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反乱開始

始まりは突然であった。

突如として各地のマップでモンスターが狂暴化。

見境なく人を、町を襲い始めた。

とりわけ現在プレイヤーの最高到達点である第4の町への攻撃は激しく、

攻略最前線のプレイヤーたちも苦戦する中、奴は周囲を血の海にして現れた。


後に魔王の単独反乱(ソロクーデター)として語り継がれるプレイヤーイベントはこうして始まった。




「魔王になったって聞いたときはどういうことかと思ったけどこういうことかぁ」

「わあ地獄絵図」

「後で謝罪に回ったほうがいいかな?あれ生み出したの私にも責任あるし…あ、お兄さんもしよければあれ一緒に倒しに行きません?」


見たこともない黒色の武器を振り回しながらプレイヤーを蹴散らす悪魔のように変わり果てた友人に三人と助っ人一人は引導を渡すべく動き出した。





__________



「ホームラーン!!!」

三時間ぶり二回目の吹っ飛びを成し遂げた俺はまたも音速を超えて南へ爆進中である。

さて、人里に着いたら早速人狩り行こうと思う。

魔王をやめるだけなら誰かに介錯してもらえばいいが、何もしないで死ぬとデメリットあるし、なによりそれはつまらない。

せっかく愉快な体験ができそうなんだ。

暴れるだけ暴れて死ぬことにする。


まず上空でスキル【色欲:傀儡支配(シタニツケ)】を発動!

このスキルの発動条件は対象を視界に入れていること。

効果は対象のモンスターの傀儡化。

つまり上空からなら世界に効果をばらまける!

このスキルは対象よりレベルが高いほど成功しやすい。

なので北のほうのモンスターはレベル差でレジストされたが、南のほうの今の俺よりだいぶレベルの低いモンスターにはほぼほぼスキルが通った。

さらにスキル【憤怒:怒髪衝天(イカリノママニ)】!

自身の傀儡に状態[狂乱]を付与する。

これでモンスターが各地で強化され狂化し暴れるようになった。

人狩り行ってらっしゃい!

「レベルが上がりました Lv35→Lv36」

お、さっそくレベルが上がった。

傀儡モンスの手柄は俺の手柄になるみたいだ。これは行幸。

着地はド派手に!ザクロ抱えて3!2!1!今!



__________



第四の町と第五の町の間にある見晴らしのいい平原は突如として地獄絵図となった。


「うそでしょ普段こいつら襲ってこないじゃん!」

「なんか視界に入った瞬間襲ってきたんだけど!なにこれ?!」

「二体同時はきついって!!デカ牛二体はきついって!!」

「まーって向こうから三体くらい来てるんだけどぉ!!!」


見晴らしの良い場所であるが故、遠くからでもこちらを視認し襲い来るモンスター。

攻略最前線のプレイヤーであってもそう簡単に対処できるものではなかった。


数多のプレイヤーがモンスターと戦う中、それは降ってきた。

衝撃で一つのパーティが消し飛び、赤黒い液体(ザクロの果汁)がまき散らされる中、元凶であろう男が立ち上がる。


「緊急レイド!!魔王降臨!!」


全プレイヤーへと鳴り響くシステム音。

それが開戦の合図となった。



______


「緊急レイド!!魔王降臨!!」


「は?なんだ?魔王?」

「公式の言ってたイベントってこれか!」

「魔王どこだよ」


都合がいい。周りのプレイヤーの困惑的におそらく全員に聞こえているのだろう。

理解しろ!俺が魔王だ!!!

スキル【傲慢:傲岸不遜(ツケアガル)

効果は相対するプレイヤーの数に比例する攻撃の当たり判定の増加!

深めに踏み込み大剣(バナナ)をふりぬく!よっしゃ三キル!


「くらえ魔王!」

「ヒヨッピの敵討ち!」

「死ねぇ!!」


ここでようやくプレイヤーは俺が敵だと理解したらしい。

四方八方から魔法が飛んでくる。が、甘い!

スキル【暴食:鯨飲馬食(クライツクス)

対象は武器、効果は魔法吸収!その場で大きく一回転!魔法を食らいつくしプレイヤーを薙ぎ払う!

あーっはは楽しい!!!おっレベル上がった。


それにしても君たちぃ…俺にばっかかまっててもいいのかな?

(魔王)を見ている隙を狂乱化したモンスターが見逃すはずもなく、多くのプレイヤーがデカ牛の犠牲となっていく。

せっかくだしなんか魔王っぽいこと言っとこ。


「ふははははは!!この程度か雑魚どもめ!!!いいのか?!我を止めぬとこの地は滅ぶぞ!!!」


さあさあどんどん()っていこう!俺は屍の山(キルスコア)が欲しいんだ!




_____





調子乗ってました!最前線プレイヤー舐めてました!!



結構倒したのに数が減らない!怖気づきやしない!

戦い始めてはや一時間。

傀儡モンスターが減ってきた。そのせいで俺にプレイヤーがさらに集中してきた。

そのせいで回復アイテムを使う隙がねぇ!


「「必死懸命(リスキングライフ)!」」


命を代償とし強化された拳の一撃を大剣(バナナ)で防がんとする。

だが一人目の一撃で大剣(バナナ)の防御をこじ開けられ、続く二人目の一撃が胴に撃ち込まれる。

HPがだいぶ持っていかれた!


くっそこいつら死ぬ気で突撃してきやがる!!

っていうか実際死にまくってる!!

リスポーンするからってマジで命投げ捨ててきやがる!!

HPもだいぶ削られてるしこのままじゃじり貧だ!



「いまだ魔法班B、撃てー!」


何よりやばいのは指揮者がいることだ。長身の鎧男…リーダーじゃねぇか!

がうまいことこっちの隙をつくような采配をしてくる!

何がうまいかってリキャストの隙間をついて対処できない攻撃をバンバン飛ばしてきやがる。

やばい!!十人規模の魔法をもろで喰らった!!






なら無理にでも打開する!スキル【嫉妬:宅落失炉(おちぶれて)】!

半径5メートル内のプレイヤーの特定の能力を著しく下げる、今回は物理攻撃力!

これで少しの間近接じゃダメージをほぼ受けない!



「煩わしい」


「魔法班Aうっ…!」


(ネギ)指揮者(リーダー)を黙らせる!どうせすぐ復活するだろうから今のうちに包囲網を打ち破る!

一瞬とはいえ指揮が乱れた!

指揮者なしじゃ人が邪魔で魔法は撃ちにくい!だからこれが使える!

やることはシンプル!生き残ってる牛に王権譲渡(ヒトマカセ)

超強化した牛に俺を空に飛ばすように指示して、

硬化(ハーディング)で代償の能力低下中に死ぬことを防ぐ!


突如突っ込んできた超強い牛にプレイヤーが混乱してる中、牛が俺を空に吹っ飛ばす。

上空へと昇りながら手持ちの回復薬を一気飲み。HP致死圏から回復する。


そして魔王とは関係のない俺のスキル【天割落斬(スカイバスター)

高所から振り下ろす斬撃に攻撃力の補正がかかる。高ければ高いほど攻撃力が高くなる。

牛のおかげで現在上空300メートル強!圧倒的な超火力だぜ!

さらに!地面をたたきつけ衝撃波を発生させるスキル【大地震動(ドラミンググランド)】!

おまけにスキル【傲慢:傲岸不遜(ツケアガル)】で当たり判定を拡大!

全員くたばりやがれ!!






圧倒的な攻撃力の乗った衝撃波が周囲のプレイヤーたちを飲み込んだ。

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