201・旅立ちの船出
第201話になります。
よろしくお願いします。
「シューベルト王は、この先でお待ちになられております」
フェドアニアさんは、そう告げて一礼する。
僕が案内されたのは、神聖シュムリア王城の最上階付近だった。
目の前には、長い廊下がある。
廊下の前には、厳つい鎧を着た騎士さんが2人、門番のように立っていた。
(この人たちも相当な手練れみたいだ)
凄い『圧』を感じる。
3人の大人たちの視線を浴びながら、僕は、大きく深呼吸。
(よし)
覚悟を決めて、廊下の奥へと歩きだした。
◇◇◇◇◇◇◇
廊下の奥にあったのは、立派なバルコニーだった。
王都ムーリアの街が一望できる。
そこに、重厚なマントに煌めく王冠を被った壮年の男性が立っていた。
(シューベルト王)
白金の髪を揺らして、彼の蒼い瞳は、こちらを振り返った。
「来たか」
鋭い眼光。
鍛えられた肉体は、とても50歳の年齢に見合わない。
僕は「はい」と頷いた。
前回にお会いした時は、失望の言葉をぶつけられた。その記憶は今も残っていて、だから少し緊張してしまう。
「…………」
王様は、そんな僕を見つめる。
そして何も言わずに、バルコニーの外へと視線を向けた。
つられて、僕の視線もそちらへ。
ヒュオオ
涼やかな風が吹く。
(わぁ……)
改めて見て、その景色の雄大さに驚いた。
30万の人々が暮らす王都ムーリアの街並みが、余すところなく見渡せる。
大聖堂に女神シュリアン像。
王都の大通り。
あ、あそこにある白い塔みたいな建物は、『冒険者ギルド・月光の風』だ。
ポーちゃんのいた孤児院は、あの辺かな?
ベナス防具店は、あの通りの近く。
イルティミナさんの家は、あっち側の丘にあるんだね。
(いい景色だなぁ)
まるで鳥になったみたいだ。
城壁の向こうには、更に、シュムリアの大地が遥か遠くまで広がっている。
瞳を輝かせる僕に、王様は言った。
「美しい景色だと思うか?」
「はい」
僕は、心の底から頷いた。
「そうか」
王様はそう答えて、
「余にとっては、とても恐ろしい景色に見える」
(え……?)
思わぬ言葉の続きに、思わず、彼を振り返った。
彼は、睨むように外の景色を見つめながら、
「この王都に暮らす30万の国民を、シュムリアの国土に暮らす民たちを、余は守らねばならん。その重責を嫌でも感じさせる」
「…………」
ザッ
シューベルト王は身を翻した。
バルコニーの中央まで移動すると、こちらを振り返った。
「不完全な『神狗』よ、剣を抜け」
(え?)
「余は武人だ。ただ言葉を並べるよりも、剣を交わしながら語る方が性に合っている」
シュラン
そう言いながら、シューベルト王は腰に差していた剣を抜いた。
とても綺麗な剣だ。
装飾も美しく、魔法石も煌めいていることから、多分、あれもタナトス魔法武具だと思った。
(…………)
僕は驚きながら、彼を見つめる。
静かな闘気があるだけで、強い『圧』や殺気は感じられない。
軽い手合わせをしよう……そんな感じだ。
「わかりました」
僕は頷いて、ゆっくりと『妖精の剣』を鞘から抜いた。
◇◇◇◇◇◇◇
キン キィン
お互いに刃を軽く合わせていく。
相手を傷つけるためではなく、ただ自分の意思を伝え、相手のことを理解するために。
(…………)
シューベルト王の剣は、基本に忠実な剣だった。
けれど、その基本の動きが、素晴らしい高みにまで極められている。
質実剛健。
そんなイメージだ。
基本だからこそ予想外の動きはなく、けれど、全く隙もない。
目の前にいる人物は、そういう人なのだと理解した。
……僕の剣からも、シューベルト王は何かを感じてくれているのだろうか?
