雨、飾って照らして(3)
(どれにしようかな…)
今回付けたのは、どれも本当に自分でも似合うなと思った。
お店を回ってみる。
(…?)
なんだか、変わったアクセサリーが並ぶ場所。
ひなさんがお母さんに提案していた目のピアス、唇のピアス、人差し指を立てた手のピアス。
変わった物が沢山だ。
(あっこれ…)
青色のカタツムリのピアス。
(かわいい…)
でも、ピアスか…あまり穴を開けるのは…
「これ、気に入った?」
お母さんだ
「うん、かわいい」
「いいね、でも、ピアスね…ひな、これのイヤリングはないの?」
「ああ、金具変えればいいから、ちょっと時間もらえれば変えるよ」
「お願いしてもいい?」
「もちろん」
「ありがとう」
「良かったね」
「うん」
「できたよー」
「はや」
「プロだからね」
「雨音ちゃんお待たせー私はこれ選んでみたんだけど、どうかな?」
玉が二つ、上下に連なり、その下には傘がある。
「咲久から雨が好きって聞いててどうかな?」
「いい感じです。素敵。ありがとうございます」
「良かったー」
じゃあこの三つ貰おうかな
「はーい」
「ありがとうございましたーまた来てねー」
「ありがとね」「ありがとうございました」
私たちは、お店を出た。
「お母さん、ありがとう」
「急に付き合わせちゃってごめんねー」
「ううん、楽しかった。」
「良かった」
お母さんの車に、また乗り込む。
「…ですよね?そうそう!」
イヤリングが包まれた小袋には「灯凪」と書かれている。
お店の名前だろうか…「灯」と、「凪」
「お母さんあのお店、なんて名前なの?」
「「ひな」だよ自分の名前にしてるの」
(「灯凪」って書くんだ…いい名前。)
「名前、かっこいいね」
「ははは、そうね、まるであの子みたいよねー」
「え?」
「「灯」と「凪」見た目はかっこいい文字なんだけど、読みの響きは「ひな」で、なんだか可愛らしいでしょ?そんな感じしない?」
たしかに、灯凪さんは、背が高くて、黒くて綺麗で長い髪で、とてもかっこいい見た目だった。
でも、笑顔や、声色、雰囲気は、煌びやかというほど明るくて、特に笑顔は、かわいらしさもあった。
「そうだね、ぴったりな名前」
「お?伝わった?」
「うん、見た目はかっこいいけど、話している感じは、すごく明るかった」
「そうなんだよねー昔からそうでさ、黙って真剣な顔してると、すごいクールで、かっこいいんだけど、話しかけると、とっても明るくて、可愛らしいとも思える」
「いつから友達なの?」
「確か、中学からね。ちょうど同じクラスで、何かをきっかけに話したんだけど、忘れちゃった。ただ、話した時から、「この子好きかも」って思ったねー」
「ふーん、いいね」
なんか、お母さんは灯凪さんについて、まだまだ言いたげだ。
「お母さん、灯凪さん、好きなんだね」
「ははは、そうかも。高校まで一緒で、高校卒業しても、ちょくちょく会ってたからねー」
「もっと聞かせてよ」
「えー?また追々(おいおい)ね」
…♫…♪
また、車内には、聞いたことのない曲が流れている。
今日は晴れ、本当に夏らしい暑さだ。
車内は涼しいはずなのに、私には温かさが残る。
一度灯れば、揺らぐことのない火が、私を、照らしていた。




