まるでわかっていない。
実際の戦況はどうか?
獣国アルファンダルの武装は、本当にタナトス魔法武具なのか?
グノーバリス竜国の陰はあるのか?
何より、勝算は?
その辺を確かめるための先遣隊としての役目も、僕らは担っているんだ。
「…………」
怖くないと言ったら嘘になる。
(けど、やらないと)
そうしなければ、エルフたちが、そして魔の暗躍があるならば、もしかしたら世界が滅びてしまうかもしれないんだ。
それは絶対に阻止にしなければならない。
ギュッ
拳を握り、その決意を新たにする。
レクリア王女は凛とした表情で、魔法陣の中にいる僕ら5人を見つめた。
「ご武運を」
ポウッ
その声を合図に、広間の四方にある台座の魔法石に、それぞれの前に立っていた魔法使いたちが魔力を注いだ。
魔法石が光を放つ。
その輝きは転移魔法陣に流れ込み、陣全体が光に包まれていく。
ふと見れば、見送るレクリア王女の手が、何かを耐えるように強く握られているのに気づいた。
(…………)
だから僕は、彼女を安心させようと笑った。
笑って、
「いってきます」
そう伝えたんだ。
レクリア王女は少し驚いた顔をして、けれど、その表情も強い光の中に消えていく。
光は僕の視界全てを包み込んだ。
(っ)
高い所から落下するように、内臓がスッとする感覚が一瞬だけあった。
光が消えていき、やがて視力が戻ってくる。
足元には巨大な『転移魔法陣』がある。けれど、その広間は神聖シュムリア王城の一室ではなく、どこか別の石造りの建物の中だった。
(転移に成功したんだ)
そう気づく。
室内は薄暗く、石壁には天井付近から木の根のようなものが生えているのが見えた。
ギギッ
その時、広間にあった木製の扉が開いた。
光が差し込み、僕らは手でそれを防ぎながら、そちらに視線を送った。
その光の中に、
「……や、来たね。……待ってたよ、マルマルたち」
長い金髪を床に引き摺り、猫背になったハイエルフのお姉さん――コロンチュード・レスタさんが立っていた。
◇◇◇◇◇◇◇
「コロンチュードさん!」
僕は笑いながら、そちらに駆け寄った。
コロンチュードさんは「……どもども」と微笑み、そんな僕の頭をほっそりした手で撫でてくれた。
遅れてキルトさんたちもやって来て、
「状況はどうじゃ?」
銀髪の美女が厳しい声で訊ねた。
コロンチュードさんは頷いて、
「ん……まずはティターニアリス女王にあってあげて。詳しい話は……そのあとにしてあげる」
そう言って、こちらに背を向けた。
そのまま歩きだした背中を、僕らは追いかける。
石造りの広間を出たあと、僕らは長い廊下を歩いていく。天井はとても高くて、酷く頑丈そうだった。
壁には、くり抜かれた窓がある。
ふと、そこを覗いた。
(……わぁ)
そこからは、広い大森林の景色が見渡せた。
遠くには、水色に霞んだ山脈が見え、森林の中を通り抜ける河川や草原も見渡せる。
僕らがいるのは、どこかの山だ。
かなり標高の高い山の中腹ぐらいに、巨大な石造りの建物が建てられていて、そこに僕らは転移してきたみたいだった。
(前に転移した『聖なる森』じゃないんだね)
聞いてはいたけど、その事実を改めて理解した。
歩いている途中で、何人かのエルフさんともすれ違った。
みんな、人間である僕らの姿に驚いた様子で、けれど、コロンチュードさんがいるので軽く頭を下げて通り過ぎていく。
「…………」
皆、怪我をしていた。
薄い金属鎧も身につけていて、臨戦態勢だった。
表情はやつれていて、けれど、目だけはギラギラした怖い輝きを宿していた。
(……これが戦場の兵士なのかな)
そう思えた。
やがて、大きな扉の前に辿り着く。
その扉の前には、1人のエルフさんが立っていて、