キィン カィン
「国のために一番大切なものは、何だと思う?」
不意に、彼は言った。
剣を合わせながらの質問に、僕は、すぐに答えられなかった。
「武力だ」
王様は、そう続けた。
「弱き者は、強き者に奪われる。弱き者が大切なものを守るために集まり、約定を交わして形作られたものが国だ」
「…………」
「暴力を振るう悪人を止めるのは、より大きな暴力を振るう善人だ。それが騎士であり、国家だ」
ヒュオッ
(!)
突然、今までと違う鋭い一振りが来た。
ガキィイン
辛うじて、その一撃を受け止める。
鍔迫り合い。
シューベルト王は、ぶつかり合う白刃の向こう側から、僕を見つめている。
「正義も悪も、全ては武力が決める」
「…………」
「己の意思を正義と謳い、それを貫くためには絶対の武力が必要なのだ」
ギギギッ
押し込む力が強い。
紛れもなく、この王様は武人なのだと痛感する。
彼の蒼い瞳が、僕を貫く。
「不完全な神狗、お前は己の正義を貫く武力を持っているのか?」
クンッ
僕は剣を傾け、王の剣の力を斜めに逸らした。
シャリイン
火花を散らして、刃が滑る。
シューベルト王の圧力をいなして、立ち位置を入れ替え、僕は再び正眼に剣を構える。
「わかりません」
そう答えた。
王様もこちらを向き、ゆっくりと剣を構える。
「でも、全力で足掻きます」
タッ
踏み込んで、キルトさんに教わった撫でる剣を繰り出した。
キキンッ
王様は、しっかりと防御する。
「僕には足りないものが多すぎる。でも、だからって、それが諦める理由にはならない」
「…………」
キン キキン
火花が散り、間合いが詰まる。
虚を突くように、僕は『柄打ち』を放った。
ガチッ
あっさり王の剣の柄で受け止められる。
反動で、僕の剣は跳ね上がった。
――それは、上段の構え。
気づいたシューベルト王の表情が変わった。
「僕は、僕の求めるものに手を伸ばし続けます」
「――――」
ヒュコン
素早く回転して身をかわしたシューベルト王。
けれど、
カラン
その頭上にあった王冠が断ち斬られ、数本の白金の髪と共に、バルコニーの床に落ちた。
「…………」
「…………」
2人とも動きを止めていた。
シューベルト王は、大きく息を吐いた。
カシャン
手にしていたタナトスの魔法剣を、鞘の中へとしまう。
「貪欲なる神の狗、か」
そう呟いた。
……あ。
そこで、ようやく我に返った。
(お、王冠を斬っちゃった!)
とんでもないことしてしまったのではないかと、ようやく気づく。
まずい、まずい。
ソルティスの予言通りに、不敬罪で殺されちゃう?
慌てて、『妖精の剣』を鞘にしまった。
「お、王冠を斬って、ごめんなさい!」
ガバッと頭を下げる。
シューベルト王は驚いた顔をした。
それから、
「く……っ」
「?」
「くははははっ!」
突然、大声で笑いだした。
(え?)
「全く、理解しがたい生き物だ」
えっと……?
笑いを収めて、彼は大きく息を吐く。
「人と人を繋ぐ力……か」
「…………」
「確かに今日まで事態を進めるのは、なぜか全て貴様であった」
…………。
「余は30年以上、シュムリアの国を守ってきた。この生き方は、今更、変えられぬ」
彼の蒼い瞳が、僕を見る。
「だが、貴様はそれでいい」
その声は揺るぎない、まさに王の声だ。
「余には理解できぬ力で、余には届かぬ正義を求めていけ」
「…………」
「その結末がどうなるかは、このシューベルト・グレイグ・アド・シュムリアが見届けてやる」
バサッ
驚く僕の前で、王様はその身を翻した。
豪奢なマントがなびく。
「次なる戦いからも、無事、生きて戻れよ、マール」
そう言葉を残して、彼は廊下の奥へと歩いていった。
…………。
胸が熱くなり、心が激しく震えた。
偉大なるシュムリアの王。
去っていくその背中へと、僕は大いなる敬意と感謝を込めて、深く、深く頭を下げた。
◇◇◇◇◇◇◇
翌日、僕らはドル大陸に向かうため、王都ムーリアを出発した。
ドル大陸は、アルバック大陸の西方にある。
そこへ向かうためには、シュムリア王国最南端にある軍港から、船で2ヶ月に及ぶ船旅をする必要があったんだけど、
「うわぁ……凄いや!」
ヒュゴォオオオオッ
その軍港まで、僕らは今、空の旅をしていた。
「ふはは、楽しいっすか、神狗殿?」
「うん!」
愉快そうなアミューケルさんに、僕は大きく頷く。
だって今、僕は『竜』に乗っていた!
