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逃亡騎士と孤独な姫  作者: 結音
2/6

逃亡騎士

前書きって何を書いたらいいか迷うんですよね〜

 この噺を聞いたのはいつだっけ。確か婆ちゃんが生きていた頃のはずだ。

「いつまでぼーっとしてる気だ!これからの事について話そうって言ったのは隊長だろーが!」

 そう言って俺の頭を叩いて来たのは副隊長のザントだ。

「そう大きな声を出すな。で、これからの事とは具体的にどんな事だろうか。」

 参謀のクロウが話を進めるよう言ってきた。

「わりぃわりぃ。これからどこに逃げるかについて話そうかと思うんだ。」

  そう、今俺達は逃亡中なのだ。


 以前俺達が住んでいた街の領主がとんでもなくあくどいやつで大量の税を徴収したり、自分の気に入っている奴の犯罪を見逃すなどしていた。公爵に直訴しに行こうにも公爵は領主の叔父なので黙認される。では王都に密告しようとなったが王都に行くには公爵領を通らなければならないからすぐ捕まってしまう。領主暗殺を企てた奴らもいたが領主の側に付いてるやつらに殺されてしまった。そいつらの首は見せしめに広場に置かれた。それを境に反領主派の殆どの貴族や官僚が領主に従い始めた。それからというもの以前よりも治安が悪化し平民は住みにくくなった。俺達は領軍第8小隊に所属する騎士だった。俺達の小隊だけは皆平民の出で他の隊の貴族の子弟連中を見てきたがそいつらは酒場でタダ酒を飲んだり金品を強奪したりなど好き放題してやがった。見るに耐えず団長や領主に直訴したが無駄だった。

 そんな事から俺達はあの街から逃げる事を決めた。本当は平民全員を連れて逃げたいがそれなりに大きな街だから平民の数は多かった。全員となると俺達だけで守りきることも逃げ切る事も難しいと思い俺達の親しい奴らだけ連れて逃げる事になった。

 街から出るのは簡単だった。なぜなら本来門番や街の巡回は他の隊と一緒にするのだがあいつらはそれを俺達に押し付けていたからだ。

  街を出てから今日で五日目だ。今の所追手は来ていない。だが油断は出来ない。俺達が密告すると考え追手を放っているはずだ。だから一刻も早く少しでも遠くに逃げたい。だが、俺達だけでなく長時間の移動に慣れていない奴らも一緒だからそう遠くにも行けない。そして、一番の問題がどこに逃げるか決めていない事だ。


 皆で地図を見ながら話を進める。

「このまま進めば山脈を越えなくてはならなくなる。俺達はどうにかなるとして他の奴らには無理だろう。」

 クロウが今俺達が進んでいるルートを指す。この山脈はとても険しく、登山が生き甲斐で、全ての山に登ってやる!!と豪語する奴らですら忌避する程だ。しかもこの山脈は国の南から西にかけてそびえている。俺達の街は国の最南に位置しており俺達は南に向かって逃げていた。西に逃げても南に逃げても山脈を越えられず追いつかれ、北に逃げれば公爵領を通る事になり捕まるだろう。東には山脈はないが呪われた未開の森があるから誰も近づこうとしない。・・・・まてよ、誰も近づこうとしないってことは追手も近づかないんじゃないか?

「なあ、いっその事東に逃げないか?」

「「はぁ!?」」

 やっぱ驚くよなぁ。

「お前忘れたのか!?東は呪われた森があるんだぞ!?」

「だから東に行くんだよ。」

「・・・なるほど。そういう事か。」

「何がだよ!?俺にも分かるように説明しろ!!」

 ザントだけ分かっていない。

「東の森はザントの言う通り呪われた森と言われ誰も近づこうとしない。と、言うことは追手も俺達が東の森に近づく訳が無いと考える。つまり東の森に逃げれば逃げ切れる可能性が高いという事だ。」

 流石クロウだ。俺の考えを分かってくれている。

「そういう事か!だけど他の奴らは賛成してくれんのか?」

「さあな。だから賛成してくれるように説得するしかないだろ?・・・って事で、クロウ頼んだぞ!」

「結局俺か。まあ、いいだろう。説得する為の説明は俺が担当しよう。だが説得はレオン、お前がやれ。」

「わかった。」


 こうして俺達は東に逃げる事に決まった。皆を説得するのは大変だったが最後は皆あのクソ領主に捕まるよりはマシだと賛成してくれた。


誤字、脱字、これおかしくない?、などありましたら是非教えて下さい!

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