表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨の日の晴  作者: 宿木
86/124

奥は晴れ

今日も晴れ、青空に、薄い雲を貼った天気。パッと見、快晴だ。


ピンポーン


いつものように、晴美を迎える。


ドタドタドタ


毎朝恒例の音。


私にとっては、もうすっかり朝の音だ。


「ごめんねーおはよう!」


「おはよう、行こうか」


「雨音ちゃん、毎朝ごめんねー、もうちょっと早く起きなさい」


「はーい」


「私は全然大丈夫だよ」


これは、本音。私のルーティンだし、階段の音、目の前の明るい声。


全てが私の朝に明るさを作ってくれる。


「いってきまーす」


「いってきます」


「はーい、気をつけてねー」


「やったー!今日は金曜日だ!アツすぎる」


「暑いよね…」


「違うよ!金曜日が来て嬉しいってこと」


「ああ、そうか、金曜日か」


蝉の声は遠いけど、まだまだ暑い。


明日は土曜日か、昨日の本を読むのに、ちょうどいい。


(あ、チケット)


お母さんは行けないって言ってたし…


「晴美、昨日さ…」


私は簡単に昨日の出来事を話し、チケットを貰ったことを伝えた。


「へー!いいことしたねぇ!」


「それでチケット2枚貰ってさ、どっかで行かない?」


「いいよ!明日にでも」


「じゃあ、明日で」


「はーい」


良かった、チケットの使い道ができて。


しかも晴美と行ける。


その後、いつも通りの1日が進んだ。


今日は金曜日という高揚を傍らに。


「ただいまー」


「おかえりー」


「お母さん、明日、晴美とお風呂行ってくる」


「ああ、チケットの?」


「うん」


「いいじゃん、行ってきなー」


私は残りの金曜日を、昨日買った、「テレビの右角から」という本を読むことに使った。


―翌朝―


私たちは、午前中から行こうと、昨夜、メールを通して決めていた。


「おはようー」


「晴美おはよう」


時間は、10時前。


お風呂屋さんは、早朝から営業しているそうだ。


「ここから近いよね?」


「うん」


「行ったことないなー楽しみ」


いつもの坂から、10分ほど歩くとつく。


「うお、結構大きい」


近づいてみると、意外と大きな建物だ。


チケットを見るには、マンガも置いてあって、マッサージも受けられる。


所謂(いわゆる)、スーパー銭湯だろうか。


「いらっしゃいませー」


「チケットでお願いします」


「かしこまりましたー」


館内着などを持って中に入る。


「先お風呂行こうかー」


「そうだね」


大浴場だ、沢山の洗い場があって、そこらに浸かることのできるお風呂がある。


10時過ぎごろ、思っていたより、人がいる。


晴美は髪も長いし、私より体を洗うのに時間がかかるみたいだ。


(炭酸泉…?)


温度もぬるま湯で、良さそうなので、入ることにする。


(わあ、シュワシュワ)


体に空気がまとわりつくのが分かる。


「ちょっと、そこどいてくれる?」


中年の女性だ。


「え?」


「え?じゃなくて、私の場所だから」


別に、タオルが置いてあったり、目印があったりするわけでもない。


一旦無視することにしたが、そうもいかなそうだ。


「ちょっと早くー」


「えぇ?はい…」


仕方なく、退くことにした。


まるで当たり前かのように要求してくる様に、驚きが隠せない。


「ははは!なんでそんな真ん中いんのー」


晴美がやってきた


「え?変かな」


「いや、真ん中にちょこんっているのかわいいなーって」


釈然としない気持ちだったけど、どうでもよくなった。


「すごー!シュワシュワするー」


「あっち行ってみよ!」


「うん!」


「あっつ!」


温度は43度。確かにちょっと熱い。


私は結構すぐに熱さに慣れた。


「よく入れるねー私はやめとこー」


ちょっとして、お風呂場を後にした。


先に私の髪が乾いたので、脱衣所の外へでる。


すると、目の前を通った、館内の店員さんであることを示す、制服を来た女性と、目があった。


体感、3秒程だろうか、お互い目が離れなかった


「あ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