そう、目的地の軍港まで、なんと『シュムリア竜騎隊』が僕らを運んでくれることになったんだ。
グォオオン
『竜騎士』の喜びが伝わったのか、『竜』が吠える。
乗っているのは、体長10メードはある紅い竜だ。
翼を入れたら、20メードはある。
額から長い角が生えていて、頭部にしつらえられた鞍に、ゴーグル付きの兜を被ったアミューケルさんが座って、手綱を握っていた。
背中には、即席の座席が固定されている。
僕とイルティミナさん、ソルティスの3人は、そこに座っていた。
ヒュオオオ……
下方にある白い雲の隙間からは、シュムリアの大地が見えている。
同じ空中、300メードほど離れた空には、こちらの竜より一回り大きなレイドルさんの竜も飛んでいた。
その背中には、キルトさん、コロンチュードさん、ポーちゃんの3人がいる。
(はぁぁ、格好いいなぁ)
僕は手を伸ばして、竜の鱗に触れる。
火を吐く生物だからかな?
1枚1枚が手のひらサイズの紅い鱗は、火傷しそうなほどに熱い。
そして、その下にある凝縮した筋肉の圧力を感じる。
(う~ん、凄いや)
また竜の全身の鱗には、たくさんの大小の傷が白く残っていた。
『シュムリア竜騎隊の竜』として、多くの戦闘任務もこなしてきた証なのだろう。
アミューケルさん曰く、竜騎隊の8頭の『竜』たちは皆、単独で『赤牙竜』を倒せる実力なんだそうだ。
(それって、とんでもない強さだよね)
数トンもある巨体。
圧倒的な生命力。
単体では、生態系の頂点に位置する強さの究極生物。
(――それが『竜』だ!)
目を輝かせる僕に、ソルティスは呆れたように言う。
「……アンタ、よく平気ね?」
「え?」
「こんな竜のそばにいてさ……。逃げ場もない空なのに、怖くないの?」
……と言われても。
「この竜、味方でしょ?」
僕の答えに、ソルティスは言葉に詰まった。
代わりに姉のイルティミナさんが、
「私たちは『魔狩人』ですからね。経験上どうしても、ここまで無防備に竜に近づくことを、不安に感じてしまうのですよ」
と、複雑そうに教えてくれた。
(そうなんだ?)
「僕にとっては、こんな竜の近くにいられて幸せなんだけどね」
「…………」
「…………」
姉妹は、微妙な顔をする。
「……まぁ、マールは男の子ですからね」
イルティミナさんは、そう困ったように笑った。
「あはは、神狗殿はわかってるっすね!」
逆に、アミューケルさんは嬉しそうに声を弾ませる。
グォオオン
竜も呼応するように吠えた。
まぁ、前に黒い飛竜と戦ったこともあるから、僕も竜の怖さは知っている。
(でもだからこそ、竜が味方であることの頼もしさも、心の底から感じるんだけどなぁ)
少なくとも僕は、そう思うんだ。
そんな僕に、アミューケルさんは笑って、
「自分、神狗殿のこと気に入ったっすよ。ちょっとサービスするっす!」
グイッ
と、手綱を引いた。
(え……?)
途端、巨大な紅い竜は、後方宙返りを敢行した。
(お、おぉおお!?)
「くっ」
「きゃあああっ!?」
イルティミナさんが歯を食い縛り、ソルティスが悲鳴をあげる。
でも僕は、
「あははははは!」
思わず、楽しくて笑ってしまった。
(まるでジェットコースターだ!)
