青の欠片
今日は晴れ。どこか落ち着いた青空。
まもなく10月だ。
「雨音ちゃんおはよー」
「おはよう」
今日も、晴美の家の前で、待っていた。
「そろそろ音楽会だねー雨音ちゃんのクラスはどんな感じ?」
「形にはなってきたかな、まだ歌詞を見たままの人もいるけど」
「すごいねー私のところはまだ半分くらい歌詞みてるよ」
「まぁ、後2週間ぐらいあるし、ちょっとずつだね」
「そうだねー」
「今日はちょっと涼しいねー」
確かに、暑さは残るけど、気持ちがいいかも。
「そうだね、体感暑くないかも」
「でもさー、もう10月になるのに、最近は暑いよねー」
昼間は、時々暑さも感じるぐらいだ。
学校に着いた。
「おはよーございまーす」
「雨音ちゃんおはよー」
「おはよー」
「藤田さんおはよう、今日涼しいね」
「それ朝前田ちゃんも言ってたーでも今日30℃あるよ?」
「え、そんなに?ちょっと涼しいよ?」
今日は涼しいと思っていた。いっても25℃ぐらいでは…
「あるあるらしいよー最近暑すぎて、そこまで低い温度じゃないのに、涼しく感じちゃうんだって」
「えー、涼しく感じてて、そろそろ秋かなって思ってたんだけど」
「雨音ちゃん!」
扉の方から聞こえた。
晴美だ。
「今日30℃ぐらいあるらしいよ!」
「そうみたいだね、今聞いた」
「天気予報が間違ってるよ!涼しいもん!」
「ははは、晴美ちゃん、どこのニュースも30℃って言ってたよ」
「えー」
「藤田さんが、最近が暑すぎて、30℃でも涼しく感じるって言ってたよ」
「あー…納得できなくはないな…」
(あ)
鐘が鳴った
「まぁいいや、じゃあねー」
「うん」
「はい、おはようございまーす」
「今日涼しいねー快適快適」
「ははは」
「え、なになに?」
さっき私が聞いた話を、先生は聞かされていた。
「えー!嘘だ!」と、先生が否定したあとも、晴美と全く同じ言葉で納得させられていた。
お昼になった。
「あっつー」
太陽が、いいポジションを見つけたみたいだ。
暑さを感じるようになった。
日に翻弄されるまま、歌の練習もあり、1日が終わった。
「じゃあねー」
「また明日ー」
「雨音ちゃん!」
「おお、今日は残らないの?」
晴美がこちらへ走ってきた。
「うん、今日は残る人少なかったからやめてきた」
「やっぱ涼しいねー夕方は。昼はほんとにひどかったけど。」
「そうだねまだまだ夏服かな」
やはり、段々と、夏を抜けるのだろう。
暑さに、絶妙な涼しさを混ぜて。
気づけば、この時間の空の色も、変わってきたように思う。
夏の夕方とは違う、どこか落ち着いた青を持つ空。
この青が、もう少し深くなるころ、秋を経て、私の好きな季節がやってくる。
それまで、季節の混ざる、夏の欠片のある今を、楽しんでおこう。




