久し降り
うっ!やばい!
スマホを見ると、8時ぴったり。遅刻だ。
急いで下へ降りる。
今まで遅刻したことはない。一気に脳が覚めていくのが分かる。
まずは…制服。着替えながら、歯磨き。
鏡には、制服を来て、乱れた髪をした自分がいる。
アラーム聞こえなかったのかな…ちょっと寝るの遅かったよな…最近は歌の練習もあって……
(…)
私は気がついた。
「ちょっとどーしたのー?」
気がついたともに、動きが止まっていた。
よく見ると、シャツのボタンもかけ間違えているし、靴下の色が別々だ。
「どうしたのそんなに慌てて」
お母さんがやってきた。
「え、今日土曜日だよ」
「そうだよね…今気づいた」
3秒ほど、間が空いた。
「あははは!着替えなーフフフ…」
笑いながらリビングへ戻って行った。
さっきまでの部屋着に着替える。
まだ、温かさが残っている。
サーサー
(あ…)
落ち着いてきて、気がついた。今日は雨だ。
「…おはよう」
「おはよう、土曜日ですよー」
ニヤニヤしている、これは、軽く馬鹿にしてるな。
「10月に入ってすぐ、雨ですねー」
「そうですね、あいにくの天気、あと数日続くようです」
テレビが、そんな事を言っている。
「えー!雨つづくのー」
(やった)
私は昨日買ってもらったメロンパンを朝食にする。
「雨音ー今日どっか行く?雨だけど」
「行きたい!」
「だと思ってた。じゃあそれ食べたら行こうか」
「うん、ありがとう」
雨の中、出かけられることになった。
パンを食べて、身なりを整える。
庭を見るなり、今日の雨は、優しめの雨だ。
優しいが、しっかりと雨粒を感じられる程度の。
「行くよー」
「はーい」
扉を開けると、より一層、雨音が強く感じられる。
そういえば、久しぶりの雨かも。
車に乗り込む、少し、ゆっくりと入った。
エンジンがかかってすぐ、ラジオが始まった。
思えば、これも久しぶりだ。
「どこ行くー?」
「どこでもいいよ」
「うーん、じゃあどうしよっか…」
雨の中、車で移動できるなら、どこだっていい。
「じゃあ服見に行こっかー私欲しいし」
「分かった」
車は道に向かって走り出す。
今耳に入る音、全てがいい音。私の耳が、入る音を全て、もてなしている。
土曜午前、天候も相まって、少し、道が混んでいる。
「ははは、良くないですよー」
「まあ、あの時はね、すみませんって感じで」
車が止まる、すると、それ以外の音が明瞭になる。
いい天気だな…そこまで明るい空じゃなくて、まさに雨という感じ。
次の季節に入ろうとしている、そんなふうに思う。
そうだ、本もみたいな、着いたらお母さんに言ってみよう。
こないだのは案外早く読み終わったし…次はミステリー系がいい。
ミステリーなら、ちょっと前に読んだのが凄かった。
あれは、最後まで読んだから味わえるもの……
―数分後―
「お腹すいたなー着いたらご飯たべようか」
「…雨音?」
「あ、寝てる」
「私も、雨好きなんですよねー今日みたいのは結構いいですね」
「へーそうなんだ」
「なんか、好きなんですよ」
「それでは、ここで一曲、お聴きいただきます。木製メガネさんで、「召し上がれゲテモノ」」




