季節、乗る
「お願いします」
「はい、お願いします」
今日は晴れ、快晴だ。
始業式の翌日、早速、通常の授業が始まった。
「みなさん、お久しぶりです。二学期一発目、国語ということで。まぁ国語はある程度余裕があるのでゆっくりいきましょうか」
「はい、じゃあ102ページひらいてー」
お昼まで、いつものような授業が続いていった。
目立つことといえば、ほとんどの授業が、「夏休み休めましたか?」が話の掴みだったこと。
(そういえば、どの先生も、どこか行った?とか、遊べた?とか聞かなかったな)
夏休みの娯楽には触れることがなかったようにも思える。たまたまだろうか。
午後は、学年集会らしい、それが終われば、今日は帰ることができる。
「雨音ちゃんご飯たべよ」
「うん」
「いただきます」
「いただきます」
「雨音ちゃん、スイカって食べた?」
「スイカ?食べたよ」
「いいなー私今年まだ食べてないんだースイカがないと私の夏は終われないよー」
こうして、お昼が終わった。
「次集会だから移動してねー」
体育館に向かう。
今回は1つの学年だけ、始業式のときほど、暑くはないだろう。
「起立、礼、お願いします」
ざっと100人ちょっとの挨拶。体育館に響く。
「はい、お願いします、座ってください」
それから、色んな先生からの話があって、最後、学年主任の、増田先生だ。
「みなさん、夏休み、どうでしたか?特に今年は、各自、色々な過ごし方をしたと思います。
その中で、夏休みだけど、休めなかったという人もいるかもしれません。」
「ですが、休みなのに休めなかった自分を責めたり、残念に思うことはありません。
むしろ、休みなのに勉強をしていたり、部活をしていた自分を褒めてあげてください。
立派です。
休めた人は、二学期に向けてしっかり休めた自分を褒めてあげて下さい。
今日来たこと、褒めてください。終わります」
その後、教室に戻った。
「はいお疲れ様でーす帰りましょー」
「起立、さようなら!」
「さようならー」
上手く晴美と合流して、帰ることができた。
「私のクラスの子がさーいつもは元気なのに、なんか今日テンション低かったんたけど、ついさっきいつも通りになってさー、よく分かんないや」
「へーまあ、元気になって良かったんじゃない?」
「そうだねー」
「明日も学校かーちくしょう。なんで31日が月曜日になるかなー」
いつもの坂道だ。
「じゃあねー」
「うん、また明日ー」
汗かいたな…シャワー浴びたい
「ただいまー」
「おかえりー」
お母さんは今日、休みみたいだ。
…♪…♪
「やー、まただー」
「はい、お疲れー」
スマホを片手に、廊下へ行ってしまった。
シャワーを浴びて、さっぱりしよう。
風呂場から出ると、お母さんはパソコンを操作していた。
「今日は休みなのにー」
(あっ)
(休みなのに頑張った自分を褒めてください…)
「お母さん、仕事なの?」
「うーん、ちょっと急ぎでねー」
夕飯前になって、お母さんの作業が終わったみたいだ。
「終わったー」
「お母さん、ご飯と味噌汁は作ったよ」
「え!本当!?ありがとうーじゃあ私はサラダ用意するかなー」
「いただきます」
「いただきまーす」
「今日さ、増田先生が夏休み、休めなくても、頑張った自分を褒めてくださいって言ってた。勉強が大変な人は夏休みどんなだったんだろう」
さりげなく、言ってみる。
直接慰めるとかは、いらないだろうから。
「へー、いい事言うじゃん、大変な人はすごい大変だと思うよ。朝から夜まで塾とか聞くし。」
「ごちそうさまでしたー」
時間は、22時前。
一日のうちの、一息つくことができる時間。
この静かで灯りのある夜が大好きだ。
最近、ミンミン、ガチャガチャというより、リンリンといった、足の高さぐらいにいる虫の声が聞こえるようになった。
まだまだ暑いけれど、時間は進んでいる。1年を走っている。
これから、段々と、季節を見つけては、染み込んでいくのだろう。




