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雨の日の晴  作者: 宿木
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夏いこう

今日は晴れ、夏の青という感じの快晴。


今日はこの後、晴美が家に来てくれて、お土産を交換する。


ブーブー


スマホの通知だ。


(「雨音ちゃん今家いる?お土産届けようかと思うんだけど」)


宵音ちゃんから、そんなメッセージが来た。


これから晴美が来るし、どうしようか。


ピンポーン


どう返信しようか、どう動こうか、そう考えていると、晴美がやってきた。


「はーい、今行くね」


「おはよう!雨音ちゃん!」


「おはよう、ありがとう来てくれて」


さっそくお土産を交換した。


(…そうだ)


「ねぇ晴美、お昼って食べた?」


「お昼?まだだよ」


「今から食べに行かない?友達のおばあちゃんがやってる喫茶店なんだけど、基本なんでもあるよ」


「わかった、ちょっとお母さんに聞いてくる」


「ありがとう」


(「私が、そっち向かってもいい?もしかしたら、友達と、おばあちゃんのお店行くかも」)


「了解」のスタンプとともに、「10分後ぐらいにいるねー」


と、返信が来た。


「雨音ちゃんお待たせー、お母さんに許可もらったよー」


「ありがとう、じゃあ行こうか」


戸締りをして、昼前の夏下を歩く。


だんだんと、蝉の声が減ってきた。


木の上よりも、地面に転がる姿が目立つ時期。


夏も、暮れ方に入っていることを、感じる。


「お店って近いの?」


「うん、学校の近くだよ」


「へー、何食べようかなー。結構お腹すいたな」


私たちの住む学区から出たのだろう。


雰囲気が変わってきた。


隣接する学区なのに、感じる風が違う。


「ここだよ」


「へー、おしゃれな建物だね」


「いらっしゃいませー、あ!雨音ちゃん!宵音いるよー」


「ありがとうございます」


「雨音ちゃーんこっちー」


私が宵音ちゃんに連れられて来たときと、同じ、窓際の席だ。


「ありがとう来てもらって、お友達…会ったことありますよね?」


「そうですね?」


「え?あるの?」


「うん、委員会が一緒だよね」


「そうですね」


「タメ口で大丈夫だよ、雨音ちゃんの友達だし」


「じゃあ…ありがとう」


どうやら2人は、美化委員で同じだったみたいだ。


数回、話したこともあるらしい。


「晴美ちゃん?これ、お土産どうぞ」


「ありがとう!私も余ってるの持ってきたから」


「ありがとう」


ご飯を頼むことにした。


「お腹すいたなー…え!結構色々あるねぇ!」


「だよね、なんでも作れそう」


「宵音ちゃんは、ご飯たべた?」


「私もまだだから、何か食べようかな」


そばと、ラーメンと、オムライスを頼んだ。


和洋折衷どころじゃない、和と洋、そこに中華も来ている。


「なんて呼んだらいいかな?たしか、神田さんだったよね?」


「呼びやすいのでいいよ」


「じゃあ、宵音ちゃんかなー」


お互いをよく知らなかった、私の友達同士の関わりは、新鮮だ。


この2人は、軽く知り合いだったみたいだけど。


「宵音ちゃんは、スポーツとかやってるの?」


「やってないよ」


「そうなんだ、私は、テニス部なんだー。結構日に焼けてるから、なにかやってるかと思っちゃった」


「ははは、こないだおばあちゃん家行ったとき、ずっと外で遊んでたんだ」


「あーだからか!」


「ホントはね、宵音ちゃんはもっと白いよ」


「へー、冬が楽しみだ」


「ははは、なんだそれ」


「ごめん、トイレ行ってくる」


「はーい」


私は席を外した。


知り合ったばかりだ、2人きりにするのは、気まずいだろう。


早く戻らないと。


私が席に戻ると、もうご飯が来ていた。


「あはは!そうだよねー…ある!」


「かわいら…い…だよねーそこが」


心配無用とは、この事だ。


会話が弾んでいるみたいで、よかった。


「おっ、もうラーメンきてるよー」


「ありがとう」


「美味しいね!おばあちゃん料理上手!」


「ありがとう」


「ははは、ありがとう、名前、なんていうの?」


「晴美です!真野(まの)晴美です!」


晴美の元気でよく通る声。


宵音ちゃんのおばあちゃんにも、届いていたみたいだ。


「ごちそうさまでした!」


「ごちそうさまでした」


私も、食べ終わった


「ごちそうさまでした」


「美味しかったー、量もしっかりあって、最高だね」


「ありがとう、おばあちゃん喜ぶよ」


少し休憩して、帰ることにした。


「じゃあまたね、宵音ちゃん」


「また学校でねー」


「うん、また来てね!」


「おばあちゃんごちそうさまでした!」


「ごちそうさまでした」


「はい、ありがとうねー」


「美味しかったーありがとう連れてきてくれて」


「うん、急だったのに、ありがとね」


今日は晴れ、快晴だ。暑さを助長するような青。


そして、夏が遠ざかるように、小さく聞こえる蝉の声。


季節は、次の準備を始めているようだ。

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