(……あ)
その不機嫌そうな顔には見覚えがあった。
「ふんっ。まさか、また貴様らの顔を見ることになるとはな。……穢れた魔の血を頼らねばならぬとは、我らも落ちぶれたものだ」
そう自嘲するのは、アービタニアさん。
魔血廃絶、人間を嫌い鎖国を提唱する保守派エルフの代表、大長老の1人であるアービタニア・ファブロガスさんだったんだ。
かつてを思い出したのか、ソルティスは嫌そうな顔をする。
大人であるキルトさん、イルティミナさんは内心はわからないけれど、表面上は変わらなかった。
ポーちゃんもいつも通りの無表情。
僕は、
「久しぶりです、アービタニアさん」
と笑いかけた。
前に会った時の最後に、彼はエルフの魔血の赤子が生きる道を認めてくれた。ほんの少しでも僕らに対して、心を開いてくれたことを覚えていたからだ。
アービタニアさんは、苦虫を噛んだ顔をする。
「ふんっ。――女王がお待ちだ。行くぞ」
そう言って背を向ける。
何て言うか、素直になれない人なんだろうな……なんて、その背中を温かく見つめてしまったよ。
そんな僕に、
「アンタって、本当にお人好しだわ」
ソルティスが呆れていた。
そうして大長老2人を伴って、僕らは目の前の大きな扉の中へと入っていった。
◇◇◇◇◇◇◇
そこは神殿みたいな空間だった。
獣の頭部をした人のような巨大な像があって、中央には美しい円形の池もあり、その水面は天井付近の窓から差し込む陽光をキラキラと反射していた。
池の中央には、大きな花の蕾がある。
エルフの大長老2人は、その池の前に跪いた。
僕らもそれに倣う。
すると、池にある蕾が緩やかに花弁を広げて、美しく咲き誇った。
その花の中央に、美しい金髪のハイエルフ――エルフ国の女王ティターニアリス様がたおやかに座っていた。
その蒼い瞳が、ゆっくりと開く。
「よく来てくださいました、シュムリアの友人たち。そして、慈悲深く勇敢な神なる子らよ」
その唇が美しい言葉を紡ぐ。
長命なる圧倒的な神秘に触れて、僕らは『ははっ』と平伏する。
1万年以上を生きた生命。
もはや神に等しい信仰を集めるエルフの偉大な女王様だ。
そのティターニアリス様は、静かな吐息をこぼして、
「我らエルフの滅びの危機に際し、こうして来てくださいましたことに深く感謝を。そして、どうかその力をお貸しくださいますよう、伏してお願い申しあげます。我らの希望となって、侵略者共に神なる鉄槌を……」
そう花弁に手をついて、深々と頭を下げてきた。
うわわ……。
偉大なるエルフの女王の嘆願だ。
と、そんな女王を見習ったのか、大長老であるコロンチュードさん、アービタニアさんの2人もこちらを向き、僕らに頭を下げてくる。
(えっ、コロンチュードさんまで!?)
僕は驚愕した。
ソルティスなんて、敬愛するハイエルフさんのその姿に卒倒しそうな様子だった。ポーちゃんが慌てて、その背中を支えている。
キルトさん、イルティミナさんも驚いた顔をしていた。
けれど、すぐにキルトさんが姿勢を正し、
「わらわたちはそのために参りました。シュムリア王国もそのための助力を惜しみませぬ」
と応じる。
ティターニアリス様は「おぉ……」と安心したように声を漏らした。
「力強き言葉に感謝を」
そう微笑む。
キルトさんは顔をあげ、
「そのためにも、まずはこの地の状況をお教えくだされ。こちらの戦力、敵の戦力、その行動など、我らやシュムリア王国が助力をするためにも情報が必要です」
「左様ですね」
ティターニアリス様も頷かれた。
そして彼女は、口を開こうとした。
フラッ
けれど、その途端、その身体が斜めに傾いて、慌てて花弁に手をついてその身体を支えた。
(えっ?)
