寝るタイミング逃した
僕はまた、「やっちまった…」とうつむいた。
僕が今口にした事は、嘘ではないので変な弁解をしないで、ずっとうつむいたままでいた。うつむいていると、いずれバスが来て少女がそのバスに乗り、この恥ずかしさがましになると思ったからである。
しかし、少女はすぐに口を開いた。
「友達からなら。」少女はなぜか言い慣れたような口調で少女漫画やドラマのようなセリフを口にした。
続けて少女は「名前は、なんて言うんですか?年は?」と手慣れた様子で聞いてきた。
少女の気さくな雰囲気に、僕は驚いてとっさに「高橋です。」と言ってしまった。
ちなみに、僕の名字は高橋ではない。
「高橋さん?高橋くん?」と少女が聞いてきた。どうやら「さん」と呼ぶ方がいいのか「くん」と呼ぶ方がいいのかの質問らしい。
なんとなく「くん」というのに憧れがあった僕は、少し照れながら、「くんで…」と返した。
「じゃあ、高橋くんで!わたしは、にのこ。
にのでよろしくです。」
「にの…ちゃん…。わかった。」女の子の名前を呼ぶなんて何年かぶりである。
その後、その「にのちゃん」という少女とはバスが来るまでの間話していたのだが、失礼な事に彼女は僕の一つしたの大学一年生であった。
失礼だろうなと思いつつも「高校一年生ぐらいかと思ってた。」と言ったところ、にのちゃんは笑いながら「ひどーい。」と言いながら頬を膨らましていた。
お互い心を開くのにそんなに時間はかからなかった。
その間、高橋からのメールが常に受信され続けていた。




