表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨の日の晴  作者: 宿木
82/124

夏を連れて

今日は晴れ、青を見せつけるような空だ。


今日は始業式。もう、私たちの夏は終わった。


快晴の中、二学期が始まる。


気持ちがいいと思う人もいるだろう。


しかし私は、夏の終わりの寂しさと、この暑さでは、気持ちがいいとは思えない。


「雨音ちゃんおはよー」


何日かぶりに、晴美を迎えに行こうと、坂を登っていると、あちらからやってきた。


「おはよう、早いね」


「今日ぐらいはちゃんとしなさいって、起こされたー」


「始業式かー早かったような、長かったような…」


「私は、ちょっと早く感じるかな」


「私もー。あと1週間ぐらい欲しい」


学校が見えてきた。


久しぶりに、多くの人が、この門に吸い込まれていくのを見る。


「おはようございます」


「はーいおはよう」


「晴美、じゃあね」


「うん、後でねー」


教室に入る前から分かるにぎやかさ。


いよいよ、夏が終わった、夏休みが終わったのだと感じる。


「おはようございまーす」


「おはよー」「雨音ちゃんおはよう!」


「雨音ちゃんおはよう、こないだはありがとね」


「ううん、こっちだって、迷子を助けてもらったし」


変に()()()()としていなくて、落ち込んでいる様子もない。


真夏を迎える前に見た藤田さんだ。


「おはようございまーす」


先生がやってきたと同時に、鐘がなり、みんな席に着いた。


「皆さん、お久しぶりでーす。」


(焼けたな)


「皆さん夏休みどうでしたか?やっぱり勉強かな?楽しい思い出を作れていたらいいなと思います。私は、部活の試合があって、結構焼けました」


この後は、始業式で、体育館に集まって、話を聞いて終わりだ。


「はーい移動しましょう」


私は毎度思う。


暑い日も、寒い日も、何故体育館に集まるのか。


教室のテレビに繋いで集会をすることがたまにある。


全部それでいいのに。


空調の行き届きにくい体育館に、何故集まるのか。


案の定、始業式を行っている間は、暑かった。


生徒の使う、小型扇風機の音が目立っていた。


「はい、お疲れ様でしたーこの後配るもの配って解散でーす」


学年主任の、「夏休みはいかがでしたか?」という学年通信やら色々配られた。


「チャイム鳴ったら解散です…どうしよ、何か話そうかな…あーでももう鳴るね。みなさんね、夏休みは終わりましたが、季節的にはまだ夏で、全然暑いですから、ゆっくり慣らしながら頑張りましょう」


キーンコーン


「はい!帰りましょー」


そうか…まだ夏。そうだよなー


「さようなら!」


「はい、さようならー」


「雨音ちゃんまた明日ー」


「うん、またね」


夏休みが終わり、私はもう秋を迎える気でいた。


でも、まだ夏。夏なんだ。


「雨音ちゃん、帰ろー」


「うん」


「うー暑い…まだ夏だねー」


「そうだね」


「9月ってさ、文字で見たらすごい秋って感じじゃない?」


「だよね、私もそう思う」


「だよねー」


「でも中々、9月になったからって、パッと季節が切り替わるわけじゃないんだなーって思った」


「そうなのよ、それが現実」


照りつけるような日差し、鮮やかな青、まだまだ鳴く蝉、少し歩くだけで流れる汗。


感じるものは、いかにも夏だった。


もう少し、夏に付き合うとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