表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

444/825

396・エルフの来客

書籍マール2巻発売記念の毎日更新、本日は7日目です。


第396話になります。

よろしくお願いします。

 僕ら4人は、冒険者ギルドの最上階にあるギルド長室に向かった。


 室前では、受付秘書さんが待機している。


 秘書さんは一礼し、僕らの来訪はすぐに伝えられて、ギルド長室への入室が許可された。


 扉を開け、中へ入る。


(この部屋も久しぶりだなぁ)


 室内を見て、そう思った。


 そこは建物の中なのに、植物が茂った庭園みたいになっているんだ。


 中には川も流れ、その中央に、真っ白な円形の人工島がある。


 その島には、執務机や来客用のソファーなどが置かれていて、そこに、僕らの所属する『月光の風』のギルド長――真っ白い獣人のムンパ・ヴィーナさんがいた。


「いらっしゃい、みんな」


 彼女は立ち上がり、柔らかな微笑みで僕らを出迎えてくれる。


 僕も笑った。


「おはようございます、ムンパさん」


 彼女は、笑みを深くする。


 イルティミナさん、ソルティスも挨拶をして、


「それで、何用じゃ?」


 最後に、ムンパさんと幼馴染であるキルトさんが問いかけた。


 ムンパさんは頷いて、


「朝早くからごめんなさいね。まずは、みんな、こっちへ来てくれる?」


 と、僕らを招いた。


 言われた通り、僕ら4人は、真っ白な人工島へと繋がる橋を渡って、ムンパさんのいる方へと向かった。


(おや?)


 途中で気づいた。


 来客用のソファーに、誰かが座っている。


 僕らよりも、先客がいたみたいだ。


 その人物は立ち上がる。


「皆さん、お久しぶりですね」


 そう告げた人物は、金髪に蒼い瞳をしたエルフの男の人だった。


 あ。


「フォルスさん」


 僕は、その名前を呼んだ。


 彼は、その端正な美貌に穏やかな微笑みを浮かべて、ゆっくりと頷いた。


 彼の名前は、フォルス・ピート。


 ムンパさんと同じように、エルフが大勢所属している冒険者ギルド『草原の歌う耳』のギルド長を務めるエルフさんだった。


 思わぬ人物の出現に、僕らは驚いてしまった。



 ◇◇◇◇◇◇◇



 それから、僕ら4人は、2人のギルド長の対面のソファーに腰を下ろした。


 秘書さんが、飲み物をテーブルに置き、一礼して去っていく。


 パタン


 部屋の扉が閉まって、僕らだけになる。


 一呼吸の間。


 それを見計らってから、ムンパさんは、僕らを見つめて微笑んだ。


 そして、


「実は、今日、キルトちゃんたちを呼んだのは、他でもない、このフォルスさんから相談を受けたからなの」


 と教えてくれた。


(フォルスさんから相談?) 


 僕は、心の中で首をかしげる。


 僕らの視線が集まって、その美しいエルフさんは、かすかに憂いを覗かせる微笑を浮かべた。


 キルトさんは腕組みして、


「その内容は?」


 と問いかけた。


 フォルスさんは、短く息を吐き、


「皆さんにご相談したい内容は、当ギルドに所属しているポー・レスタのことについてです」


(ポー・レスタって……ポーちゃん?)


 僕らは驚いた。


 ポー・レスタとは、『金印の魔学者』コロンチュード・レスタの養子となった『神龍』の幼女だ。


 コロンチュードさんの義娘になったことで、レスタ姓になったんだ。


「ポーが、どうかしたの?」


 ソルティスが珍しく、身を乗り出している。


 世話好きなポーちゃんとソルティスは、実は、意外と仲良しなんだ。


 これまでの冒険でも、一緒にいる機会が多かった。


 普段は人見知りな少女の発言に、フォルスさんは穏やかに微笑みながら、落ち着かせるように片手を上げた。


「悪いたぐいの報せや相談ではありません」


 そう前置きして、


「実は、ポー・レスタの所属ギルドを『草原の歌う耳』から、こちらの『月光の風』に変更できないか……つまり、移籍の相談に参ったのです」


 と言ったんだ。

ご覧いただき、ありがとうございました。



現在、書籍マール2巻、好評発売中です♪

挿絵(By みてみん)

まっちょこ様のたくさんの素敵なイラスト、巻末書き下ろしなど書籍ならではの楽しみもありますので、皆さん、もしよかったら、どうかご購入を検討してやって下さいね♪


すでにご購入して下さった皆さんは、本当にありがとうございます!


まだな方は、この機会にぜひ、『書籍マール』の1、2巻を手に入れてみて下さいね~!



※毎日更新は、明日で最後となります。もしよかったら、次回更新も見てやって下さいね。それ以降は、また週3回更新に戻りますので、どうぞ、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミックファイア様よりコミック1~2巻が発売中です!
i000000

i000000

ご購入して下さった皆さんは、本当にありがとうございます♪

もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひご検討をよろしくお願いします。どうかその手に取って楽しんで下さいね♪

HJノベルス様より小説の書籍1~3巻、発売中です!
i000000

i000000

i000000

こちらも楽しんで頂けたら幸いです♪

『小説家になろう 勝手にランキング』に参加しています。もしよかったら、クリックして下さいね~。
『小説家になろう 勝手にランキング』
― 新着の感想 ―
[良い点] 連日更新ありがとうございます(^_^ゞ ソルティスの相棒のポーちゃん、まさかのギルド移籍! ……何かあったのかと勘繰りたくなりますね(´・ω・`) [気になる点] >「悪い報せの相談ではあ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