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雨の日の晴  作者: 宿木
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届く灯り

私たちは、灯凪さんの両親がやっているというお店へ行くことにした。


私たちは、また車に乗り込んだ。


(もしかしたら、灯凪さんいるかもしれない)


灯凪さんが、風結のことを見たらどうだろう。


風結は結構見た目に気を使っていて、おしゃれだ。


お母さんの友達と、私の従兄弟。


少し距離のある関係だ。


この2人が関わることは、そうそうないだろう。


そんな、クロスオーバー的な関わりを見てみたいと思った。


「雨音ちゃん、なんか楽しそうだね」


「え?どうして?」


「なんか、そんな感じする。」


また、顔だろうか。


「あ、雨音、あんたには関係ないかもだけど、今日は灯凪、いないよ」


「えっいないの?」


「うん、今年は旦那さんの方行ってるみたい」


「そうなんだ…」


灯凪さんはいないのか…風結との関わりを見てみたかった。


風結も、私のつけているイヤリングを、綺麗と言っていた。


きっと、灯凪さんは、風結に興味を持ってくれると、勝手ながら、期待している。


「もしかして、雨音ちゃんは、そのひなさんに会いたかったの?」


「うん、ちょっとね」


「また、お店行こうよ」


お母さんがそう言ってくれた。


「うん、ありがとう。灯凪さんが風結に会ったらどうなるんだろうって気になって」


「あーそうね…あーちょっと気になるかも」


おそらく、私の思うことが、伝わったのだろう。


おばあちゃん家から近いし、直接ではないけど、繋がりはある。


いつか好機はおとずれるだろう。


(繋がりがある。と言っても、遠すぎるか)


私の諦めがついた頃、お店についた。


【あきや】という定食屋だ。


お店を見てすぐ、私は昔のことを思い出した。


過去に、このお店に来たことがある。


まだ、小学校に入る前だっただろうか。


灯凪さんに初めて会ったのも、ここだった気がする。


「いらっしゃいませー…あー!咲久ちゃん!?よいさんも!」


おばあちゃんと、歳が近いようにみえる。


エプロンを着ていて、元気一杯という感じ。


「お久しぶりです。すみません、急に沢山なんですけど。大丈夫ですか?」


「大丈夫大丈夫!今誰もいないから!ごめんねー灯凪はいないの。」


「ありがとうございます。そうですよね、急に来たんで大丈夫です。」


「お父さーん!咲久ちゃんたち来てくれたよ!」


「おお!ちょっと待ってな、ここ終わらせたら行くから」


「はーい、もしかして、雨音ちゃん?」


「はい」


「えー!大きくなったねぇ!前来た時は…」


「幼稚園だったかも」


お母さんがそう言った


「あらーじゃあ注文決まったら呼んでね。ご家族も、気軽に呼んでください!」


「ありがとうございます」


なんだか、灯凪さんが明るくて元気なのが、わかる気がする。


「僕スイカ!」


「スイカはデザートでしょー」


子供と大人で、テーブルを分けた。


「みんな食べたいの決まった?」


「うん」


「すみませーん!」


「はーい」


お母さんが、注文を全て伝えた。


「分かりましたーちょっと待っててねー」


「雨音ちゃん、車でも言ってたひなさんってどんな人?」


「髪が長くて、すごくかっこいいよ。アクセサリーのお店してて、私のイヤリングも、灯凪さんが作ったやつだよ」


「へーすごい」


「そうなんだ!私もそのお店行きたいなー」


「私も、灯凪さんと風結を会わせたかったんだけど。今日はいないんだって」


「そんなー」


しばらくして、ご飯を持ってきてくれた。


「お待たせしましたー」


「ありがとうございます」


目の前には蕎麦の定食。


風結はカツ丼。真絃くんは天ぷら定食。


本当に色々ある。


「デザートもあるので良かったら」


「はーい」


「僕はスイカ!」


「分かった分かった」


時間は12時過ぎ。ちょうどお昼だ。


「ごちそうさまでした」


そのうち、みんな食べ終わり、デザートを頼むことにした。


「僕スイカ!」


「真絃はスイカねー他はどうする?」


「俺はいいやーおなかいっぱい。」


「僕もいいや」「私も」


どうやら大人たちはデザートはいらないみたいだ。


結果、私たちだけが、スイカを頼んだ。


「お待たせー」


最初の灯凪さんのお母さんに続いて、男の人が出てきた。


「すみません、さっき挨拶できなくて!久しぶりだなぁ咲久ちゃん。」


「お久しぶりです」


「もう、すっかり大人だなぁしっかりしてるわ」


「ははは」


「もしかして、雨音ちゃんか?」


「はい」


「大きくなったなー、お母さんに似てるから、すぐ分かった!」


私とお母さんが似ている。


自分では中々思わないけれど、たまに似ていると言う人がいる。


スイカも、食べ終わってしまった。


「真絃、おいしかった?」


「うん!」


口周りが、スイカで汚れている。


まだまだ元気な子供が近くにいると、こちらまで元気になれる。


「ごちそうさまでしたーまた来ます」


「ありがとねー灯凪にも来たって言っとく。」


「ありがとうございます。次はいる時に」


「はーい気をつけてねー」


私たちは、灯凪さんの育ったお店を後にした。


「灯凪さん、会ってみたいなー」


「今度こっちに来たら、一緒にお店行こうよ。連れてってあげる」


「え!咲久ちゃん優しい!」


風結が私の町にくる。


そんなことがあったら、どれだけ嬉しいか。


見せたいもの、会わせたい人が、たくさんいる。


車を走らせ、おばあちゃんの家に向かった。

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