突然のことに、僕らは驚く。
コロンチュードさん、アービタニアさんが立ち上がり、駆け寄ろうとして、けれど、エルフの女王様は手を挙げてそれを制した。
重そうな吐息。
「申し訳ありません。わたくしも高齢ゆえ、1日の中で長く意識を保てぬのです」
…………。
「非礼をお詫びし、どうかご容赦ください。――コロンチュード、アービタニア、あとのことは2人に任せます。この方々に詳しい事情を伝え、その行動を信じて、その支えとなるのですよ」
「はっ」
「必ずや」
2人の大長老は、すぐに応じた。
ティターニアリス様は、そのまま崩れるように花弁の上に倒れて、その花弁はゆっくりと起き上がり、また元の蕾に戻ってしまった。
唐突のことに、僕らは唖然となっていた。
やがて、コロンチュードさんがこちらを向いて、教えてくれる。
「高齢なティターニアリス様は、元々1日の大半を眠りについている御方だったけれど、先の戦いで多くの力を使った反動で、今は数日の内、ほんの数瞬しか起きていられない」
「…………」
そうだったんだ。
エルフの同胞を救うため、彼女は前線で戦ったと聞いている。
大いなる精霊使い。
その力を使って獣国軍を食い止め、けれど、その代償として今は、こうして激しい消耗の回復途中にいるみたいだった。
アービタニアさんは、心配そうに蕾を見ている。
そちらを一瞥して、
「……行こう。向こうで詳しい説明、するから」
コロンチュードさんはそう促して、僕らはエルフの女王との謁見の間をあとにしたんだ。
◇◇◇◇◇◇◇
あのあと、長い螺旋階段を登って、僕らは石造りの建物の屋上へとやって来た。
ヒュウウ……
強い風が吹く。
平時ならば、風光明媚な景色を楽しめたろう場所で、コロンチュードさんは静かに語りだした。
「まず……『聖なる森』は陥落したよ」
彼女は、淡々と告げた。
そこはエルフの国の中心地。
王樹の城キャロルインと共に、たくさんの大樹と水路に恵まれた美しいエルフの都市だった。
かつて、僕らもそこを訪れた。
でも、そこが陥落した。
あの美しかった都市が戦火に焼かれてしまったのかと思うと、心が苦しかった。
みんなも同じ表情だ。
キルトさんが呟く。
「獣国軍の侵攻は、思った以上の速度だったのじゃな」
「……うん」
コロンチュードさんは認めた。
確かに、開戦の報告を聞いてから、まだ1ヶ月も経っていない。それほど獣国軍の勢いは凄まじかったのだろう。
(エルフ3万に対して獣国軍は20万……だもんね)
兵力差は圧倒的だ。
そう思ったんだけど、
「でも……本来なら、負けるはずのない戦いだったんだけど……ね」
エルフの大長老は、そう呟いた。
え?
みんなが見つめる先で、コロンチュードさんは説明してくれる。
エルフの戦士たちは、皆、精霊使いだ。
そして、僕の精霊さんも同様に『精霊』というのは、人を圧倒するだけの強力な力を秘めている。それこそ、精霊1体で兵士10人以上の働きをするのだ。
更に精霊使いは、複数の精霊を同時召喚もできる。
つまり、エルフ1人で最低でも兵士30人分の戦力となるのだ。
(はぁ!?)
僕らは唖然だ。
「だから、獣国軍の軍勢が100万でも……普通なら、エルフたちは負けない。だからこそ、私たちエルフの国は……独立した鎖国状態を維持できた……」
「…………」
エルフの戦士って、そんなに強いんだ?
(でも……)
「それなら、なぜ負けた?」
キルトさんは問う。
僕らも疑問だった。
皆の視線が集まる中、コロンチュードさんの長い金髪が風になびく。
「……武装」
ポツリと答えた。
武装……つまり、噂のタナトス魔法武具のことか。
「さすがにあれは、反則。……あの剣1本で、それこそ精霊10体を殺せる。……だから、単純に人数差の勝負になって……エルフは負けた」
僕らは何も言えなかった。
タナトス魔法武具。
それは古代タナトス魔法王朝が生み出した、悪魔を、そして魔の眷属を殺すための武具だ。その威力は尋常ではなく、それは所持している僕らが一番知っていた。
カチャ
僕の手は、無意識に腰ベルトに提げた『大地の剣』の柄に触れていた。
僕は聞く。
「本当に……獣国軍で量産されてたんですか?」
「……うん」
コロンチュードさんは頷いた。
実は、イルティミナさんの使う『白翼の槍』も量産品のタナトス魔法武具だった。
けど、それが量産できたのは、神さえ召喚できる古代タナトス魔法王朝の絶頂期、その超技術によってであって、現代の技術ではあり得ないはずなんだ。
現存するのは、遺跡から発見された物だけ。
現在では、製造はおろか、複製、修復も不可能――それがタナトス魔法武具なんだ。
(……それなのに)
伝えられた事実に、僕は唇を噛む。
キルトさん、イルティミナさんも厳しい表情をしていて、魔法に詳しいソルティスも『どうして?』と困惑した顔だった。
「ただね……」
コロンチュードさんは言った。
「本物の魔法武具とは、ちょっと違うみたい……。あとで戦場で回収した実物を見せるけど……調べてみたら、付け入る隙はありそうなんだ……」
付け入る隙?
