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雨の日の晴  作者: 宿木
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夜の残り香

私たちは、台所へ向かった。


「おばあちゃん、私たちも洗い物する!」


「えー?いいよー今日は疲れたでしょ?ゆっくりしてなー」


でも、洗い物はまだまだある。


「じゃあ、スイカ切ってくれる?後3玉ぐらいあって、お風呂上がりのみんなの分、用意してくれる?」


「分かった!」「分かった」


スイカを、まな板に置くのだが…


「…」


しばらく、私たちは動けなかった。


「おばあちゃんみたいに四角く切るの、分からない」


「うん」


「三角でいいよーそれならいけそう?」


「うんやってみる」


(それなら、なんとかなりそう)


「まずは半分に切って、半玉ずつ切ろう」


「分かった!」


「後はピザみたいに切ったらいけるはず」


「雨音、よく知ってるねー」


やったことはないけど、知ってはいた。


「おばあちゃんできた!」


「上手にできたねぇじゃあそれ、持ってってー」


「おお!スイカ?ありがとう」


「ありがとうー」「ありがとう」


真絃くんは、もうお風呂から出てきていた。


今は、お母さんかな。


「はははっこれ、風結が切ったやつでしょー」


「ホントだこれも風結だな」


「なんでよー」


「形見たら分かるわ、めちゃくちゃ風結」


「お父さん、スイカ切った」


「ありがとう」


「雨音、上手に切ったじゃん、すごー」


「私だって上手く切った!」


「ははは、そうだね、風結にしては綺麗かなー」


大人たちは、このスイカみたいに、顔が火照ってる。


「おおー、スイカー?いいねー」


お母さんだ。もっとスイカみたいなのが出てきた。


「ははは、性格出てるねー」


「うるさいなー」


「まあ、私はこっちかなー」


風結の方を取った。


「あれ?咲久ちゃん、それ私のだよ?」


「え?うん、1番大きいからね」


「がめついな」


「はははは」


「はー?アンタは何取ったのよ?」


「僕は雨音のもらったよー」


「なんだよ」


スイカも食べて、ゆっくりしたころ。


(もう23(11)時か)


「あっ、真絃寝ちゃってる」


真絃くんは、ソファの上で寝てしまっていた。


「運ぶかー」


真鳴斗さんが、寝室へ運ぶことになった。


「明輝、もう俺も寝るわ」


「はいよー」


(私も、眠くなってきたな)


運転はしていないのに、不思議と疲れるのだ。


「私も寝る」


「私もー雨音、一緒に寝よ」


「うん」


明輝ちゃんと、真鳴斗さんと、真絃くんは、元々明輝ちゃんが使ってた部屋で、私と風結は、お母さんと一緒に、お母さんの部屋で、お父さんはおじいちゃんの、おばあちゃんは自分の部屋で寝た。


長くて、いつもより賑やかな1日が終わり、静かな朝を迎えた。


目が覚めると、風結は隣におらず、私の足元にいた。


夏とは思えない、気持ちの良さそうな顔をしている。


私は起こさないように、そっとリビングへ向かった。


「おはようー」


「おはよう」


大人たちと、真絃くんは起きていた。


別に、昨夜は祭りではなかったが、昨日の余韻が残っている。


「雨音、おはよう。ご飯あるよ」


「ありがとう」


まだ頭が回っていないのが分かる。


いつもとは違う朝に、新鮮だと感じながら、落ち着きを持っている。


朝8時過ぎ、私の地元とは違う、見慣れない朝のニュースが流れている。


朝ご飯をもらいに、台所へ行ってみる。


そこでは、聞き慣れた音質で、人の声が。


「…は36°の予想です」


ラジオだ。そういえば、おばあちゃんは毎朝ラジオを聞いていた。


「はい、これね。ヨーグルトもあるよ」


「ありがとう」


味噌汁とご飯、レタスにトマトのサラダだ。


なんて健康的な朝ごはん。


これも新鮮で、不思議と、落ち着きを持たせてくれる。


「いただきます」


私が食べ進めていると、足音が近づいてきた。


「おはよー」


「風結、おはよう」


「おはよう風結、ご飯あるから食べちゃって」


「ありがとう」


やはり朝は、朝だ。


元気一杯の風結も、朝日のように、穏やかだ。


「もう少ししたら、お墓参り行こうか」


「はーい」「はい」「うん」


私は、身支度を始めた。

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