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飲み屋と情報屋

「やっほー、ミミさん!」

賑わう飲み屋のカウンターに声をかける。

「お、来たなお子様!」

「お酒は飲まないからいいじゃんw」

店主のミミさんがいつもの明るい声で対応してくれる。

「まぁね。…お仕事?」

「そんな感じ。あの人たち居る?」

「いつもの奥の席。人払いはしておくよ。」

「いつもありがとう。助かる。」

小声で会話を交わし、奥へと向う。

そこには二人組の男女が座っていた。

「どもー、お仕事お願いしていいですかー」

「は、はいぃ!!」

声をかけると、女の人が異常なくらい驚いた声を上げる。

「いい加減慣れろよ、ザキタ…」

「ザキタ、最高www」

「わ、笑いすぎですよ、シグレさんっ」

別に彼女達とは初対面ではないけど、ザキタは毎度この反応をする。

それが可笑しくて、つい笑ってしまう。

「はぁー、笑った笑った。」

「つ、次は…驚かないです…」

「毎回それ言ってるよね?」

「はひぃ…」

二人のやり取りは、また俺の笑いのツボを突いてくる。

が、それをこらえ本題に入る。

「サク、仕事頼んでも大丈夫?」

「まぁ、報酬とモノによる。」

サクとザキタ、二人は所謂情報屋という情報提供を生業とした人達。

「…この人のこと、調べて欲しい。」

そう言って、少し前にもらった写真を渡す。

「…調べるも何も、この人今お前が戦ってるとこのトップじゃん。」

「まぁね。調べて欲しいのは、この人のこと生活パターンとか護衛の数とか、なんだけど。」

少し悩むそぶりをして、サクは分かった、と頷いた。

「報酬、いつもより弾んでおけよ。」

「おっす」

「…この人が、シグレさんの次のターゲット、ですか…?」

ずっと静かに俺たちのやり取りを聞いていたザキタが口を開く。

「そうだけど?」

二人は俺の仕事を知っているから、特に気にせず答える。

「いつも一人でやるんですか?」

「まぁね、他にやる人いないから。」

「シグレさん、まだ若い…ですよね?」

「どうしたの、ザキタw

今日は質問多いね。」

いつも…とはいえ、まだ数回の対面だけど、そんなに質問はしないザキタが次々と質問してくるのが何とも新鮮だった。

「あ、いえ…まだ、ベテランって訳でも無さそうなのに、一人でこんな事大変だろうなって…」

まさか、そんなことを言われるとは思わなかった。

驚きに言葉を失う。

「…あ、す、すいません!余計なお世話ですよね⁈」

「え、あ、いや…大丈夫、慣れてるから。」

何に対する"慣れてる"なのか、

イマイチ自分でもわからなかった。

でも、そう答えるしか無い気がした。

「じゃ、何か分かったら教えて。」

「おー、任せろ。」

「が、頑張ってくださいね!」

ありがとー、と手を振りミミさんにもお礼を言って店を出る。

この後は戦場に向かって、味方の援護。

それからターゲットを自分でも確認しに行かなくちゃいけない。

やることは山ほどある。

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