夏祭り、快晴な夜
今日は晴れ。また雨が降らないだろうか。
そう、夏になると思うのだが、今日は晴れて良かった。
17時ごろから、近くの神社で祭りがある。
毎年やっているみたいだけど、私は毎年、小学校で開催される夏祭りに行っていた。
今年は、校舎を改装するらしく、夏祭りはやらない。
というのを、今年の始めに聞いていたので、ちょうどいい。
(藤田さんに教えてもらえてよかった)
時間は、お昼前。まだまだ時間がある。
お祭りまで、夏の課題を進めようと思う。
私には、持論がある。
夏の課題を、「1日10ページやって、5日で終わらせる」みたいなことを言っている人ほど、夏休みの最後まで終わっていない。
少ないページで少しずつ、もしくは、やれる時にやれるだけにやった方が、余裕を持って、夏休みを終えることが出来る。
(8月前半だけど、あと少しで終わるな。これなら余裕で…)
危ない危ない、夏の宿題について、「余裕」という言葉が一番の命取りだ。
今まで私は、沢山のパターンを経験してきた。
ただ単に夏休み後半まで手をつけず、泣きながら宿題をやったことも、
1日15ページという変に多い目標を立てて、結局最後までやらなかったことも、
今回のように、夏休み前半まで、かなりいいペースで進めてきて、後からやっても「余裕」で終わると思い込み、最終日、痛い目を見たことも。
挙げ出すと、もっとある。
とにかく、全てに共通していることは、最終日に泣いているということ。
泣きながら9月1日を迎えることが無くなったのは、やっと、去年のことだ。
「三度目の正直」という言葉なんて、とうに越した位置に、私はいるのだ。
去年までの経験で学んだことは、意外と、苦手な教科は後回しにした方が、上手くいくということ。
苦手な教科は、必然的に時間がかかる。
苦手な教科からやってしまうと、時間がかかる上、「まだ終わっていない教科もあるのに」という考えが出てくる。
すると、嫌になってしまい、結局、最後までやらなくなる。
だから私は、先に苦手以外を片付け、苦手な教科に時間をかける。
今私は、苦手な教科に向き合っている。数学だ。
12ページある中の、7ページを終わらせてきた。あとは5ページ。
ここで舐めてはいけない、未来の自分に任せてはいけない。
私はペンを持つ。しかし、手は動かない。
(あー、時間がかかる)
応用問題というのが、どうも苦手だ。
時間はかかるし、ありえない数字になったりする。
(お腹空いたな…)
今日、お母さんは仕事。
お昼は簡単に作るか、冷凍か。今はラーメンの気分だ。
ラーメンを作ろう。「作る」と言っても、冷凍の麺を、火にかけるだけなのだけれど。
(祭り、何があるんだろう。神社でお祭りって、ザ・夏祭りって感じ。)
大きな神社じゃないけれど、神社で夏祭りなんて、初めてだ。
それにしても、今日はすごくいい天気だ。
家の中だけど、鮮やかな青が見えて、白い雲は一つもない。
名前は雨音だけど、晴れ女なんじゃないか、そんな事を、たまに思う。
「いただきます」
家の中には、テレビの音と、蝉の声と、私の、ラーメンをすする音。音はあるけれど、静かだ。
17時まで、暇だな…晴美は、空いてるかな、もし空いてたら、どこかで暇を潰したいのだけれど。
「ごちそうさまでした」
暇すぎて、いつもならやらないけれど、食べ終わってすぐお皿を洗った。
…♪
スマホが鳴っている。電話だ。
私のスマホが電話でなることは、あまりない。
相手は…「晴美」
私は、一つワクワクした予感を抱いている。
「あっもしもし雨音ちゃん?今って暇?」
(おっ)
「うん、暇だよ」
不思議と、弾んだ声色になった。
「私も暇でさー、どっかで暇潰さない?」
「いいね。」
「じゃあ10分後ぐらいに行くねー」
「分かった」
「晴美」
「ん?」
「私も同じこと考えてた。暇潰せないかなって」
「いいね、じゃ」
今朝の占いはどうだっただろう。きっと一位に違いない。
私は、軽く身なりを整えた。




