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雨の日の晴  作者: 宿木
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青い朝

今日も晴れ、快晴だ。


雨上がり、晴れが続いている。


また来週、雨が降るらしいけど。


今日は、晴美を迎えにいく。


最近は、早起きを意識しているようで、迎えに行く頻度は少なくなった。


と言っても、週に2、3回は、今日みたいに、坂を登ることになるのだけれど。


ピンポーン


「はーい、あ、雨音ちゃん?」


今日はインターホンから、晴美のお母さんの声がする。


「ごめんねー、晴美ちょっと熱出しちゃって、今日おやすみするわ」


(えっ)


「分かりました。お大事にー」


「ありがとーごめんねー」


今日は一人で登校か。


晴美が部活をやっていた頃は、よくあったから、そこまで寂しくはない…いや、ちょっと寂しい。


それにしてもいい天気だ。


夏に比べて、落ち着いた青が、町を囲っている。


遠くには、薄く浮かぶ山も見える。


(晴美が見たら、どんな事を言うだろう)


今日は、図書室にでも行って、本でも読もうか。


あっ、でも藤田さんと話すことも好きだ。何をして過ごそう…


一人で問いかけては、考える。


答えを出す前に、別の問いかけを自分にしている。


そんなことをしていたら、学校に着いた。


「おはようございます」


「はい、おはよー」


いつもより、静かな朝だ。


私が階段を登る音を、入念に耳が拾っている。


教室が見えてきた。


階段を登った先に見える教室は、まるで山の頂きだ。


「おはようございまーす」


「おう、おはよう」


「おはよー」


私が挨拶をすると、だいたいの人が返してくれる。


(あれ、藤田さんがいない)


いつもなら、すぐに「おはよう」をくれる。


後ろの席が、寂しい。


「おはよーございます」


先生がやってきた。ということは…


鐘が鳴った。ここでの1日が始まる。


「はい席ついてー」


「先生ー藤田さん休みですか?」


「そーなのよー、明良(めい)ちゃん体調不良だって」


まさかこんな事が…私の仲のいい友達が、2人もいないなんて。


やっぱり、今日は図書室で過ごそう。


図書室は、お昼の後にしか開いていない。


それまで、いつもより静かな午前を流した。


「いただきます」


いつもより、味を感じるお弁当。


しかし、足りないものがある。


それはきっと、話し相手なのだろう。


「ごちそうさまでした」


さっそく、図書室へ向かう。


図書室は好きだ。


小学校の頃、司書さんがいた。


私は図書室が好きで、司書さんとは、仲良くしてもらっていた。


その人が、たまに中学校にも来てくれている。


(今日いるといいな…)


ガラガラガラ

………


静かな図書室。


数人が、長いテーブルに向かう椅子に座って、本を読んでいる。


司書さんは…いないみたいだ。


(何を読もう…)


特に読みたいものも見つからない。


(キノコ図鑑…これでいいや)


キノコ図鑑で、時間を潰そう。


席に着くと、扉が開いた。


「あっ、木村さん、ちょっと…」

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