数トンはある竜が身軽に動くこと、その能力の高さにも感動してしまった。
アミューケルさんも満足そうに笑って、
『馬鹿もん!』
「ひっ!?」
(わっ?)
突然、アミューケルさんの兜から、レイドルさんの怒声が響いた。
『命綱をしているとはいえ、万が一、落下をさせたらどうする!? 調子に乗るな、アミューケル!』
「す、すみませんっす、隊長!」
どうやら兜に通信機があるみたいだ。
(そういえば、『天声器』っていう音声通信クリスタルがあったね)
その小型版が埋め込まれているのかな?
叱られたアミューケルさんは、しょんぼりしている。
僕は、こっそり声をかけた。
「ごめんなさい、でも楽しかったです。ありがとう、アミューケルさん」
「神狗殿……」
アミューケルさんは驚いた顔だ。
すぐに照れたように、
「うっす。ありがとうっす……マール殿」
と笑ってくれた。
◇◇◇◇◇◇◇
その日の夕方、僕らは、目的地の軍港へと到着した。
(わぁ、海だ)
目に映るのは、夕日に輝く大海原。
眼下には、倉庫のような建物と砦があり、海に面した部分には港が造られていて、そこには大小の船が停泊していた。
「着陸するっす。衝撃に備えて」
アミューケルさんの警告。
僕らは、座席の手すりにしっかりと掴まった。
バサッ バサッ ズズゥン
翼を羽ばたかせ、そして2頭の竜は、敷地内の『飛竜』のマークが描かれた広場へと着地する。
結構、強い衝撃。
(ふぅ……)
警告してもらって、良かった。
そして、座席から地面に降りると、
「……あぁ~、落ちる心配のない地面って、安心するわ~」
ソルティスは、安心したように息を吐く。
イルティミナさんも、何度か確かめるように地面を踏みしめていた。
あはは……。
苦笑した僕は、ここまでがんばってくれた『紅竜』の方を振り返る。
アミューケルさんは労うように、その首を軽く叩いている。
その横に僕は近づいて、
「竜さん、ありがとう」
そうお礼を言った。
アミューケルさんはちょっと驚いた顔をする。
もちろん紅い竜は何も言わないで、ただ澄んだ青い瞳で僕を見返しているだけだった。
やがて、軍港の騎士さんたちがやって来て、竜の背中に積まれていた僕らの荷物を、乗船予定の船へと運んでいってくれた。
「世話になったの」
キルトさんが、レイドルさんと握手を交わす。
「君たちの武運を願っているよ、キルト・アマンデス」
彼は、真っ直ぐに『金印の魔狩人』の顔を見つめながら、そう言った。
キルトさんは頷く。
「マール君たちも、どうか無事で」
「うん」
「はい」
「……どうも」
「……ん」
「…………」
竜騎隊の隊長さんは、僕や姉妹、コロンチュードさん、ポーちゃんとも握手を交わした。
と、彼の後ろにいた竜騎士の少女が、
「生きて帰ったら、自分の竜を、もっと近くでマール殿に見せてやるっすよ」
頬を指でかきながら、そう言った。
(え、いいの!?)
アミューケルさんなりの激励なんだろうけど、僕は嬉しくて仕方がない。
喜ぶ僕の姿に、キルトさんとレイドルさんは穏やかに笑った。
ソルティスは呆れ、コロンチュードさんとポーちゃんは、特に興味なさそうな顔のまま。
そしてイルティミナさんは、
「…………」
なんだか疑うように、アミューケルさんの横顔を睨んでいたけれど。
◇◇◇◇◇◇◇
2頭の『竜』が、夕暮れの空へと舞い上がっていく。
「さようならぁ!」
ブンブン
小さくなる影に、僕は、精一杯大きく手を振った。
他のみんなも手を振る。
遠ざかる竜の頭部に座る2人の『竜騎士』も、こちらに手を振り返した。
グォオオン
竜の咆哮。
そして2頭の竜は、僕らの頭上を1周すると、王都のある北方の空へと飛び去っていった。
(速いなぁ)
その姿は小さな点になり、あっという間に見えなくなった。
本当に、凄い飛行能力だ。
「……竜のいない彼女に勝っても、本心から誇れることではありませんでしたね」
ふと、隣のイルティミナさんが呟いた。
思わず、その横顔を見上げる。
…………。
間近に『竜の力』を感じて、彼女の中でアミューケルさんに対する評価に変化があったのかもしれない。
シュムリア竜騎隊。
その竜騎士と竜。
(またシュムリアに帰ってきたら、色々と話したいな)
僕はそう思った。
僕らはしばらくの間、美しく強大な2頭の竜が消えた赤い夕焼け空を見つめていた。
やがて、
「――では、行くかの」
(うん)
キルトさんの声で、僕らは動きだす。
軍港の騎士さんに案内されて、乗船予定の船があるという港の方へと歩きだした。
ミャア ミャア
猫のような海鳥の鳴き声が聞こえる。
海風に乗って、潮の匂いもする。
やがて、潮騒のする港に到着すると、目の前には巨大な船が停泊していた。
(うわぁ……)
思わず、呆けた。
船の全長は、250メードほど。
正面と側面に、大砲が積まれた正真正銘の軍船だった。
(こ、これに乗船するの?)
他のみんなも、僕と同じ顔だ。
「……でっかいお船、だね」
「…………」
コロンチュードさんが呟き、ポーちゃんはぼんやりと目の前の船を眺めて、コクッと頷く。
「陛下め、本気になられたの」
キルトさんが感じ入ったように笑みをこぼす。
(?)
見返す僕らに、
「これはシュムリア王家の所有する『王船』じゃ。レクリア王女の一存だけでは動かせぬ」
と教えてくれた。
(……そうなんだ)
昨日の王様の姿を思い出して、僕は、胸が熱くなってしまったよ。
「さぁ、乗るぞ」
「うん」
僕らは、大きく頷いた。
港の桟橋と軍船の間には、長い階段が設置されていた。
僕らは、その階段に足をかける。
カン カン
一段一段、長い階段を上っていく。
(…………)
これから始まる2ヶ月の船旅。
目的地は、ドル大陸のヴェガ国。
その異国の地で、僕らは復活しそうな悪魔と戦うことになる。
……『闇の子』と共闘して。
カツン
僕の足が止まった。
思わず、夕暮れに染まった赤い空を見上げる。
ヒュオオオ
海風が、僕の髪をもてあそぶ。
「マール?」
後ろに続いていたイルティミナさんが、声をかけてきた。
心配そうな視線。
「……ううん」
どう応えていいかわからなくて、僕は、ゆっくり首を横に振った。
その背中に、白い手が触れる。
「――大丈夫。貴方のことは、私が必ず守りますよ」
落ち着いた優しい声。
触れられた背中の部分は、とても熱い。
…………。
「うん」
僕は笑った。
イルティミナさんも優しく微笑んだ。
そうして僕らは、再び長い階段を上り始め、この大きな『王船』へと乗船する。
ザザァア
やがて、船は白い波飛沫をあげて動きだす。
目指すのは、ドル大陸。
まだ見ぬ新しい大陸に向かって、僕らを乗せた大きな船は、茜色に輝く大海原を進んでいった――。
ご覧いただき、ありがとうございました。
突然ですが、皆さんにご報告です。
実は、今話更新前にHJネット小説大賞2019の二次選考の通過を確認しました!
皆さん、ありがとうございます!
まだ最終選考はありますが、本当に嬉しくて、皆さんにお伝えしておきたかったんです。ここまでこの作品を読んでくれて、本当に感謝しています。皆さん、本当にありがとうございました!
そして本編に関しては、次回から『ドル大陸』へと冒険の舞台が移ります。
もしよかったら、どうか、これからのマールたちの冒険も見守ってやって下さいね!
なお次回の更新は、明後日の金曜日0時以降を予定しています。どうぞ、よろしくお願いします。