彼女の瞳には、絶望ではなく強い光があった。
金印の魔学者。
それはシュムリア王国で伝説ともなっている彼女の偉大な称号で、それを思い出した僕の身体はブルっと震えたんだ。
この苦境にあって、彼女は前を向いている。
「そうか」
キルトさんも頷いた。
いつもは反目することも多い2人だけど、今ばかりは彼女のことを信頼しているみたいだった。
それから、コロンチュードさんは戦況についても教えてくれた。
獣国軍の勢いに全てが飲まれる前に、エルフたちは『聖なる森』を放棄して、より防衛に適した場所までの退却を決断した。
その際、獣国軍の足を少しでも遅らせるため、エルフたちはゲリラ戦を展開。国土の大半を占める森に身を隠しながら、必死に足止めを行いながら後退したそうだ。
そうして辿り着いたのが、この山脈の砦だ。
名前は『白輝の砦』。
ここは、
「400年前の神魔戦争の時代……エルフたちが『悪魔』たちと戦うために精霊石で造られた砦、なんだ……」
とのこと。
つまり、それだけ堅牢な砦なんだって。
ここ以上に防御力に優れた砦はなく、ここならば獣国軍にも抗えるだろうと籠城をしているんだ。
でも逆に言えば、ここが最終防衛地点。この『白輝の砦』が落とされたならば、その時は『エルフの国』は滅亡したと同義になるんだ。
(…………)
僕は、自分の足元を見る。
石造りの巨大な建物だ。
この白い石は全て精霊の力によって生み出された特殊な石材で、かなり強固な素材だそうだ。400年前の戦争で多少の損壊はあるけれど、まだまだ健在だ。
長い年月で樹木が砦に生えてしまっているけど、僕にはそこが、
(なんか、エルフの建物らしいよね)
そう思えたよ。
現在はここに『精霊王の御魂石』も運ばれ、2万人を超えるエルフの戦士たちも収容されているそうだ。
2万って、凄いな。
それを収容できるほど、大きい砦なんだ。
感心していると、
「ここに籠城するのは良いとして、水や食料などはどうなっておる?」
とキルトさん。
確かに、籠城戦において大事なのは備蓄だ。
貯えがなければ、あっという間に飢餓と脱水で獣国軍と戦うまでもなく負けてしまうだろう。
ハイエルフのお姉さんは、笑った。
「ふふん、大丈夫。……転移魔法陣で、戦渦に巻き込まれていない土地から……たくさん転移させてるから……例え周囲を完全包囲されても、問題なし」
(おぉ……)
転移魔法って凄い。
この魔法1つで、戦場の在り方も大きく変わってしまいそうだ。
キルトさんも感心した顔だ。
同時に、獣国軍に対してこちらが有利な点もわかった。
転移魔法陣の存在を、向こうが知らないことだ。
シュムリア王国軍が増援に来ることも、こうして補給ができることも、獣国軍はわかっていない――これは、大きなアドバンテージになるはずだ。
とはいえ、
「しかし、籠城しているだけでは勝てはせぬぞ?」
キルトさんは懸念点も指摘した。
それはもっともだ。
だって、籠城っていうのは基本、守りのための戦法なのだ。
結局のところ、攻めなければ勝てはしない。
100万の軍勢に匹敵するエルフ軍がここまで壊走している以上、シュムリア王国軍が参戦したとしてもどこまで戦局をひっくり返せるかわからない。
この不利な戦局で、何か勝ち筋を見つけなければ。
そうした疑念をぶつければ、
「……あるよ、勝ち筋」
優れた頭脳を持ったハイエルフのお姉さんは、そうはっきりと言い切った。
(え、あるの!?)
僕らは驚いた。
いつも眠そうな目。
でも今、その翡翠色の美しい瞳には強い光が宿っていた。
そして、言う。
「獣国軍の強さは、その魔法武具にある。つまり、そこが弱点。――だから私は、その魔法武具を無力化しようと思っているんだよ」
ご覧いただき、ありがとうございました。
※次回更新は、3日後の月曜日を予定しています。どうぞ、よろしくお願いします。