夜の明かりに集まって
ここから一気に、家へと向かっていく。
「あーっ、混んでるなー」
流石に、お盆最終日。混雑を避けることは、出来なかった。
しかし私は、こんなところでも、楽しみを見出している。
夜の高速道路、私はおばあちゃん家に行くと、なんだかんだ、いつもこの時を楽しみにしている。
多分私は、夜景が好きなのだろう。
高速に乗る始めのうちは、道路から離れたところに、夜闇の中明るく光る街並み。
また更に行けば、辺りに建物など無くなり、木々ばかりになる。
明かりと言えば、車のライト、街灯があれば、それぐらいになる。
高速道路に入って間もなく、渋滞にはまった。
「雨音ー、ご飯どうしようか?サービスエリアでもいいし、高速抜けてからでもいいし」
「うーん、次サービスエリア着いてからかな、その時お腹すいてたらそこがいい」
「はーい」
1つ、サービスエリアに着いた。
時間は、19時過ぎ。
「雨音、どうする?」
「あんまお腹すいてない。お母さんは?」
「私もそんなだなー一応おにぎりとか買おうか」
「うん」
トイレを済ませ、車に戻る。
夜のサービスエリア。
私の大好きな雰囲気を出している。
暗闇の中、人々を誘い込むように。
「ひー、この先5キロ渋滞かーこれは、家着く頃には日付変わるかもな…」
「お母さん明日は休み?」
「そうだよー休みにしたんだー。だから全然大丈夫」
おにぎりを食べていると、車は止まった。
辺りには、車ばかり。
背中から赤色のライトを光らせている。
私はこの時間も好きだ。
普段忙しなく走っている高速道路で、車が足を止めている。
そんな不思議な雰囲気の中、夜のラジオを聞く。
これが、たまらない。
昼間とは、少し雰囲気の違ったラジオ。
私はこの夜の味がするラジオが大好きだ。
「私もおにぎりたべよー、雨音おにぎりとって」
「はい」
「ありがとう」
「ラジオネーム、東海三犬さんの、それ、なんで?」
「足立さんこんばんわ。私はよく、スーパーで、お惣菜を買うのですが、1つ許せないというか、単純に、なんで?と思うことがあります。それは、納豆巻です。付属のタレが、何故か納豆巻の下に入れてあって、しかも必ず納豆に密着しています。私はそれが許せません」
「ははは、あるよねーたまに。あれなんでだろうね?
せめて、のり側にというか、僕も納豆巻たまに買うんですけど、ありますね。最後「許せません」って書いてて、怒ってますね。なんで?に怒りが入ってるよね」
車は、少しづつ動く。
1時間近く経っただろうか、少しスムーズに動くようになった。
「♪…に、入りました」
1つ、県境をまたいだようだ。
大きな橋と、川。
もう本当に大好きだ。
橋の上から見える、少し遠くの明かり。
人々の作り出す明かりが、暗闇では、美しく映る。
スムーズになってきた。
ここで、高速に乗るといつも思うのが、「ふき流し」ずっと、飾り気のない鯉のぼりだと思っていた。
「わーっまたこの先渋滞だってー」
(またか…)
車は、私と、お母さんと、誰かの会話を乗せて、列へ入り込む。
時間は、21時前。
また車は、動かなくなった。
「お母さん、風結たちはもう帰れたかな?」
「どーだろうね?私たちと同じぐらい離れてると思うけど」
メールで聞いてみることにする。
(風結、もう帰れた?)
すぐに既読がついた。
(まだー)
「まだ帰れてないんだって」
「ひー大変。多分真鳴斗さんは明日仕事よね?」
「えっそうなの?大変…」
(でももう高速抜けて、今コンビニから帰ってるところ)
「あっでももう帰れるみたい」
「あーそうなんだー良かった」
「次のサービスエリア寄ろうか、ちょっとお土産買いたい」
「いいね」
なかなか進まない。
今回は、町が見える辺りで、人々の明かりを感じる。
(そういえば、あの建物、行きも見たな)
夜の姿にも会うことができる。
見覚えのある景色になると、いよいよ、帰っている実感が増す。
「午後10時をお知らせします」
時間は、22時を迎えた。
この辺りのラジオ番組から、だんだんと夜は濃くなる。




